Archive for 7月, 2013

どんな言語にも抑揚があり、抑揚のない言語というのは考えられません。抑揚のパタンは強勢のパタンと微妙に重なって、それぞれの言語に特有のリズムとメロディーを生み出します。それにはたぶん、抑揚や強勢だけでなく、発声の仕方、音程の取り方、話し方の速度や間の取り方など、言語外の要素が多数含まれているでしょう。そのような要素は言語音声の記述ではほとんど取り上げられませんが、それらすべてが一体となって言葉のリズムとメロディーを作り出していると考えられます。私たちは自分の母語については、母の胎内にいるときから自分の言葉のリズムとメロディーに触れてきたので、それらをしっかりと身につけています。しかし外国語の場合には、それらを身につけるのは簡単ではありません。筆者の意見では、これは一つには経験、もう一つは個人の感受性によるものです。後者はおそらく、後で触れるように、母語習得の初期の過程で発達するものです。

それぞれの言語には特有のリズムとメロディーがあります。日本語のリズムやメロディーと英語のそれとはずいぶん違います。同じ日本語でも、それが話される土地によって違ってきます。同じように英語も、土地によって違いがあります。20年ほど前にロンドンに1年間滞在してBBCのニュースを毎日聴きましたが、アメリカのCNNなどのニュースキャスターの英語と感じがずいぶん違うと驚きました。アメリカ英語に慣れた耳には、BBCのニュースキャスターの話す英語はまったく違った言語に感じるほど大きな違いがありました。ロンドンを訪れた何人かのアメリカ人にそのことを尋ねてみると、初めてロンドンに来た人はみなそのように言っていました。あるアメリカ人は、ロンドン名物の観光バスに乗ってガイドの説明を聞いたが、自分の使っている英語とあまりにも違っていて、半分も聞き取れなかったと言っていました。その違いを分析すれば、おそらく個々の母音・子音の発音や強勢や抑揚、あるいは語彙といった言語学的な要素の違いも大きいのでしょうが、それだけではなく、全体的な言葉のリズムやメロディーといった言語の外的要素も大きな役割を果たしているのではないかと思います。

私たちの母語の習得において、言語のリズムとメロディーは非常に大きな役割を果たしています。赤ちゃんはおそらく最初から、すべての言語に言語そのものの要素(母音、子音、語彙など)と言語の外的要素(リズム、メロディーなど)があること、そして後者を先に吸収するほうが容易であることを知っているのでしょう。ですから聞こえてくる発話の語彙的な意味はまったく理解できなくても、強勢や抑揚やメロディーによって伝えられるだけの情報を何とかして理解しようとします。こういうことを、赤ちゃんはお母さんの胎内にいるときから学んでいるのです。そしてその学びは誕生後の10か月余におよび、1歳の誕生日を迎える頃には、母語の言語的要素に近づく準備が整います。偉大な歌手というのは、おそらく非常に早い時期に、声を道具としてあらゆる演奏ができるように習熟した人たちです。彼らは誰もが持っている声の才能を他の人よりもよく育てた人たちなのです。

英語のリズムやメロディーを身につけるいちばん優れた方法は、歌をうたうことです。幸い英語の歌に関する資料は数多く出版されています。昨年度、小学校5年生から学校で英語が教えられるようになりました。小学校によってはどう教えたらよいか迷っているところもあるようですが、まずは英語の歌から始めてはどうでしょうか。歌をうたうことによって、英語らしいリズムやメロディーを身につけることができます。それは、使える英語の第一歩だと言えます。小学生のための英語指導の研究に長年携わってきた久埜百合氏は、その監修書の冒頭に次のように書いています(注)

「小学生が初めて英語に出会うとき、英語の歌が大きな役目を果たします。まず、楽しく英語の歌を聞いてみましょう。子どもたちは「ことば」にとらわれずに、「英語の音の流れ」を自然に吸収していきます。すこしずつうたえるようになると、リズムにのって体をのびのびと動かせるようになります。そして、日本語とは違うリズムや抑揚に慣れていきます。無意識のうちに“英語らしい”音の流れを抵抗なく口ずさめるようになると、不思議なくらい英語の練習が好きになるのです。」

筆者は小学生を教えたことはありませんが、むかし中学1年生に英語を教えたとき、第1学期の毎授業の初めに、英語の歌をみんなで楽しくうたうことを実践しました。それによって、ほとんど100%の生徒を英語好きにしたという経験を持っています。小学生や中学生を英語好きにする方法はこれだと、筆者は今も断言して憚りません。

(注)久埜百合監修、永井淳子・粕谷恭子著『うたって遊ぼう小学生の英語の歌』(小学館、2000年)この本はマザーグースを中心として、英語圏の子どもたちに歌いつがれてきた伝統的な歌を集めています。全部で28曲あり、楽譜と歌詞(訳付)と簡単な動作のイラスト、およびCDが付いています。英語の歌の本は他にもありますが、小学生向きのものとしては、本書は最良のものの一つです。その後続編(2)が出ています。

(154)<参議院選挙管見>

④ 選挙結果の検証 

第23回参議院議員選挙の結果について、(1)① 参院選概観にそって (2)これ
からどうなる‐ミクロの視点 (3)これからどうする‐マクロの展望 の3回にわたって、私なりの検証を行いたい。これは、次の国政選挙(多分3年後の衆参同日選挙)を考える際のガイドラインとなる。現在を理解しなければ、将来を見通すことはできないのである。

④‐(1)  ① 参議院議員選挙概観にそっての検証−民意は反映されたか?

  7月21日(日)投票日。朝の天気概況では、全国的に曇りか晴れで、西日本では猛暑が続くが、東日本では30度以下で比較的過ごしやすいという。午前10時前、家内と投票所へ向かった。大抵近所の知人に会ったり、三々五々とまではいかなくても、投票所付近では、行き帰りの人達に出会うのだが、今日は道路に殆ど人影がない。投票所はがらんとしていて先客は誰もいなかった。帰りに100メートルほど離れたスーパーに立ち寄ったところ、こちらのほうは、いつもどおり賑わっていた。今度の選挙の本当の焦点である投票率が気になった。
  概観では、これまで数回の各級選挙での投票率から推測して、投票率は50%台前半と予測したが、結果は予測どおり52.6%という過去3番目の低率だった。推測の根拠には、自分自身の予感もあった。NHKにいた頃、多分20回以上選挙報道にかかわり、自分でも各級選挙の運動員や選対要員をしているうちに、投票日よりかなり前に、選挙の結果が大体予測できるようになったのである。

管見 ① では、投票率を左右する要因として5項目を挙げた。

1.接戦だと投票率は上がる:今回はメディアの事前調査などで自民党の独り勝ちが予測されていた。そのアナウンスメント効果もあって投票率は下がった。
2.争点が明確だと投票率が上がる:自民党の争点隠しによって、原発も憲法もかすんでしまった。景気回復がメインテーマでは反対の仕様がない。また、メディアが「衆参のねじれ解消」が焦点とはやし立てたので、他の争点がボケた。各党の政策の違いが理解できない有権者も多かったようだ。したがって、投票率は下がった。自民党の作戦勝ち。
3.期日外投票の期間が長いと投票率が上がる:期日前投票の期間は、選挙公示(国政選挙以外は告示)の翌日から投票日の前日までだが、事実上全国一区の比例代表制がある参議院選挙が、選挙区の大きさの関係で一番長い。今回は17日間で、地区別比例代表制の昨年末の衆議院選挙より5日間長かった。10年前に設けられたこの制度がなければ、投票率は、平成4年の50.7%を下回り、過去2番目の低さになったろう。
4.雨が降ると投票率は下がる:天候は投票には比較的よい条件であった。それでも投票率が下がったのは天気がよすぎたために、遊びに行った有権者も含めて、有権者の関心の低さによる。
5. 今回初めて利用が認められたインターネットによる選挙運動に接触した有権者は約20%だということだが、いまだ試行錯誤の段階で、高齢者の半分程度で推移してきた若者の投票率を上げるまでには至らなかった。

