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“ボタンの掛け違い”の話
(1)このところ、最初ボタンを掛け違ってその結果として大事になる事件が多いようです。滋賀県大津市の中学生が自殺に追い込まれて、「いじめがあったのではないか」という疑問に教育員会も学校も「そんなことはない」としらばくれたために、県警が教育委員会や中学校に家宅捜索に入るという前代未聞の大事件になってしまいました。その後遺族に訴えられて、大津市は示談に応じるような姿勢を見せ始めましたが、後の祭りでしょう。

(2)私の限られた経験ですが、戦前から小学6年生くらいになると、“いじめっ子”と呼ばれる生徒が数名いて、下級生たちはとても怖がったものです。しかし、彼等には子どもながらに“仁義”があって、先生には従順でした。ですから、下級生が6年生にいじめられたと先生に訴えれば、先生はすぐにその6年生を探し出して叱ってくれたのです。それでも下級生たちはなるべくそういう上級生を避けるようにしていました。

(4)ところで、東京電力は、「電気料金を値上げするのは会社の権利だ」などと言っていましたが、さすがに政府もすぐには値上げを認めませんでした。最近の決定では8.5%程度で収まるようですが、庶民にとっては辛い数字です。なにしろ政府にしても、東京電力の示すデータしか資料の持ち合わせがないのですから相手の言うことを信じるよりないのです。最初にボタンを掛け違えても、最後は何とか辻褄を合せてしまうという異例の事態です。

(5)“ボタンの掛け違い”の見本のような実例は野田首相でしょう。小沢一郎や鳩山由紀夫が、あからさまに消費税増税に反対を表明していたのに、話し合いや説得を後回しにして、自民党や公明党と与野党合議を進めてしまったのです。そのために離党者が次々と出て、自分の身さえ危なくなってしまいました。この人物は、「敵でも味方でも話し合えば理解してもらえる」と信じているバカなほどのお人好しか、または、国民の期待の裏をかく策士なのでしょう。いずれにしても、浮かばれないのは庶民です。

(6)鳩山由紀夫と言えば、この人ほど物事の順序をわきまえない人物も珍しいですね。のほほんと育った良家のお坊ちゃんでしょうから無理も無いですが、今度は原発再起動反対のデモ隊に参加して激励したりしています。政治家の行動としては許されることですが、離党もしないで自分の党に反対する行動は不可解です。沖縄の基地問題で世論を混乱させたことで党代表を辞めた責任などとうの昔に忘れてしまっているのでしょう。

(7)こんな人物が党内にいても、優柔不断な野田首相は決着をつけようとしません。最近の各社の世論調査では、「支持する政党はない」とする無党派層が急増しているようです。総選挙があっても投票しない人たちが増えたのでは、選挙の意味も無くなります。これこそ日本の最大の危機だと思います。(この回終り)