Archive for 11月, 2011

テレビ画面の“気になるひとこと”
(1)落語家の立川談志がガンで死亡しました。関係者のお悔やみや感想が報道されています。ほとんど「天才だった」といった褒め言葉です。私は立川談志が、日本テレビの「笑点」の初代司会者をやっていた頃(1966)にもテレビを見ていましたが、彼の当意即妙なユーモアのセンスは好きでした。しかし、その言動は死ぬまでかなり我がままで独善的なものだったと思います。

(2)「死者に鞭打つ」というのは中国の故事に由来する表現ですが、日本文化では「死者に鞭打つな」が守られるようです。表立って死んだ人の悪口を言う人が少ないのは確かです。でも誰でも死んだらこの世でした悪行が償われるわけではないでしょう。特に政治家の悪行はもっと追究されるべきだと思います。テレビの取り上げ方も悪いですね。故人ではありませんが、二人の例を挙げます。

(3)田中真紀子元外務大臣は、「凡人、変人、軍人」といった他人の悪口を言うところしか放映されませんでした。テレビでは彼女の政治的姿勢や方針など知ることはほとんど不可能でした。2年ほど前の事業仕訳の時に蓮舫議員が言った「2位じゃダメなんですか」も同様です。官僚の責任者が明確に予算や支出の説明ができないことを指摘していたのに、前後関係を放送しないから視聴者は問題の所在から遠いところに追いやられてしまいました。ただし、私には田中、蓮舫両議員の言動をすべて認める気はありません。

(4)「年金の一本化」は政府関係者がよく口にする言葉です。年金の一本化で得をするのは誰でしょうか?担当の役所だけでしょう。それなら、民間の保険会社にまかせたほうがましです。ただし、保険が任意加入となると、当然加入しない人がいて、老齢化すると生活保護を受けないと暮らして行けなくなるでしょう。働き盛りの時は沢山ものを買って、高い消費税を払い、老後は生活を保障されるという北欧式が望ましいのかどうか、国民は今こそ選択すべき時だと思います。安売り競争の手先になって、“大盛りだ”“出血サービスだ”と宣伝するテレビ番組も多いですが、その狙いは何なのか私には分かりません。

(5)「稀勢の里の大関昇進は確実」と九州場所の千秋楽の前日に報道されたのです。テレビでの千秋楽の中継中には、解説の親方連中も「公表の時期がおかしい」と言っていました。稀勢の里はそれで安心したせいではないでしょうが、10勝しかしませんでした。それでも大関にはなりましたが、後味が悪い昇進でした。大相撲は復活しても、一度離れたファンはすぐには戻ってはくれないのですから、相撲協会は下手な小細工はすべきではありません。ましてや、「早く日本人の大関や横綱を誕生させたい」といった意図があるとしたら、小錦関の場合のような人種差別問題になりかねないでしょう。(この回終り)

< 原発事故を記憶し、伝える ③ >

③ 底を流れるもの

* 政治的、経済的、社会的事象は、一見関係がないように見えながら、本当は底のところでつながっていることが多いものです。その底流が何かを見極めることは、難しいけれども必要なことだと思います。最近はTPPが政治的、経済的な話題をさらって、原発問題は少し影が薄くなっているように感じますが、両者は「経済成長至上主義」という底流で、分かちがたくつながっていると考えます。そういう観点から原発問題やTPP問題を見ると政治家達の本音も見えてくるのではないでしょうか。

* 外国人に日本の事情を伝える時には、いろいろ工夫が必要ですが、要は、相手の立場にたって考えることです。それが、communicationの底流だと思います。例えば、東日本大震災の東日本というのはかなりあいまいな概念ですから、East Japanとか eastern Japan と言ったのでは誤解を招きます。 the Pacific coast of the eastern part of Japan’s main island of Honshuなどとしないと被災地が正確に伝わりません。そういう観点からもう一度英文を読み直していただけると幸いです。

14.夏場の電力不足をのりきるため、政府は法律による節電を実施することになり、会社、工場など大口の電力使用者に15%の節電を義務付け、同時に一般家庭にも同様の節電を呼びかけた。

To tide over the power shortage expected in summer, the government decided to impose a 15-percent power saving target on large consumers such as companies and factories and also called on ordinary households to conserve the same percentage.