管見 ① では、議席獲得に影響する要素として8項目をあげた。

1.風: 追い風はどこにも吹かなかった。風は、主として無党派層によって巻き起こされるが、無党派層の多くは棄権に回ったようだ。それが、結果的に民主党への逆風になった。また、投票した無党派層の支持の内訳は自民党が25%前後、民主等が15%、共産党、みんな、維新がそれぞれ12%前後とばらけており、風が起きようがなかった。
2.選挙期間中の突発重大事件: (例えば、大平首相の急死による自民党への同情票のような)大事件はなかった。福島第一原発の汚染水が海へ漏れるという原発推進派にはかなり不利なニュースは、10日も遅れて投票日の翌日に発表された。茶番劇。
3.政策: 「ねじれ解消」という、政策以前の問題が焦点になって、これを前面に押し立てた与党側を大きく利した。「ねじれ」というconnotationの悪い語によって、「参議院で野党が与党を上回る勢力を持つこと」があたかも絶対悪のような雰囲気が出来上がった。選挙直前に、参議院民主党の抵抗で「電気事業法改正案」や「生活保護法改正案」のような生活に密着する重要法案が廃案になったことも、この流れを決定づけた。 朝日新聞は社説で「ねじれは悪いことか」と疑問を投げかけたが手遅れのマッチ・ポンプ。かくて「ねじれ」は解消されたが、参議院が再び衆議院のカーボンコピーとなり、”スピード感をもって決める政治”というスローガンの下で、巨大与党の暴走を許す結果になるおそれが強くなった。2院制のメリットとデメリットをもう一度真剣に考える必要がある。アメリカ下院は野党共和党が多数を占める。
4. 組織: 国政選挙は、市町村議員、県会議員の築いた地方組織の基盤の上に戦われる。 自民党が一党支配の50年にわたって築き上げた地方組織は新興政党の追随を許さない。また日本医師会、歯科医師会、農協など支援団体の加盟率は20%前後に落ち、35%程度あった全盛期ほどではないにせよ、他党を寄せ付けない。参議院東京選挙区で社会党上田哲陣営の運動員として医師会を担当し、その壁の厚さが身に沁みた。一方、労組に頼る民主党候補は、電気労連に遠慮して原発反対を打ち出せない同盟の動きが不活発で、選挙区で大敗したうえ、比例区に立候補した同盟の組織内候補も3人が落選した。労組
の組織力の弱体化を物語る。
5.候補者の経歴・知名度: 比例区では知名度の高い候補者の集票力がものを言う。かつては、市川房枝や石原慎太郎、田英夫、青島幸男、上田哲らが100万票をこえる得票で、党の比例区候補の当選に大きく貢献したが、今回は維新の会のアントニオ猪木の8位35万票余りが目立った程度で、自民党から立候補した外食チェーンの創業者渡邊美樹は、傘下の企業がブラック企業として週刊誌などでたたかれ、35位10万票余りでやっと当選という有様だった。
6.選挙協力: 自民党が、極めて固い票を持つ公明党・創価学会との協力で、選挙の帰趨を占う1人区で着実に議席を獲得(31選挙区中29議席)した。このあたりが、自民党が憲法問題などで水と油の公明党を切れない泣き所だ。一方野党は、維新とみんなの協力が選挙直前に御破算になり、完全にバラバラで、足をひっぱりあった。
7.失言、スキャンダル: 維新の会は、橋下共同代表の”慰安婦問題”での失言や石原慎太郎共同代表の乱暴な発言で失速し、当初の第二党を狙う勢いを失った。民主党は鳩山元首相の「尖閣は日本が盗んだと思われても仕方ない」という発言がマイナスになったほか、菅元首相が東京選挙区で公認もれの候補者を応援するという政党としての体をなしていない姿をさらけだし、壊滅的敗北に一役買った。これに対して自民党は「原発事故で死んだ人はいない」という趣旨の発言をして反撥を買った政調会長を一切表に立てず、失点を最小限に防いだ。
8.インターネット活用の巧拙: 候補者の9割以上がSNSやfacebookを利用したが、これらを見た有権者は20%前後で、試行錯誤の段階にとどまった。ただ、ネットを活用した東京選挙区の無所属の俳優山本太郎が66万票で4位に入ったことや緑の党のミュージシャン三宅洋平が、ライブのネット中継などで比例区落選候補最高の18万票をあつめたことから、有効性は確認されたといえる。またインターネットで、相手候補を貶めるネガティブキャンペーンを行なった候補者がいたが、今回はまだ、影響はなかったと本人が認めている。今回は政党と候補者のみに情報発信が解禁されたが、有権者が直接選挙運動に参加できるようになれば、目を覆いたくなるような中傷合戦が繰り広げられて、かえって有権者を選挙から遠ざける結果になりかねない。また,市場操作の手法などが導入されて有権者が巧妙に操作される怖れもあるから、慎重な取り扱いが必要だろう。

 それにしても、有権者の半数近くが棄権する選挙とはなんだろう。これで代議制民主主義は機能するのか。戦後最低の投票率だった昨年末の衆議院議員選挙の総括でも述べたが、今回もまた、自民党は絶対得票率(有権者全体に対する得票率)は25%つまり4分の1で、改選議席数の54%を獲得した。さらに、一票の格差は最高4.77倍、たとえば、東京では55万表で落選し、鳥取では16万票で当選という異常さで、選挙の価値を根本的にそこなうものだった。最高裁が言うように、都道府県を一選挙区として区割りをする限りこの格差はなくならない。このような状況の中で、昨年の衆議院総選挙に続き、今回も投票日直後に弁護士グループによって選挙無効の提訴が全国の高裁・支部で行なわれた。民主主義は手続きだと言われるが、違憲状態の手続きによって選ばれた両院議員によって国が統治されることを何時まで許すつもりなのか。

 これほどまでに異常な低投票率が続くのは、”日本をぶっ壊す“と吠えた小泉劇場や“戦後初の2大政党による政権交代”で風を巻き起こした民主党政権によっても、この国は全然変らなかったことへの失望感が、政治や政治家に対する無気力、無関心を増幅させているからだと思う。さらにその底には、普通の人が普通に働いて普通に生活できる社会の実現が、もはや現在の政治や政治家では不可能であることを多くの人達が実感しつつあるからだと私は考えている。(M)

話し言葉の学習において強勢とならんで大切なのが抑揚(intonation)です。抑揚とは、人が言葉を話すときのピッチ(pitch 声の高さ)の上がり下がりのことです。それは強勢とも関係があります。ピッチが上がるところでは自然に強く発音されます。しかし強く発音されるところで必ずしもピッチが上がるわけではないので、言語研究者は抑揚と強勢とを区別して記述します。

英語の基本的な抑揚パタンはわりに簡単です。学校の英語の授業で習うのは次の3つのパタンです。

(1)下降調(falling intonation):普通の叙述文(平叙文ともいう)

(2)上昇調(rising intonation):yes-noの疑問文

(3)平坦調(level intonation):文の途中の切れ目

最初の下降調というのは、何かを言いきるときの抑揚パタンです。それは第1強勢が置かれる音節でピッチが上がり、そのあと徐々に(または急激に)下降して終わります。これが叙述文の原則です。たとえば、I called you yesterday(昨日きみに電話した) の場合を考えてみましょう。一般に発話の最後の強勢部分で抑揚が変化しますので、この場合にはyesterdayのyesに第1強勢が置かれ、そこでピッチが上がり、そのあと下降して終わります。

しかし、抑揚は話し手の意図や態度によって変わってきます。学習者にとってはそこが非常に難しいところです。もし話し手が何かの理由で(注)calledをとくに強調しようとすると、そこに第1強勢が置かれてピッチが上がり、そのあと最後までなだらかな下降調になります。yesterdayのyesは第2強勢となります。また、話し手がcalledとyesterdayの両方を強調したいためにその両方に第1強勢を置くときには、その両方でピッチが上がりますので、この発話はyouのあとでちょっと切れる感じになります。

次にI called you yesterday, but nobody answered(昨日きみに電話したが、誰も出なかった)という場合の抑揚を考えてみましょう。この発話は二つの部分から成っています。書かれた文ではコンマで切られています。その切れ目で先に挙げた(3)の平坦調になります。この発話を再現するとき最も普通と思われる抑揚の変化は、前半部分ではcalledで、後半部分ではnoで起こると考えられます。つまり、そこに第1強勢が置かれてピッチが上がります。ピッチが上がったあとは徐々に下降しますが、前半のyesterdayのところでは完全には下がらず、平らに(またはやや上昇ぎみに)区切ります。answeredの最後は完全に下がります。

では疑問文の抑揚パタンはどうなるでしょうか。たとえばDid you call me yesterday? ではどうでしょうか。これはyes-no questionですから上昇調です。ピッチが最初から最後までしだいに上がっていきます。叙述文と違って急激なピッチの変化はありません。もちろんcalledとyesterdayには強勢があります。What’s your name? のような wh-questionではどうでしょうか。学校ではこの形の疑問文は下降調を用いると教えられるかもしれません。しかし場面によって、同じ疑問文が上昇調で言われることも多いことを知っておくべきです。What’s your name? を下降調で、相手を見下した感じで言ってみてください。すると、いたずらをしている少年に対する警官か先生の詰問みたいになるでしょう。もっとやさしく丁寧にいうときには、What’s your name, please? やMay I have your name, please? またはYour name, please? などを上昇調で言います。このように、wh-questionsはすべて、質問する相手との関係で上昇調になったり下降調になったりします。

