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英語の賢い学び方(16)語彙の拡張を楽しむー続き

Posted By 土屋澄男 On 2014年4月3日 @ 9:42 AM In 未分類 | No Comments

単語を覚えるには、ほとんど常に、必要なだけの心的エネルギー(mental energy)をそれに投入しなければなりません。ほとんど無意識のうちに、いつの間にか覚えてしまうということもないわけではありません。しかし語の形態(音声や綴り字)と意味の結びつきは恣意的なものですから、多くの場合、その結びつきを長期記憶のスペースに送り込むには相当の心的エネルギーを動員することが必要です。そこで、語の記憶に動員するする心的エネルギーという観点から、語彙をいくつかの種類に分けて、それぞれの種類ごとに語彙の処理方法を考えてみましょう。そうすれば、すべての語を同じように扱う場合に比べて、自分の使うことのできるエネルギーをより効果的に配分することができるのではないかと考えます。

ここでは語彙を次の6つの種類に分けます。

(1)基本語A:名詞・形容詞・副詞などの内容語、(2)基本語B:基本動詞、(3)基本語C:前置詞・接続詞・関係詞などの機能語、(4)派生語、(5)合成語、(6)固有名詞

ただしこの分類法は語彙学習のための便宜的なものですから、すべての語がこれらのどれかにぴたりと当てはまるわけではありません。しかし、自分がいま学習している語がどの種類に属するものであるかを意識することによって、あとでその語に再会したとき、以前にその語について意識した内容が同時に想起されます。そうすることによって、その語を記憶する手がかりが増すと考えられるのです。語は連想やイメージの手がかりが多いほど、記憶に有利にはたらくことが分かっています。

(1)基本語A名詞、形容詞、副詞がここに入ります。これらの多くは、次の例のように、発話の中で単独で用いることができます。

例1. “What do you see in this picture?” – “Apples.”

例2. “We won the first match.” – “Great!”

そういうわけで、この範疇に属する語には、コンテクストが与えられれば意味が明確に定義さるものが沢山あります。したがって、この範疇に属する語のうち語義の比較的に単純なものは、単語カードなどで記憶するのも一つの有効な方法と考えられます。ただし、ありふれた語であっても、それぞれの語が指示する概念やイメージには注意が必要です。たとえば、deskは「つくえ」でたいてい間に合いますが、chairは日本語の「いす」とは違います。OALDでchairを引くと、 ‘a piece of furniture for one person to sit on, with a back, a seat and four legs’ と定義され、関連する次の語がイラスト入りで載っています。

armchair / footstool / stool / recliner / swivel chair / wheelchair / pew / sofa / two-seater sofa (love-seat AmE) / baby walker (walker AmE) / high chair / rocking chair / chaise longue / sunlounger / deckchair / bench

もちろん、これらの関連語を一度に記憶しようとする必要はまったくありませんし、それは無用なエネルギーの消費です。しかしchairの概念が日本語の「いす」や「腰掛け」とは違うものだということは、最初に意識しておくとよいでしょう。chairを「いす」とだけ記憶するのはさほど楽しい学びにはなりませんが、chairという語からイメージされるものが文化によって大きく違うことを知るのは、学びをずっと楽しいものにするでしょう。

(2)基本語Bここには動詞が入ります。英語の動詞はたいてい主語の直後に置かれ、その後に補語や目的語や修飾語がきます。したがって動詞は文のほぼ中央に位置します。いわゆる「文型」(sentence pattern)は動詞の種類によって決まるので、それが自動詞か他動詞かは重要な情報です。そして多くの動詞が過去を表わすのに語形が変化し、過去分詞形、~ing形などの語形を持ち、多様な使い方をします。また動詞takeの考察で見たように、意味や用法が複雑なものも多く、それらを自由に使えるようになるには多くの時間とエネルギーを要します。基本動詞の中でも特に次の動詞の用法には注意が必要です。

*特に注意すべき基本動詞:be 動詞 / do / get / give / have / make / take

これらに習熟することは一朝一夕にはできないので、あせらずに、一つひとつの用法に集中し、経験によって用いる範囲を広げていくようにすることが大切です。要は自分の知識の拡張を楽しむ心の余裕を持つことです。そういうわけで、動詞は他の語よりも慎重な学習が求められます。特に自分で文を産出する場合には、動詞の用法と形態に充分な注意を払う必要があります。

「基本語C」以下については次回に述べます。(To be continued.)


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