15.放射能は、コメ, 野菜、茶、原乳、牛肉、魚介類などの食料を汚染し、政府は一定レベル以上の線量が検出されたこれらの産品の出荷停止を命じた。農林水産業の被害は6月末で2兆円を超えた。

Radioactive materials emitted from the crippled reactors at the Fukushima No.1
Nuclear Power Plant contaminated such foodstuffs as rice, vegetables, green tea,
fresh milk and marine produce. The government banned shipments of contaminated foodstuffs from which radiation of more than a certain level of radiation was detected. The damage the agriculture, forestry and fishery industries suffered totaled more than 2 trillion yen or 26 billion dollars as of the end of June.

16.風評被害も大きく、農家や水産業者だけでなく、ホテル、観光地、海水浴場などが、大きな損害を受けた。 東電は、風評被害についても賠償すると言っている。東電の損害額は、今のところ、少なくとも、5兆7千億円と見積もられている。

Large scale harmful rumors badly affected, among others, farmers, fishermen, hotel owners, sightseeing spots and bathing beaches. TEPCO says it will compensate for damage caused by such harmful rumors. TEPCO’s total damage du to the accident is tentatively estimated to be at least 5.7 trillion yen or 75 billion dollars.

17.福島原発の事故は世界的にも大きな反響を呼び、ドイツは2022年までに17基ある原発を停止することを決め、イタリアは国民投票で5基の原発の凍結を続けることになった。スイスも段階的に5基の原発を廃止することを決めた。 一方アメリカ、イギリス、フランスやトルコは、原発推進を表明している。

The nuclear power plant accident in Fukushima caused far-reaching reactions across the world. Germany decided to scrap 17 reactors by 2022 and Italy , by a national plebiscite, to continue freezing operations of five reactors. Switzerland also decided to phase out five reactors. Meanwhile, the United States, Britain, France and Turkey renewed their policy to continue to promote utilization of nuclear energy.

18.日本政府は、現在の54基に加えて、2030年までに少なくとも14基の原発を増設するとしていた原発推進のエネルギー基本政策を抜本的に見直すことを決めた。

The Japanese government has decided to drastically review its traditional energy policy, which largely depends on nuclear energy. Under the policy, Japan planned to construct at least 14 nuclear reactors by 2030 in addition to the present 54.

19.政府は、エネルギー政策転換の一環として、再生エネルギー特別措置法を成立させ、太陽光、風力、地熱、バイオマスなど自然エネルギーの利用促進に踏み出した。

The Japanese government, as part of its policy shift on energy, took a step forward by having Parliament enact a special law to enhance the use of renewable energy sources such as solar, wind, geothermal energy and biomass.

20.国内での政策転換にもかかわらず、民主党政権は、原発の輸出は継続する方針で、原子炉メーカーはベトナム、トルコ、ヨルダン、リトアニア、カザフスタンなどへの輸出を計画している。

Despite an energy policy about-face at home, the Democratic Party of Japan-led government says it will continue its policy of exports of Japanese-made nuclear reactors. Manufacturers plan to sell their products to Vietnam, Jordan, Lithuania and Kazakhstan.

2011年3月11日午後、東日本の太平洋岸をM-9の巨大地震とこれに伴う大津波が襲い、2万人近くが死亡または行方不明となった。さらに、この津波は東京電力福島第一原子力発電所の4基の原子炉から全ての電源を奪い、冷却機能が失われて、3基では過熱した原子炉の核燃料が溶融した。その結果、大量の放射性物質が空中に漏れ出し、風に乗って東日本の広い範囲に拡散して国土や農林水産物を汚染した。福島県を中心に、11万人が放射能を避けて避難した。政府の専門家は、この事故を、国際的な基準INESに照らして、チェルノブイリ原発事故と同じ最悪の7と位置づけた。政治家達はこの未曾有の大災害を国難と呼んだ。