最初に挙げた抑揚の基本パタンでは、叙述文は下降調、yes-noの疑問文は上昇調となっていましたが、それはあくまでも原則であって、実際にはそうでない場合が他にもいろいろとあります。Did you call me yesterday? は上昇調ですが、You called me yesterdayを上昇調で言えば、疑問文と同じになります。その場合にはYou called me yesterday? と疑問符を付けて書きます。日常会話ではそういう疑問形はごく普通に使われます。また、You called me yesterday, didn’t you? という付加疑問(tag question)も、上昇調で言えば確認を求める疑問形となり、下降調で言えば念を押すだけの助詞みたいなものになります。英語学習者は抑揚の上昇調や下降調の原則にあまりとらわれず、実際の言語使用でどんな抑揚が使われているかを各自で研究することが必要です。そのための方法として映画の台詞の研究をお薦めします。

(脚注)I called you yesterdayの発話は、「昨日きみに電話した」という事実だけを伝えるとは限りません。相手に対する非難の気持ちを表わすこともできます。「昨日きみに電話したのに!」というような感じです。また相手に「昨日どうして来なかったの?」と詰問されて、その言い訳としてこのように言うこともできます。いずれの場合にもcalledに強勢が置かれ、そこでピッチの大きな変化が現れます。非難や言い訳に伴う感情は、当然、声の調子やその大きさにも反映します。

“毒母”という言葉で考えたこと
(1)広島県呉市で起きた17歳の少女が女友だちを殺して山中に埋めたという事件は衝撃的でした。私的なことですが、私は呉市で小学生になり4年生まで住んでいましたので、特にショックを感じました。“灰が峯”という山は海抜737メートルの山ですが、周囲にはそれより高い山が無いので、結構目立つのです。私の小学校の校歌には“灰が峯”が歌われていました。

(2)明治維新という流血の内戦の結果として日本は近代国家の仲間入りをしたわけですが、必ずしも望ましい革命とはならなかったと私は思っています。三百年以上も続いた鎖国と徳川封建制の影響は非常に強くて、それは第2次世界大戦の敗北という犠牲を払っても払拭できない力として今日まであらゆる面で民主化の阻害となってきたように感じます。

(3)話題は変わりますが、私は“毒母”(どくぼ)という言葉を、“遠野なぎこ”という女優の告白を取り上げたラジオ番組で知りました。詳しくは、インターネットで、“遠野なぎこ”、または、“毒母”で検索すると様々な情報を得られます。“毒母”というのは、簡単に言えば、一般に考えられている母性愛のある親ではなくて、母性を全く失った母親のことです。どのように母性を失うかと言えば、一人の人間として目覚めてしまう女性のある者は、「自分は子供による犠牲者だ。子供が憎い」と思うあまり、子供に対する陰惨な“いじめ”を実践してしまうのです。

(4)そのように育てられた子供は犯罪者になる可能性が大きくて、今日では頻度の差はあるにしても世界的に見られる現象だとのことです。しかし、そんな環境に育ちながらも成人してからは、毒母に悩む人たちを救おうと努力している人の話も聞きました。何事にも例外はあるものです。呉市の事件はまだ明らかになっていないことが多いですが、マスコミの取り上げ方は感情的な要素が強く、読者も冷静な判断を失いがちです。これはとても危険です。

(5)前回の私ブログ(“いじめ”を考える)にも書きましたように、日本はまだまだ男性優勢の社会ですから、「女性はそんなにひどいことはしないだろう」という意識が男性の間に強いのですが、通常の本能や理性を失った人間がとる行動は男女の差は無いと考えるべきなのです。マスコミも、「女のくせに」といった意識が見え隠れするような報じ方は避けてもらいらいと思います。

(6)不景気な時には犯罪が増えるので、景気を良くすべきだという見解もありますが、“毒母”のような存在は、景気などに左右される問題ではないと思います。もっと人間性の本質に基づいた分析や対策を考える必要がある問題なのではないでしょうか。(この回終り)

(153)参院選管見 松山薫

③ 憲法問題

 自民党は結党以来憲法改正を党是とし、新綱領でもトップに掲げており、安倍現首相はその急先鋒を自負してきた。6年前の第1次安倍内閣では、平成18年の暮れに、愛国心を盛り込んだ「教育基本法の改正」を衆参両院で強行採決して成立させた後、翌年春には、「憲法改正国民投票法」を、これも両院での強行採決で成立させた。これに伴って平成19年8月に「憲法調査会」を「憲法審議会」に格上げする法案が通過したが、ここで安部首相が病気のため辞任し、憲法改正の動きは減速したかに見えた。

 しかし、憲法審査会の会合は継続しており、今年5月の会合では、憲法「前文」の審議が行なわれ、自民党、日本維新の会、みんなの党、生活の党の代表は、改正に前向きな意見を述べた。公明党の代表は、加憲の立場から、人権尊重を加えるのであればという条件つきで賛成した。民主党代表は態度を明らかにせず、共産党代表は、前文から不戦の誓いを削除することは、戦後の出発点を否定するものだとして反対した。
大体、こういったところが、現在の各党の憲法に対する基本的な立場だろう。

 今回の選挙戦では、自民党は憲法改正をあえて争点化せず、安倍首相も自民党総裁としての応援演説では、最終盤になって簡単に触れるにとどまった。憲法を守る義務のある首相としては当然のことではあったが、連立与党で、改憲には慎重な公明党への配慮もあったろう。
しかし、明日投票が行なわれる参議院選挙で、自民党が72議席以上を獲得して、非改選議席とあわせて過半数を占め、改憲政党である維新の会や、みんなの党、それに諸派・無所属を合わせて3分の2を超えれば、衆参両院で憲法改正発議を行なう態勢が整う。後世の振り返ってみると、これまで軽んじられてきた参議院議員選挙が憲法問題をめぐる天王山であったということになるかもしれない。

<各党の憲法に関する選挙公約>

自民党 : ①前文では、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3つの基本原理を継承しつつ、日本国の歴史や
 文化、国や郷土を自ら守る気概、和を尊び家族や社会が互いに助け合って国家が 成り立っていることなどを表明しました。
②天皇陛下は元首であり、日本国及び日本国民統合の象徴であることを合の象徴であることを記し、国や地方公共団体主催行事への
 ご臨席など「公的行為」の規定を加えました。国旗・国定を加えました。国旗・国歌・元号の規定も加えました。
③自衛権を明記し、国防軍の設置、領土等の保義務を規定しました。
④家族の尊重、家族は互いに助け合い。
          ⑤国による「環境保全」「在外邦人の保護」「犯罪被害者等への配慮」「教育環境整備」の義務を新たに規定しました。
⑥内閣総理大臣の権限や権限代行を規定しました。
⑦財政健全性の確保を規定しました。
⑧地方自治の本旨を明らかにし、国及び地方自治体の協力関係を規定しました。
⑨武力攻撃や大規模な自然災害などに対応するための「緊急事態条項」を新設しました。
⑩憲法改正の発議要件を「衆参それぞれの過半数」に緩和し、主権者である国民が「国民投票」を通じて
 憲法判断に参加する機会を得やすくしました。
★自民党は、広く国民の理解を得つつ、「憲法改正原案」の国会提出

公明党 : 第96条改正に関し、「改正の内容とともに議論するのがふさわしい」と改正手続きを先行させることには慎重な立場を示した。一方で96条改正自体に は「(憲法は)通常の法律の制定と比べて、より厳格な改正手続きを備えた『硬性憲法』の性格を維持すべきだ」と慎重姿勢をにじませつつ、賛否への言及を避 けた。山口那津男代表は記者会見で「(要件緩和を)否定するものではない」と語った。 一方、憲法改正自体には「新たに必要とされる理念・条文を現行憲法に加える『加憲』が最も現実的で妥当」と前向きな姿勢を示し、具体例として環境権や地方自治の拡充を挙げた。 第9条については、戦争放棄や戦力不保持をうたう第1項、第2項は堅持し、「加憲」対象として自衛隊の存在の明記や国際貢献の在り方を検討するとした。
民主党 : 未来志向の憲法を構想する。96条改正先行に反対。

