(左から)田崎先生、高橋知行さん、仲居宏二さん

(左から)田崎先生、高橋知行さん、仲居宏二さん

田崎先生、最後の番組
高橋知行(昭和50年~51年、「英語会話初級」PD)

田崎先生、最後の番組
高橋知行(昭和50年~51年、「英語会話初級」PD)  わたしのNHK入局は昭和39年、東京オリンピックの年です。初任地は通信教育部でした。その時既に田崎先生は「テレビ英語会話初級」の講師としてひときわ輝く存在でした。スキットの主人公としても登場していろいろなキャラクターをリアルに演じ分けながらの軽妙な解説はなんとも迫力に満ち説得力がありました。通信高校講座「英語A1」の担当となったわたしにとってはいつの日か担当してみたい憧れの番組でした。

それから11年後の昭和50年7月、新人配属に伴う人事異動で室蘭放送局から通信教育部語学1班に戻って来ました。もちろんテレビ「英語会話初級」もMarsha Krakowerさんをパートナーに迎えて華々しく続いていました。当時の番組内容は、スタジオでのスキットを中心に展開する学習コーナーの他に、ヤマハの最高級エレクトーンGXがブリッジを生でつなぎ、しばたはつみ、マーサ三宅、マリーン、ケイ・アンナといった一流singerがジャズやポップスを歌い、更に公開前のハリウッド映画を紹介していくコーナーまで実に多彩な構成でなんとも楽しめるものとなっていました。

担当ディレクターは小島明、立入恵子、下尾良策、仲居宏二、デスクは山崎洋右、CPは田尻和彦という布陣でした。8月の人事異動で下尾氏が抜け、その後にわたしが入って晴れて憧れの「田崎英語会話」のディレクターとなったのでした。しかしその期間はその後わずか半年で終了となってしまうのです。

この時期総合テレビのカラー化がほぼ完了し、いよいよ教育テレビのカラー化が始まるのに合わせて昭和51年度はテレビ語学番組大改定の路線が敷かれていました。9月に入ると早々に当時東京外国語大学学長の小川芳男先生を座長とする「NHK語学講座アドバイザー会議」が立ち上げられ議論が重ねられていきました。その結果長年続いて来た「英語会話初級」「英語会話中級」が統合された形で「英語会話Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ~English For Tomorrow~」となったのでした。

やさしい文型から入る「Ⅰ」、発想別に展開する「Ⅱ」、文化的側面にまで迫る「Ⅲ」という「アドバイザー会議」の提言を受けての大改定でした。そして「英語会話Ⅰ」は語学番組としては始めてのカラー放送となったのです。

そして田崎先生の「英語会話初級」は昭和50年度をもって制作を終え、51年度は「英語会話Ⅱ」とタイトルを改めての再放送となったのでした。

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テレビ「英語会話初級」の記録

テレビ「英語会話初級」の記録

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