On the afternoon of March 11, 2011, a massive earthquake of magnitude 9.0 and subsequent giant tsunami hit the Pacific coast of the eastern part of Honshu, the main island of the archipelago, leaving nearly 20 thousand people dead or missing. Moreover, the tsunami deprived four reactors at the Fukushima No. 1 Nuclear Power Plant of all emergency generators to cool down the reactors, resulting in a meltdown of nuclear fuel at three reactors through overheating. A large quantity of radioactive substances leaked into the air, and was carried to vast areas in East Japan, contaminating soil, and agricultural, forestry and marine produce. 110,000 residents, mainly in Fukushima Prefecture, had to evacuate from their home towns and villages. Government experts put the accident on a par with the Chernobyl disaster, level 7 on the International Nuclear Event Scale. Politicians called the unprecedented disaster caused by tsunami and radiation a national crisis.
End

学習意欲の心理学(5)

Author: 土屋澄男

自律的学習者が次にすべきことは、自主学習において自分の学習を正しくモニターし、正しい方向に向かっているかどうかをチェックすることです。これは非常に大切なことで、これを怠るとせっかくの努力が無駄になることさえあります。どのようにして自分の学習が正しい方向に向かっているかをチェックしたらよいでしょうか。

 いろいろな方法が考えられますが、筆者がいちばん良いと考えているものを述べます。それは自分のしたことを記録する方法です。独りで学習したことを書き留めておくのです。多くの時間と労力を費やすようなものは長続きしませんから、簡単なものでけっこうです。記録の仕方はなるべく自分で工夫をするとよいでしょう。自分でフォーマット(形式)を考えて、それを先生や友人に見てもらうのです。友人の中にはそういうことの得意な人がいるのではないでしょうか。学習について話し合うことのできる友人がいて、その人たちと議論しながら作ることができれば最高ですね。考えるためのきっかけがほしい人のために、記録する項目をいくつか並べておきます。ただし、これらのすべてを毎回記録しなければならないということではありません。

①日時・テキスト箇所 ②テキストの内容 ③重要語句・表現 ④暗記すべき表現 ⑤学習活動 ⑥気づいたこと ⑦学習活動の評価(ABCD) ⑧反省点

 しかし、このような記録が何の役に立つかに疑問を持つ方もあるかもしれません。そういう方には筆者は次のように説明します。「レコーディング・ダイエット」というのがあります。これは自分の食べたものを記録し、次に何をどれくらい食べるかを考えるというダイエット法で、それを続けるだけでダイエットができるというのです。なぜそれが効果的かというと、それが実践者の心の中に分析や評価という心的な活動をうながし、食生活や運動に関する新しい気づきを与え、行動を変化させるのです。それと同様に、英語学習者は今日の学習で学んだことを記録し、分析し、評価し、次に自分のなすべきことを考えるという内省的活動をするによって、学習についての新しい気づきがうながされ、行動に変化が起こるというわけです。つまり、自分で自分の意識や行動を制御するという自律的メカニズムによるのです。

 さて以上に述べた自律的な学習は、自分でコツコツと進めることが大切ですが、独りで行なう活動が中心なので刺激に乏しく、短期間に進歩を自覚することもむずかしい。ダイエットの場合には減量という数値によってはっきりと効果が測定できますが、英語学習の場合には必ずしもそうはいきません。自分がどれだけ進歩しているかが実感できないことが多く、せっかく始めたものを途中で止めてしまうということになりがちです。そこで自分自身にノルマを課して、その目標に向かって自分を鼓舞するような工夫が必要になります。その一つの方法として外部デストの利用が考えられます。実用英語技能検定(英検)、TOEIC、TOEFLなどのテストは誰でも受験できますから、自分の現在の英語力に応じて適当なものを選択することができます。学校の先生や友人に勧められて受検することもあると思いますが、他の人たちの圧力でいやいや受検するのでは自律的とは言えませんし、その動機づけ効果は外発的なもの(つまり表面的なもの)にとどまるでしょう。そうではなくて、自分自身の日々の学習効果を客観的に測定するという自律的態度を持つことによって、学習目標がより明確になり、単に合格するかどうかということではなく、自分の取っている学習法が正しい方向に向かっているかどうかを知るチャンスにもなるわけです。