みんな : 憲法改正の前にやるべき事は、まず違憲状態の選挙制度の解消です。みんなの党は、住所差別の起こり得ない1人1票全国集計の比例代表制を提案しています。政党が国民に根ざした正統性を確立しなければ、民主主義による国家経営は成り立ちません。

維新  : 民主主義の原点に基づき、まず憲法96条改正に取り組む。国と地方の統治機構を改革し、道州制を導入。国民が直接リーダーを選ぶ首相公選制を実現。衆参両院の合併による一院制を確立。消費税を地方税化する。

共産党 : 憲法改悪策動を許さず、憲法の全条項をまもり、平和・人権・民主主義の条項の完全実
施をはかります/憲法9条にもとづく自主・自立の外交。

社民党 : 第96条の改正は国家権力を縛るためにある「立憲主義の憲法」の本質を破壊するもので強く反対。現憲法の「平和。国民主権、人権尊重」の3原則を守る。平和憲法の理念の実現をはかるため「平和基本法」を制定し自衛隊を必要最小限に縮小。

みどり :  憲法の基本原理「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を堅持 。憲法9条及び憲法96条改正には反対。 国民投票制度の導入を推進する。

大地  : 改正要件を緩和する「96条先行改正」は認めない。9条の「戦争放棄」は堅持しつつ、自衛隊を憲法上の組織として明確に位置付ける。

<管見>

 憲法を英語では “ the constitution “ という。constitution というのは、もともと「構成」とか「体格」という意味で、封建時代が終わり、近代国家が成立し始めた頃、国家の骨格を定める「決り」としてこの語が用いられたものだろう。

 したがって、憲法を改正することは、国のあり方を変えることにつながるから、国民は改正に当たってはその覚悟を持たねばならない。さらに対外的には、基本的なあり方が、ぐらぐらしていて、いつまた変わるのかわからないような国は信用されないだろうから、憲法は簡単に変えられない「硬性憲法」であったほうがよいと私は思う。

ところで、国家についての近代思想は、トマス・ホッブスやジョン・ロック、ジャンジャ
ック・ルソーの「社会契約説」だが、私は、教育思想と同じく、国家観についても「皆で権力を作る」というルソーの側に立つ。したがって統治者も国民自ら選ぶべきであるという首相公選論者なので、当然改憲が必要であると考えてはいる。

 しかし、改憲であれ加憲であれ、絶対に変えてはならない条項がある。この条項を変えるとなれば、体格を支える背骨がなくなるからだ。私の意見ではそれは、第10章 「最高法規」の冒頭にある「第97条」である。
 
97条 「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に耐え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。 

 これさえあれば、憲法に自衛隊を書き込もうと、国防軍を新設しようと、まあ何とかなるだろうと考えていたのだが、現憲法と比較対照した自民党憲法改正草案を読んでみて驚いた。なんと!なんと!なんと!この条項はすっぽり抜け落ちて白紙となり、削除となっていた。(M)

 <追記> 東京と長野で国政選挙、都議選、江東区議選、そして茅ケ崎市長選挙と5回の選挙に直接運動員として参加した。候補者と一体にならなければ選挙運動は出来ない。投票日前日、選挙運動を終って候補者のねぎらいの言葉を聞きながら、何とかと当選して欲しいと願った。そして投票日。泣き崩れる家族に捲土重来を誓う” ただの人“、落選確実とともに選挙違反摘発で踏み込もうと待ち構える警察官との睨みあい、一方で担ぎこまれるタル酒や殺到する祝電、「オイ、よかったな」と声をかけたら、黙って手を握って涙を浮かべた当選者、そうした中で政治家は、人間としても、リーダーとしても鍛えられていく。選挙こそ民主主義を支える人間ドラマだと思う。どうか皆さん、明日は投票に行ってください。(M)
 

前回は文中で強勢のある音節に焦点をあて、そこにいろいろなパタンがあることを学びました。では強勢のない音節はどうなのでしょうか。それらはただ弱く発音すればよいのでしょうか。これについての多くの人々の理解は、強勢のない音節は弱く素早く発音すればよいということでしょう。筆者も以前そのように書きました。しかし英語のニュースや朗読されたストーリーなどを注意深く聴いてみると、強勢のない音節の発音も一様に弱く発音されるわけではなく、微妙に変化していることに気づきます。それは単に強勢がないというのではなく、弱いなりに強弱の変化があるということです。第1強勢や第2強勢ほどには強くないけれども、弱いなりに強勢も感じられると言ったらよいでしょうか。専門家はそのような強勢を第3強勢と呼んでいます。文例によって確かめてみましょう。

前回に紹介したタイム誌の ‘The Pursuit of Happiness’ の中に次の文がありました。この文の強勢を細かく見てみましょう。文の内容は、収入を気にしている人とそうでない人とでは、どちらが生活の満足度が高いかを述べたものです。第1強勢または第2強勢が置かれる音節を太字で表わします。

People who care about other people’s incomes are typically less happy with their lives.

この文を二、三度音読してみてください。英語をある程度知っている人にはさほど難しい文ではないでしょう。すると次のような事柄に気づくはずです。

(1)区切る個所がしぜんに決まってきます。incomesの後です。そこが主部と述部の切れ目だからです。14語から成るこの文をひと息に読むのは不可能ではありませんが、7語ずつのチャンクに分けると楽に読めます。

(2)第1強勢と第2強勢の区別は微妙ですが、それはあまり意識しなくてよいでしょう。むしろ、それぞれのチャンクを読むときの音調(声の上がり下がり)に注意してください。英語はチャンクの最後のところで音調が急激に変化するのが特徴です。People who care about other people’s incomesでは、最後のincomesで音調が変化します。inを高音にして強勢を置き、comesで音を下げ、後につながるように宙ぶらりんにして区切ります。するとこのチャンクでは、inのところに音調と強勢が重なって、そこが第1強勢となります。

(3)後半のチャンクはare typically less happy with their livesですが、ここでいちばん強調したい部分はどこでしょうか。typicallyが気になるかもしれませんが、これは「概して」くらいの軽い意味で、さほど強調する必要はありません。するとless happyか末尾の livesのいずれかになります。おそらく多くの人は less happyと答えるでしょう。そこがこの文の筆者のいちばん言いたいことだからです。less とhappyではlessに第2強勢がきて、hapの音節に音調と強勢が重なって第1強勢がきます。そしてwith their livesで音が下がり、livesに第2強勢が置かれて終わります。

(4)最後に第1強勢や第2強勢が置かれない音節に注目します。それらの中にはwho, about, are, with, theirという機能語が含まれます。それらも一様に弱く発音されるのでしょうか。強勢を意識しながらもう一度読んでみてください。するとaboutなどは、aとboutでは微妙に違うことに気づくでしょう。aよりもboutのほうが強いはずです。この語は常に第2音節に強勢があります。

このように検討していくと、先の文の中でほぼ無強勢と認められる音節は次の下線部だけで、イタリック体の部分にはいくらか強勢のあることが分かります。

People who care about other people’s incomes / are typically less happy with their lives.

このことから次の二つの事実が判明します。

(1)文中の無強勢の母音は、原則として、「あいまい母音」の /∂/ になるか、または無声化する。(:people の場合には語尾の /l/ の音が半母音となり曖昧化する。またhappyの語尾は弱い /i/ である。)

(2)機能語は一般に弱く発音されるが、完全に無強勢になるよりも、弱い強勢(第3強勢)が置かれることが多い。

以下に練習問題として2つの例文(同じタイム誌の記事)を挙げます。強勢のレベルを意識して数回音読してみてください。読んでいるうちに、意識にかけるエネルギー量が減少することに気づくでしょう。(無強勢の下線は省略)

People who dwell on the past and future / are less likely to be happy / than people who concentrate on the present.

Money can boost happiness / if it allows people to obtain more of the things / they need and desire.

(To be continued.)