 TOEICやTOEFLは中級レベル以上の人にはお薦めですが、基礎レベルの人にはテスト内容が高度すぎてかえって自信を失う危険がありますので、まずは英検の3級や2級を目標にするのがよいと思われます。現在の英検には初歩の5級から最上級の1級まで7つの等級があり、3級が中学修了レベル、2級が高校修了レベルとなっています。ですから基礎段階の習熟を目指す人はまず3級、そして準2級から2級へと進むように計画を立てるとよいでしょう。志を共にする友人といっしょに励まし合いながら、時に競争しながら進めると、途中で放棄する危険をかなり避けることができます。運動選手が他のライバルと切磋琢磨して優勝を目指すのに似ています。ただし、ライバルに先んじられたからといって落胆しないこと。勝負やテストにはかなり時の運が左右しますし、人間だれしも体調が悪かったり気分がすぐれなかったりすることがあるものです。失敗したらもう一度初心に立ち返ってやり直すことです。 (To be continued.)

学習意欲の心理学(4)

Author: 土屋澄男

不幸にして学校で自己学習について充分な指導を受ける機会のない(なかった)学習者は、自分で学習法を工夫するほかありません。それはなかなか難しいことのように思われますが、そうして自律的に英語学習に取り組んで成功した人は珍しくはありません。それに取り組む決断さえすれば誰にでも実行可能な学習です。筆者が英語学習を始めたのは第二次大戦中で、みな戦局が気になって、勉学に打ち込む雰囲気は失われていました。そんなこともあって、先生方も「予習と復習をしっかりやれ」と言うだけで、具体的に何をするかまでは指導してくれませんでした。私たちは自分で学習の仕方を工夫するしかありませんでした。それでも同年輩の人たちの中には、この桐英会ブログのメンバーに見るように、戦後のアメリカ英語・アメリカ文化との接触をきっかけとして、英語を専攻することを決断する人は少なくありませんでした。大切なのは、学習者個人の決断ではないでしょうか。

 自律的学習者が最初になすべきことは、学習目標をはっきりとさせ、そこに至る道程を考えることです。中学生くらいでは、自分にとって英語が将来どんなことで必要になるのかは分からないかもしれません。それは英語を学びながら考えていくことにして、とにかく学校で使う教科書(文科省検定教科書)の英語を自分のものとすることに専念するのがよいでしょう。中学校3年間に学ぶ教科書の英語を自由に使えるようになったら、英語の基礎の大部分は出来上がっていると言ってよいのです。多くの英語教育専門家が言うように、高校生や大学生になって英語の基礎が不充分だと感じたら、その時点でもう一度中学校の教科書に戻って再学習をするのが最善の方法です。学校を出た後でもう一度英語をやり直そうとする人たちに対しても、筆者は同じアドバイスをします。あるいは、最近そういう人たちのための良いテキストが出てきましたので、それらの中から選択するのもよいでしょう。たとえば、この桐英会ブログの投稿者の一人である松山薫氏が監修なさった『0(zero)からスタート再学習の英語(前編、後編)』(茅ヶ崎出版)はすぐれたテキストですから、自信をもってお薦めできます。

 ここで、「中学校で学ぶ教科書の英語を自由に使えるようになる」という言葉に注意してください。自由に使えるようになるということは、教科書に書いてある英文の意味が分かるというだけのことではありません。教科書に出ている単語を全部暗記しているということでもありません。また、テキストが上手に音読できる、練習問題がすべて解ける、というのでもありません。もちろんそれらは大切なことです。しかし、教科書の英語を自由に使えるということは、そうこうことができる以上のことです。それは、教科書の英語をいったん自分の中に取り込んで自分のものとし、こんどはそれを自分の言葉として自己表現のために使うことができるということです。ですから、それは学校の授業だけではとうてい達成できることではなく、学習者自身が意図的に自主学習の中に組み入れ、長い時間をかけて積み上げていかなければならないものなのです。