② 原発の是非

 原子力発電をどうするかは、この国のあり方にかかわる重大な問題である。国の内外を揺るがした福島第一原発の過酷事故から2年4ヶ月余り、安倍政権は、原発再稼動を既定の事実として推し進めようとしている。今月8日には原子力規制委員会の新しい「安全基準」が施行され、これまでに6原発の12基の再稼動申請が提出された。時事通信社の調査によると、全国9電力会社と日本原電で、福島第一原発を除き、所有する原発の廃炉を検討しているところはなく、このままだと50基の原発の多くが、遅かれ早かれ、再稼動することになりかねない。事故直後から再稼動をもくろんで、反原発の空気が薄らぐのを待っていた財界や経済産業省にとっては思う壺だろうが、本当にこれでよいのか。
原発を抱える国、これから設置する国、それに賛成する人も、反対する人達も、重大事故を起こした日本がどんな道を歩むのかをを見つめている。日本人の生き方が問われているのである。有権者、特にこれから21世紀を生きて行く人達は、この選挙を機に、立ち止まって、もう一度、原発の是非について深く考えてみる必要があるだろう。

原発是非論
  
メディアで展開された原発是非論を整理。 ○ 是 ● 非

① 安全性

● 地下に無数の活断層が走る日本列島に原発を作るのは無謀。
● 地震の巣のような日本列島は、原発には最も不向きなところだ。
● 自然災害を予測することは困難であり、万全の対策はない。
● 原発から30キロ圏に9百万人が住むこの国で、避難計画が機能する可能性はない。
● 事故原因の中心課題である1号機のメルトダウンを招いた復水機が地震で壊れたのかどうか結論が出ていない。
● 原発の集中立地(同一敷地内に複数の原発)は、制御しきれない大災害を呼ぶ可能性が高い。
● 国会事故調の7つの提言に、政府、国会は何も答えていない。
● 政府、民間事故調の報告もたな晒しのままになっている。
● アメリカは昨年34年ぶりに原発の新設を許可したが、NRC(アメリカ原子力規制委員会)のグレゴリー・ヤッコ委員長は、これに反対し「福島のような事故が二度と起きないと保証できない限り、新たな原発の建設には賛同できない」と述べて、辞任した。
○ 政府から独立した規制委員会が安全を確認すれば、原発は稼動すべきだ。
○ 規制委は「世界最高水準の安全基準」を作ったと言っている。それを信用すべきだ。
● 規制委員会の構成に疑義がる。反対派はいるのか。
● 規制委員会の組織体制は不備で検査も手ぬるい。( 職員 500人。NRC(アメリカ原子力規制委員会)4000人、検査官が104基の原発全てに常駐し、抜き打ち検査をしている。日本の規制委は、80人体制で3チームに分けて、通告後検査。)
● 規制庁(規制委の事務局)の職員の大部分は、電力会社との馴れ合いを批判された旧保安庁からの横滑りだ。
● 原発技術については、原子炉メーカーや電力会社のほうが規制委より詳しい中で、本当に規制や検査が機能するのか。
● 「原発事故で死者は出ていない」という趣旨の自民党政調会長の発言や、これを擁護した官房長官の発言に、政府・与党の事故認識の甘さが感じられる。
● 災害関連死(原発事故を含む」は、福島県だけで1400人認定されている。
● 福島の立地自治体では、政府や東電は「これ以上ないほどの安全対策をしている」と繰り返し説明していた。
● 日本の原発発祥の地である東海村が脱原発に踏み切った教訓に学べ。
● 原発作業員の被曝許容量についての議論が全く進んでいない。
● 重大事故後も、福島第一原発や東海村で杜撰な管理が頻発している。
● 原発のテロ対策の不備について、アメリカから警告を受けている
● 福島第二原発に街宣車が侵入したことがある。
● 作業員の身元確認がいい加減だ。テロリストを排除できない。
● 放射能は半減期が長いから、除染は不可能で、移染するにすぎない
● 森の除染は不可能。福島県の71%、97万haは森林。

② 必要性

○ 経済再生には原発のエネルギーが欠かせない。
○ 原発の地元では、生活のためにやむをえない。
○ 世界各国が原発を使っているなかで、日本がやめれば、国際競争に敗れる。
  (原発1基4000億円。2030年までに400基かそれ以上建設)
○ 日本経済にとって電力の安定確保は至上命令であり、原発なしには安定確保は困難。
○ エネルギー資源のほとんどない日本にとって、原発は不可欠。
○ 原発を動かせば1基で年間1千億円収支改善。電気料金値上げが避けられる。
○ 原発を動かさないと、天然ガスや石炭の輸入で赤字になる。
○ 再生可能エネルギーは、海のものとも山のものともわからない。原発反対の人達は、代替手段の実現への道筋を示していない。
○ 再生可能エネルギーの多くは、自然変動に左右されて、電力の安定的確保が難しい
○ 盛夏や厳冬に電力需要が供給を少しでも上回れば、大規模な停電を引き起こし、経済的、社会的大混乱になる。
○ 火力発電所は現在フル稼働で、点検もままならない状況であり、事故が起きたら忽ち電力不足になる。
○ 温暖化防止には、原発のクリーンエネルギーが欠かせない。
○ 原発1基を石炭火力に置き換えると温暖化ガス排出用年間0.7%増える。
○ 原発は、潜在的核抑止力として保持すべきだ。
● 電力は足りている。猛暑となった7月8日でも、各電力会社の発電能力には10%前後の余裕があった。(危険レベルは3%。電力会社は冬季が危ないと言う)
● 古い設備を最新式の節電型設備に変えれば、電力は30%少なくて済むという試算がある。
● 再生可能エネルギーは、ネットワーク化(スマートグリッドなど)や蓄電によって安定供給できる。
● 現在2基稼動させて電力が足りているのに何故54基もつくったのか不思議だ。
● 温室ガス削減については、京都議定書に代わり、各国の自主性を尊重する方向にかわりつつある。
● 原発を安全保障に使うことは、北朝鮮に核兵器保有を正当化させる
● 長崎原爆のプルトにウムはアメリカのハンフォード工場で作られたが、再処理工場というのはこの工場と同じ仕組みであり、核兵器製造が疑われる。

③ 再稼動

○ 原発を廃炉にするにしても、原発技術を継承するために原発の再稼動は必要。
○ 昨年度9電力会社は、合計1.6兆円の赤字を出し、内部留保金が枯渇している。特に今回最初に再稼動を申請した4社は切羽詰っている。再稼動しなければ電力料金の大幅値上げにつなかる。
● 政府が、原発についての基本方針を明らかにしないまま、再稼動に前のめりなのは不可解。
● 政府は、再稼動を認める前に、エネルギー政策についての将来像を示すべきだ。
● 安倍政権は成長戦略に「原発の活用」を盛り込んでおり、今度の選挙に勝てば、再稼動から全面再開へ、なし崩しに原発を解禁するのではないか。
● 規制委員会の『安全基準』は再稼動を前提にしたもので、原発回帰のテコ。
● 「経済産業省は、事故直後から再稼動を考えていた。」と事故当時の斑目内閣府原子力安全委員長は言っている。そのシナリオ通りに進んでいるだけ。
● 再稼動は、与党、財界、経産省、原子力ムラが、電力小売の完全自由化をつぶす策略の第1歩だ。
● 原発再稼動によって、自然エネルギーの買取りが制限され、自然エネルギーの開発が抑制される。
● 政府、国会、民間、の事故調の検討が済んでいないのに、再稼動とは。
● 事故の完全な収束と原因究明、責任の明確化、被災者の完全救済が政府の喫緊の課題であるのに、何一つ満足に出来ていないうちに再稼動とは。
● 事故の際の避難計画が未整備で、訓練もしていないのに再稼動してよいのか。
● 東電の再建計画への政府収支金5兆円の内、3.8兆円はすでに使ってしまった。
● 一体いくら東電につぎ込むつもりなのか。復興予算のでたらめな使い方を見るにつけ、  税金の無駄遣いになる心配がつよい。
● 東電は、税金を食う底なし沼だ。早く清算して、国が責任を持て。
● 25年間にわたって国民は復興特別税を負担するのだ。
● 原発事故の被害者には、まともな賠償金が支払われないことがはっきりした
● 原発事故による15万人の避難者や、風評被害で苦しむ近県の農林漁業者をよそに、東電が自己の利益を追求することは許されない。
● 民主党は電力関連労組に引きずられるな。
● 電源立地交付金を廃止して、立地自治体の産業構造転換への支援制度に変えよ

④ 核のゴミ

○ 核のゴミ処理については、「核変換技術」によって、半減期を大幅に減らす研究が進んでいる。(見通しが立っているわけではない)
● トイレなきマンションは解決されたわけではなく、解決の見通しもない。
● 再処理が出来ない以上、たとえ、絶対に事故が起きない原発が開発されたとしても、原子力エネルギーは必ず行き詰まる。
● 日本政府の基本方針であった核燃焼サイクルは、実験炉「もんじゅ」の事故ですでに破綻している。プルトニュウムは増えるばかり。
● そのため考え出したMOX燃料の使用も見通しが立っていない。
● 核のゴミの処理は,六ヶ所村の再処理工場の操業開始の予定が立っておらず、運び込まれる放射性廃棄物で貯蔵施設は満杯に近づいており、使用済み核燃料を一時保管している各原発の原子炉建屋のプールも間もなく一杯になる。
● すでに45トン(原発5千6百発分)も貯まっているプロトニウムをどうするのか。
● 放射性廃棄物の最終処理場になる自治体があるのか。
● 原発賛成者は、自分の住む自治体が原発や中間処理施設を建設することに賛成できるのか