 そこで重要なことは、教科書の英語をどのようにして自己表現に使えるレベルまで習熟するかということになります。中学校の教科書はやさしいから意味は分かる、単語もだいたい分かる、なんとか音読もできる、というレベルまではかなりの生徒が到達するのではないかと思います。しかし、教科書の英語が思いのままに使えるところまで達した人は少ないのです。ですから、中学校から6年間も8年間も英語を学んだのにまったく使えないということが起こるわけです。単語は中学校教科書に出てくる1000語くらいでは足りないでしょうが、文型や文法の基本的なものはほとんど出てくるので、それらを思いのままに使うことができるようになれば、かなりのことが表現できるはずなのです。そのための練習の方法を学校の授業できちんと指導してもらえるかどうかも問題ですが、生徒のほうも積極的に英語で表現しようとする気持ちを持つことが大切です。授業で暗唱やスピーチやプレゼンテーションをする機会が与えられたなら最善を尽くすべきです。学校や地区で英文暗唱コンテストやスピーチコンテストが開かれたなら、積極的に参加するとよいでしょう。また教科書だけでは満足せずに、ラジオの基礎英語やテレビの英語会話番組などを積極的に聴くようにしてください。そこには教科書に出てくるいろいろな表現の実際場面での使い方や、教科書に出てこない新しい表現法を学ぶこともできます。できれば英語を使うことのできる外国人(必ずしも英語のネイティブ・スピーカーでなくてよい)と友だちになってメールやカードの交換をすると、楽しく英語を使うことができます。(To be continued.)

② 全体像の把握が重要

<② 全体像の把握が重要 >

情報を持っている側は、その一部を恣意的に選んで公表し、それが真実であるかのように思い込ませようとします。私達の世代は、「大本営発表」を信じ込まされたという苦い体験からそれを学びました。しかし、これは昔話ですまされることではありません。原子力発電の歴史はまさにそうでした。そういう詐術に引っかからないようにするには、全体像をきちんと把握し、それを基点に判断することが重要だと思います。最近のオリンパスの「飛ばし」疑惑では、元社長だったイギリス人は、経営資料全体を見て、何処かおかしいと感づいたのでしょう。TPPについての政府の説明も、あまりに拙速且つ一方的であったため、裏に何か隠されているという疑惑を抱かせ、反対派の追求で、だんだん全体像が明らかになり、政府の説明の化けの皮がはがされてきました。原発事故についても、議論の前に、まず、全体像を把握することが真実を知るための第1歩だと考えます。

7. 敷地内には一時12万トンもの高濃度の汚染水がたまり、その一部が海に漏れ出し 広く 海水を汚染した他、東電は、保管場所のなくなった低濃度の汚染水を意図的に海に放出し、外国の厳しい非難を浴びた。

As much as 120,000 tons of water highly-tainted by radiation temporarily pooled in the premises of the nuclear plant, part of which leaked into the sea around the plant and widely contaminated seawater. TEPCO intentionally discharged lowly-tainted water into the sea as the plant did not have enough space to hold such vast amounts of water. The discharge invited severe criticism from abroad.

8. 東電は、1号機、2号機、3号機で、炉心溶融が起きたこと、つまり、原子炉圧力容器内の核燃料棒が溶けて、容器の下部に落ちたことを認めた。また、専門家達は、3号機では融けた核燃料が圧力容器から格納容器に漏れ出ている可能性があるとしている。

TEPCO admitted that nuclear fuel in the No.1, No.2 and No.3 Reactors melted down to the bottoms of the pressure vessels. Experts do not rule out the possibility of nuclear fuel in the No.3 Reactor leaking from the pressure vessel to the containment vessel outside.
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9.原子力発電所で炉心溶融が起きたのは、1979年のアメリカのスリーマイル事故、1986年のソ連のチェルノブイリ事故に続いて3番目である。経済産業省の原子力安全・保安院は、福島原発の事故を、国際原子力事象評価尺度INESに基づき、チェルノブイリ事故と同じ、最悪のレベル7と判定した。

This is the third time that a so-called meltdown in a nuclear reactor has taken place, following the Three Mile Island accident in 1979, and the Chernobyl disaster in 1986. The government agency for nuclear and industrial safety categorized the Fukushima accident as 7, the highest level on the International Nuclear Event Scale, putting it on a par with the Chernobyl disaster.