⑤ 根本的な問題

○ 日本の高い原子力技術とともに、安全な原発を輸出することは、原発後進国の経済発展に役立つ。
○ 原発事故は千年に一度の巨大地震とそれに伴う大津波による天災だから、責任論は無用。
○ 世界中で原発が稼動しているのに、苛酷事故は3件しか起きていないのだから、日本は運が悪かった。
● 人間は果てしなく科学・技術を進歩させていける。そのような幻想を支えるのが欲望であり、人間の欲望や傲慢さを最も分かりやすい形にしたのが原子力である。
● 経済優先で、原発反対を口に出せない雰囲気なるのが怖い。
● 経済、つまりカネのために命の危険を冒すのは愚かだ。
● 原発に命を預けますか。
● スエーデンでは国民投票で脱原発を決めている。民主主義国で国民投票制がない国はほとんどない。
● 原発事故の最大の責任は、長年原発政策を推進してきた自民党とその政府にある。
● 危機が管理できるという傲慢さで、想定外の事態に対処する方法を講じていなかった東電その背後にある電気事業連合会に責任がある。これに追随したメディアも同罪だ。
● 少数意見を排除し、安全神話を作り出した元凶は、「原子力」ムラだ。
電気を使えるだけ使って便利な生活を楽しんだ消費者にも責任があるのではないか
● 電気は無制限に使えると言う考えを改めなければならない。
● 命を危険にさらして原発で働くことが、雇用といえるのか。
● 福島事故を科学万能主義への反省の原点とすべし。
● 原発問題を深く追求することで、その国の政治、経済、社会の仕組みが全てわかる。
● アベノミックスによって、原子力ムラが急速に息を吹き返している。
● 国民の多くが脱原発を願っている国の首相が、外国に原発を売り歩いているのは異様である。
● NPTやCNBTに加盟していないインドに原発を売るのは問題だ。

<各党の原発関連選挙公約> 

自民党 :  エネルギー政策をゼロベースで見直し、「電力改革システム(広域系統運用の拡大、小売参入の全面自由化、発送電分離)」を断行する。原子力発電所の安全性については、原子力規制委員会の専門的判断にゆだねる。その上で、国が責任を持って。安全と判断された原発の再稼動については、地元自治体の理解を得られるよう最大限の努力をする。原子力技術等のインフラ輸出の支援体制を強化する。

公明党 :  原発の新規着工を認めず、40年運転制限制を厳格に適用する。可能な限り速やかに「原発に依存しない社会・原発ゼロ」を目指す。

民主党 : 「40年運転制限制を厳格適用」「原子力規制委員会の確認を得たもののみ再稼動」「原発新増設は行はない」の3原則を厳格適用。2030年の原発稼動ゼロを可能にするようあらゆる政策資源を投入。
みんな :  発送電分離。再生可能エネルギーによる発電を2030年には全発電量の30%、2050年には50%とすることを目指す。新規の原発設置を禁止。40年廃炉を徹底。20年代の原発ゼロを国家目標として設定する。

維新 :  発送電分離を早期実施。電力の自由化をスピードアップ。再生可能エネルギーの開発推進により地方の雇用を創出。先進国を主導する脱原発依存体制を構築。原発政策のルールを根本から見直し、より厳格なものとする。

生活 :  原発の再稼動、新設を一切容認しない。脱原発三法の制定。最新型火力発電などの推進で原発ゼロの早期実現。新エネルギー推進、海洋資源開発などで資源先進国日本の確立。発送電分離で地域分散型エネルギー社会の構築。政府主導の抜本的放射能汚染対策の実施。

共産党:  原発の再稼動と輸出を中止し「即時ゼロ」の決断を。事故の収束とは程遠い状況での再稼動や輸出は論外。原発に頼らず、省エネ、節電の徹底と、再生可能エネルギーの大幅導入への抜本的転換の計画を立てて実行する。

社民党:  原発稼動は一切認めず、新増設は白紙撤回。脱原発基本法の制定。電力システムの改革と再生可能エネルギーの促進。

みどり:  脱原発を。止める(再稼動なし)、やめる(2023年までに全ての原発の完全に廃炉に着手、かたづける(核のゴミ処理を確立)の3つのステップで着実に実行。

<管見>

 福島第一原発の事故から、今日で855日になる。この間私は一日も休まず、新聞のスクラップを中心に「原発災害日録」をつけてきた。先日84歳になり、余命いくばくもない時間を割いて何故こんな作業を続けているのか。この事故を絶対に忘れてはならないし、風化させてはならないと思うからである。敗戦からしばらくして、東京高師の学生だった頃、戦中、戦後のいやな記憶は早く忘れたいと思って柔道に熱中したことがあった。しかし、家永三郎先生に歴史の講義を受けて、過去をきちんと学んで総括することなしに現在は理解できないし、未来を語ることも不可能であることを心に刻んだ。このブログにも戦争の思い出を書き残したいと思ったのである。今度の原発事故は私にとって2度目の敗戦に匹敵する衝撃であった。安全保障問題にかかわり、核爆発については、一応の知識があるため、原子炉内で水蒸気爆発(今回の水素爆発とは異なる)が起きて、格納容器が破損する事態を想定し、その場合は”死の灰“が首都圏を覆う可能性が高いが、すでに高齢で、十分生きたと思うから、家内と相談して、避難せず、ここで死ぬことを覚悟した。私は帝国軍人を志していたし、家内は樺太からの引揚者であるから、両人とも死を覚悟したのは、戦争中に次いで二度目のことであった。
* 「水蒸気爆発」はメルトダウンした核燃料が水と反応して起きる大爆発で、原子炉メーカーは、原子炉の形状から「水蒸気爆発」は起きないとしているが、溶融した核燃料が格納容器の外に漏れ出し、地下水などに触れる事態はありうる。京都大学の小出裕章助教は、「水蒸気爆発が一番怖い。起きてしまえば手のほどこしようがなくなる。」と語っており、電力4社が再稼動を申請した翌日に亡くなった福島第一原発の吉田昌郎元所長は、事故直後の東電本社とのTV電話でのやり取りで「水蒸気爆発が起きるかもしれない。その時は終わりだ」 と報告している。

 太平洋戦争の敗戦時に私は16歳であったから、自分には戦争や敗戦に直接責任はないと考えている。しかし、今度の原発事故についてはちだう。原発の作り出す電気の恩恵を受け、”全てを疑え“という記者としての初心を忘れて、”安全神話“によりかかり、原発を無批判に認め、或いは礼賛する原稿を書き、それを放送した責任をまぬかれることはできない。私と同じ年の作家半藤一利は「昭和史」の総括の終わりに、明治以来の富国強兵策を先導してきた政治・経済・軍事の指導者達が「根拠のない自己過信」に陥り、失敗に対しては「底知れぬ無責任」に終始したこと、それは今日の日本人にもみられることで、現代の教訓でもあると総括している。私は、原発に頼る経済発展や安全保障政策は、第2の富国強兵策であり、第2の敗戦の責任を明確にしなければ、第3の敗戦が避けられないのではないかと危惧している。(M)

発話にしても音読にしても、まとまりのある英文を口にするときいちばん注意すべきことは、強勢のある音節を強くしっかりと発音し、強勢のない音節を弱く素早く発音することです。すると英語らしいリズムが出てきます。そうでないと、どんなに一つひとつの語を丁寧に発音しても英語らしい英語にはならず、むしろ通じにくい英語になります。学校で英語を学習した日本人の多くが、そういう英語を話します。あなたの英語が通じないとすれば、英語の強勢パタンがしっかりと表現されていない可能性があります。学習の途上にある方々に英語のいろいろな強勢パタンに気づいていただくために、次にいくつか文例を挙げて説明します。

最近のアメリカ週刊誌Time(July 8 / 15)が ‘The Pursuit of Happiness’ と題する興味ある記事を提供しています。そこからいくつかの文章を引用します。読者の皆さんはそれらを音読し、きちんと読めるようになったら、次に顔を上げて誰かに向かってそれを伝える感じで言ってみてください。はじめに、アメリカ第32代大統領(1933−44)フランクリン・ローズベルトの妻で、文筆家としてもその名を残すエレノアさんの言葉を見てみましょう。

Happiness is not a goal, it is a by-product. (Eleanor Roosevelt)

短い言葉ですが「なるほど」と思わせる金言です。人はいつも青い鳥を追い求めてあくせくしていますが、鳥はいくら追っても捕まることはありません。必死になって追いかけるほど、さらに手の届かぬ所へ飛んでいってしまいます。しかし追求の過程で、それは思いがけずやってくることがあるというわけです。

さて、この文を読むときには文中の太字になっている音節に注意してください。その個所に強勢を置いて言うとうまくいくはずです。ただby-productという語に注意してください。この語はハイフンで結ばれていますが一つの語です。2個所に強勢がくることになっていますが、このような場合には、相対的にどちらかの音節がより強く(第1強勢)、他の音節はやや弱く(第2強勢)発音されます。この場合は意味的にby- に第1強勢が、prodに第2強勢が置かれます。そのようにして読むと、英語らしい強勢パタンが得られます。

上のローズベルト夫人の言葉と同じ内容を、合衆国初期の大作家ナサニエル・ホーソン(1804−64)は次のように書いています。

Happiness in the world, when it comes, comes incidentally. Make it the object of pursuit, and it leads us a wild-goose chase, and is never attained. (Nathaniel Hawthorne)

およそのところ、内容語に強勢が置かれ、機能語は弱く発音されます。しかし強勢が置かれる音節がどれも同じような強さで発音されるわけではなく、強勢をもつ音節や語が続くところでは強勢のレベルが微妙に変化します。先のローズベルト夫人の言葉ではby-productがそうでした。このホーソンの言葉の中ではa wild-goose chase(むだな追求)で強勢のある音節が3つ続きます。これは一種のセットフレーズ(成句)で、多くの辞書がwildとgooseに第1強勢を、chaseに第2強勢を置くとしていますので、それに従うのがよいでしょう。ついでにもう一つ、 incidentallyという語があります。この場合はdenに第1強勢が、語頭のinに第2強勢が置かれます。その理由は、この語がもともとincidentという名詞から派生した語なので、語頭のinにその強勢の痕跡が残るわけです。

最後にイギリスの数学者・哲学者であり、平和運動家としても知られたバートランド・ラッセル(1872−1970)の言葉を見てみましょう。

Beggars do not envy millionaires, though of course they will envy other beggars who are more successful. (Bertrand Russell)

これにはhappinessについての直接的な言及はありませんが、人の幸福感や不幸感というのは、自分の身近にいる人々との比較から生じるものだという事実を見事に表わしていると思います。この文には接続詞thoughや関係代名詞whoがあって、かなり複雑な構造をしていていますので、相当に英語に自信のある人でも読みにくいと感じるかと思います。接続詞や関係代名詞の前で区切ると読みやすくなるでしょう。また強勢については、多音節語のmillionairesで第1強勢がairesに、第2強勢がmilに置かれることに注意してください。なおこの文の接続詞thoughと関係代名詞whoについて、これらにまったく強勢を置かなくてよいのかどうか、疑問をもつ方がおられるかもしれません。実は、弱く発音する音節にも弱さのレベルに微妙な違いが生じます。そのことについては次回に触れるつもりです。(To be continued.)

(151)参院選管見 松山薫

Author: 松山 薫

(151)参議院選挙管見 松山薫

 第23回参議院議員通常選挙が公示されたので、数回にわたって参院選管見を投稿したい。

① 参院選概観   ② 原発の是非   ③ 憲法改正問題  
④ ~ ①の概観に基づく参院選結果の
   分析と私見

① 参院選概観 
  ( 私が投票行動を決めるための基礎      資料。御参考までに )

◎ 参議院議員通常選挙の意義 

 参議院は長らく衆議院のカーボンコピーとみなされ、参議院議員は衆院選の落ちこぼれや、衆院への腰掛け議員が多く、院も議員も半人前と軽視されてきた。また、議員の数が少なく(定員242)、3年に1回の通常選挙は、半数改選のため院の構成に大きな変化をもたらさないことが多い。従って有権者の関心も薄く、投票率は常に直近の衆議院総選挙をかなり下回って来た。しかし、昨年末の総選挙で自民党が圧勝し、公明党との連立政権与党が衆議院で3分の2の多数を超えたことから、今回の選挙で同じ様なことになれば、次の衆議院総選挙まで少なくとも3年間、国の根幹にかかわる重要問題を、自民・公明の連立政権に白紙委任することになる。
衆議院では、「憲法違反」の一票の格差を是正しないまま、史上2番目に低い投票率の中で、民意を反映しない巨大与党が出現することになった。今回の参院選挙でも、衆議院よりはるかにひどい一票の格差(4.77倍)の中で、再び低投票率となり、民意を反映しない結果が生ずれは、代議制民主主義は危機に瀕することになるだろう。無関心が思わぬ結果を招くから、私はまず投票率に注目している。
  
◎ 投票率

参議院選挙
平成10年 13年 16年 19年  22年
 58.8  56.4 56.6 58.6 57.9
衆議院選挙
平成12年 15年 17年 21年 24年
62.5 59.9 57.5 69.3 59.3

衆議院選挙の5回平均 63,7%−参議院議選挙の5回平均 57.7% = 6%

一方、直前に行なわれた都議選よりは平均して9%程度上回っている。

都会議員選挙
平成13年 17年  21年   25年
 50.0  44.0  54.5  43.5
参議院選挙
平成13年  16年   19年   22年
 56.4   56.6 58.6 57.9

参議院選挙の4回平均 57.3−都議会選挙の4回平均 48.0= 9.3%

 これらの数字から単純に計算すると、今回の参議院選挙の投票率は50%台前半ということになる。今年の都議選の投票率は過去2番目の低さだったが、参議院選挙もそのあたりになる公算が強い.(過去最低は平成7年の44.5%、2番目に低いのは平成5年の50.7%)

◎ 投票率は次のような要素によって上下するといわれる  さて今回はどうなるか。

1.接戦だと投票率は上がる。
2.争点が明白だと投票率はあがる。
3.不在投票が多いと投票率が上が。
4.雨天だと投票率が下がる。
5.インターネットの活用の巧拙

◎  今度の選挙の争点

1.ねじれ解消  2.景気対策  
3.原発の是非  4.憲法改正問題

 安倍首相は、通常国会閉会直後の記者会見で、「6年前の参院選で大敗し、ねじれを生じさせたのは私の責任であり、全てはそこから始まった。ねじれを解消するのは私の責任である」と述べ、「ねじれ」をいう言葉を20回以上も使った。だが、「ねじれ解消」は本当によいことなのであろうか。 第一次安倍内閣の与党であった自民党に鉄槌を下し、結果として「ねじれ」を生んだのは国民の意思である。安倍首相の会見を聞いていて、国民の意思というものをどう考えているのだろうかという疑問を持たざるをえなかった。党大会で自らの責任をあげつらうのは勝手だが、国民に向けた記者会見で言うのは的外れだろう。ねじれが常に悪いというなら、日本維新の会が公約しているように、一院制のほうがよいということにもなりかねない。多くの国があえて2院制を選択している意義をもう一度良く考えてみる必要がある。

◎ ねじれ解消の条件

各 党 勢 力 
 < 定員  242  改選  121 >  
 自民・公明・みんな・維新・改革・
 民主・生活・共産・社民・みどり・ 他・欠員

公示前 84・19 ・13・3・2・
      86・8・6・4・4・8・5
非改選 50・9・10・1・1
      42・2・3・2・0・1・0
改選   34・10・3・2・1
      44・6 ・3・2・4・7・5

* 改選121議席の内、自民党、公明党が63議席を獲得すると、参議院で過半数122を制する。
* 改憲発議に必要な3分の2、162議席を自民党単独で得ることは不可能だが、自民、みんな、維新、新党改革の改憲勢力の非改選62に加え、改選で100議席を獲得すれば3分の2に達する。その他の非改選の1人は、改憲勢力と見られる。

◎ 2院制と1院制のメリット、デメリット     (国会図書館「調査と情報」)

 2院制のメリット
  ⅰ.立法機能の分割により、立法府が      全能となることを抑止
  ⅱ.拙速を避け慎重に審議
  ⅲ.第1院の衝動的な行動をチェック
  ⅳ.「数」を代表する第1院に対し、第2      院が国民の「理」・「良識」を代表
  ⅴ. 国民の多様な意見や利益をきめ細     かに代表
 2院制のデメリット
  ⅰ.第2院が強い拒否権を持つ場合、立     法上の行き詰まり生ずる。
  ⅱ.両院の機能が重複している場合、      非効率になり、政策決定が遅延。
  ⅲ.両院の意志の疎通をはかる必要が     あり、立法課程が複雑化
  ⅳ.第2院の維持に係る諸経費が必要
  ⅴ.第2院の意見が第1院によって無視    されるようになると、2院制の有効      性、政治的正当性が喪失

 それでは、維新の会が主張するように1  院制にしたらどうなるか。
 1院制のメリット
  ⅰ.立法上の行き詰まりが生じにくい
  ⅱ.効率的な審議。政策決定の迅速性
  ⅲ。立法過程の単純化
  ⅳ.第2院の維持に係る諸経費が不要
 1院制のデメリット
  ⅰ.立法権がひとつの機関に集中する
  ⅱ。慎重審議の点で劣る
  ⅲ.第1院の衝動的行動がチェックでき     ない
  ⅳ.1院の数の代表となるのみ
  ⅴ.国民の多様な意見や利益を、きめ      細かく代用させにくい

◎ 景気対策

 アベノミックスであれなんであれ、6割の人が生活が苦しい状態(厚生省生活基礎調査)の中で、特に、低賃金であえぐ人達や、少ない年金で最低生活を余儀なくされている高齢者にとって、少しでも景気がよくなり、その”滴り”が落ちてくるのを待ち望む気持ちを持つのは当然であり、私自身も失業の中で味わった苦悩を思うと、景気対策や社会保障が有権者の最大関心事になるのは当然であると思う。しかしあえて言うならば、この国の将来を左右するような原発や憲法の問題が、経済問題一色の中で隠されてしまうこによって、将来に深刻な禍根を残す恐れが強い。
 また、アベノミックスについては、経済専門家の間にも賛否が入り乱れており、経済に疎い私には判断がつきかねる。ただ、常識的にいって、長期にわたる自民党政権やその失政を批判して政権についた民主党が、克服できなかった難問を一気に解消してしまう魔法のような方法があるとは思われないし、金利の上昇による国債の暴落、財政破綻という悲劇が起こる可能性は否定できないだろう。さらに、アベノミックスは、気まぐれな市場の動向や、米欧中の景気動向など外的要因によって左右されるため、目標は立てたが工程があやふやで、先行き不透明である。

◎ 原発の是非と憲法改正問題 について  は次回、次次回に述べる。

◎ 今度の選挙で各党が一番訴えたいこと ( 7月3日 日本記者クラブ党首討論 )

○ 自民党(安倍)強い経済 
○  民主党(海江田)暮らしを守る力になる
○ 公明党(山口)国民目線に立つ
○  みんなの党(渡邊)たたかう改革
○ 維新の会(橋下)既得権打破 
○  生活の党(小沢)命、暮らし、地域 を守   る
○ 共産党(志位)自民と対決  
○  社民党(福島)強い国より優しい社会
○ みどりの風(谷岡)共生社会の実現

< 各党の選挙公約 >

(経済)  (原発)  ( 憲法)  (その他)
自民党  競争重視  再稼動推進     96条、9条改定  ねじれ解消
公明党  成長戦略実行  ゼロへ       96条慎重、加憲  ねじれ解消
民主党  中間層重視   2030年セロ   96条先行反対  議員定数削減
みんなの党 所得50%UP  2030年ゼロ    改憲先行反対  公務員制度改革
維新の会  競争徹底    脱原発依存     96条改正  道州制・首相公選
生活の党   生活第一 0年後原発ゼロ   96条、96条堅持
共産党 富の分配重視  原発即時ゼロ    護憲       
社民党 富の分配重視  脱原発   護憲
みどりの風  共生社会実現 再稼動反対    96条改正反対  若者女性の幸せ

◎ 議席獲得数に影響する要素 
  さて今回はどうなるか。

1.風 : つまり 世論の動向
2.選挙期間中の突発的重大事件
3.政策 :選挙公約の内容とアピール度
4.組織 :党組織、個人組織(後援会)、支援団体(労組、農協など)の規模と動向
5.候補者の経歴、知名度
6.選挙戦術 : 選挙協力(立候補者調整) 複数定員区での同一政党の候補者 7.失言・スキャンダル
8.インターネット活用の巧拙 : 今回は   90%の候補者が使用している

以上のような基礎資料を頭に入れて、投票日までの間、新聞やTVの選挙報道をチェックしながら、私は、自分の投票行動を決める。よろしければ、選挙の手引きとして活用していただければ幸いである。(M)

これまで2音節以上の語の強勢規則を見てきましたが、単音節の短い語の場合にはどうなるかを見てみます。単音節の語には強勢があるものと、ないものとがあります。どういう語に強勢があり、どういう語に強勢がないかを例文によって考えてみましょう。次の文はすべて単音節の語から成っていますが、これを音読するときの強勢はどうなるでしょうか。

(1) She was a slim girl with large dark eyes.

まず、この文の読み方を知るには、これがどのような場面で使われた文かを知る必要があります。最初の ‘She’ は、たぶん、この文の前にすでに言及された「女の子」を指していると考えられます。するとこの文は、その女の子について二つの情報を提供しています。第一は「その女の子はほっそりした子」であったこと、第二に「その女の子は大きな黒目がちの目をしていたこと」です。英語をすでに知っている人は、これを音読するのは難しくないでしょう。声を出して読んでみてください。すると、強勢を置いてはっきりと発音する語と、強勢を置かずに弱く発音する語があることに気づきます。たぶん次のようになるはずです。

(1’) She was a slim girl with large dark eyes.

つまり、強勢が置かれる語はsmall, girl, large dark, eyesの5語で、これらはメッセージを伝えるのに意味的に重要な役割を担っている語です。強勢がなくて弱く発音される語はshe, was, a, withの4語で、これらは文の構成に必要な文法的な役割を担っている語です。以上のことを文の一般的な強勢規則として述べるならば、「名詞、形容詞、副詞、一般動詞には強勢を置く」のに対して、「冠詞、代名詞、助動詞、前置詞、接続詞、およびbe動詞などの特殊動詞には強勢を置かない」ということになります。これが文強勢の第一規則です。前者(名詞、形容詞など)を「内容語」(content word)と呼び、後者(冠詞、代名詞など)を「機能語」(function word)と呼ぶことがあります。

しかしこの文強勢の第一規則はあくまでも原則であって、あらゆる場合に通用するわけではありません。言葉(とくに話し言葉)は場面や状況の影響を受けやすいので)、音調や強勢はコンテクスト(context)によって変化します。たとえ機能語であっても、その語をとくに強調したい理由があれば、どんな語にも強勢が置かれる可能性があります。二つばかり例をあげましょう。

(1) “Are you a school teacher?” — “I was. But I’m now a computer engineer.”

(2)  I’ve been learning Vietnamese for two years. The trouble is, it’s not at all easy to master.

このように、ふだんは強勢を置かないbe動詞に強勢が置かれることがあります。その理由は、話者がそこを強調したいからです。「文の中でとくに強調される語には強勢が置かれる」というのが、文強勢の第二規則です。英語の母語話者はこういう強勢の仕方を自然に使えるようになっていますが、私たちのように外国語として英語を学んでいる者は、なかなかこのようにはなりません。筆者もそのような者のひとりです。くやしいと思いますがどうにもなりません。しかしそのような強調の仕方に出合ったとき、話者のその気持ちを理解することはできます。また、書かれた英文を音読するときには、テキストを研究することによって、強勢の置かれる個所を特定して正しく読むことは可能です。

これに加えて注意すべき大切なことがあります。それは、isやwasに強勢が置かれるときとそうでないときでは、発音が異なることです。つまり、機能語は強勢があるかどうかで発音が違うのです。母語話者はこのことに自然に気づいて身につけますが、外国語学習者にはなかなかできません。isは強く発音するときは /íz/ ですが、弱いときには母音がほとんど消えて /z/ のようになります。wasは強いときは /wαz/ ですが、弱いときには母音が曖昧化します。たいていの辞書は見出し語の後にその発音が記号で表記していますが、多くの機能語には発音が「強形」(strong form) と「弱形」(weak form) に分けて表記されています。次に弱形をもつ主な機能語を種類別に挙げますので、それらの語の発音を辞書で確かめてみてください。多くの学習者は強形を知っていても、弱形にはなじみがうすいと思われます。ただし、弱形の発音記号を記憶する必要はまったくありません。弱く発音すると自然にそうなるものと理解できればよいのです。

・冠詞:a, an, the.

・代名詞:he, she, we, mi, him, us, them, my, your, his, her.

・特殊動詞:am, is, are, was, were have, has, had, do, does.

・助動詞:will, shall, can, must, would, should, could.

・前置詞・接続詞:as, at, and, but, for, from of, to.      (To be continued.)