10. 東京電力は事故を起こした福島第一原発の1号機から4号機までを、廃炉にすると発表した。廃炉には原子炉の冷温冷却後、数十年かかる見通しである。 

TEPCO announced that it has decided to scrap the crippled No.1 to No.4 nuclear Reactors at the Fukushima No.1 Nuclear Plant. It seems that the scrapping may take decades after the reactors can be constantly kept under 100 degrees centigrade.

11.政府は、今回の事故にかんがみ、東海地震の予想震源域の真上にある静岡県の浜岡原発の6基の原子炉の運転を全て停止するよう中部電力に要請し、中部電力はこれに応じた。

In view of the current disaster, the Japanese government asked Chubu Electric Power Company to shut down all six nuclear reactors at the Hamaoka Nuclear Power Plant in Omaezaki, Shizuoka Pref. The utility company met the request. The Hamaoka Nuclear Power Plant in question is located just on the presumed epicenter of a probable Great Tokai earthquake with a possible magnitude of 8 or more.

12. 放水による汚染水の増大を食い止めるため、東電は、冷却水をパイプを通じて循環させ、その途中で放射性物質を取り除く装置をフランスとアメリカから取り寄せて稼動させたが故障があいついだ。

To prevent the amount of contaminated water from rapidly increasing, TEPCO imported from France and the United States devices to remove radiation while circulating such water through pipes to cool reactors. The devices frequently broken down, however.

13.福島原発の事故に伴う電力不足を乗り切るため、東電は3月14日から28日まで、首都圏でいわゆる計画停電を実施した。このため、食料品、ペットボトル入りの水、電池、懐中電灯、蝋燭など一部の日用品が不足し、市民は買いだめに走った。

For about two weeks after the Fukushima accident, TEPCO carried out scheduled blackouts in rotation in the Kanto and Tokyo Metropolitan areas、which led most citizens to hoard certain daily necessities such as foodstuffs, bottled water, electric cells, flashlights and candles.

(M)

「スポーツ放送」で気になること
(1)スポーツの実況放送はラジオだけの時代から批判があったと思います。多かったのは、「解説者がしゃべり過ぎる」というものでした。テレビ中継の時代になってもこういう批判は残っています。例えば、ゴルフの場合では、デジタル化のお陰で画面に様々な情報を書き込むことが出来ます。風の方角とか強さとか、選手が打った球の方角、距離など情報も実に多様化しています。

(2)実況放送のアナウンサーや解説者はそういう情報について長々としゃべる場合があります。ゴルフの“エチケット”として、選手が打つ構えに入ったら、周囲の人たちは沈黙をすべきなのです。また、選手経験者などが現場の中継者として選手の近く、または打った球のそばから放送しますが、当然のことながら声をひそめて話します。とにかく行き過ぎのないように配慮すべきです。

(3)テレビカメラが人気のある選手(例えば石川遼君)ばかり追いかけるのも上位の選手たちに失礼です。最終日でもないのに、20位の石川遼君が上位の選手よりもはるかに画面に出る回数が多いのです。テレビ局ば、「視聴者が望むから」と弁解するのでしょうが、もっと独自性のある画面で視聴者を引き付けることを考えないとテレビの将来は危ないと思います。

(4)フィギュアスケートの場合は、特殊な技術や採点の方法など多く視聴者には馴染みがないので、解説は必要かも知れません。しかし、のべつしゃべられると、肝心の音楽がとても聞きにくくなるのです。選手の練習時間などに手短に解説を入れるような工夫をしたらどうでしょうか。11月13日の夜は NHK がエクジビションを放映していましたが、ゆっくりと鑑賞できました。

(5)今年のプロ野球日本一は、中日ドラゴンズとソフトバンクとの間で争われていますが、緊迫した好ゲームを展開しています。その雰囲気をぶち壊したのが読売巨人軍の内輪もめです。11月11日に清武英利球団代表が突然記者会見で、渡邊恒雄球団会長を“コンプライアンス違反”“球団を私物化”と批判したのです。“なべつね”さんの横暴ぶりは今に始まったことではありませんが、今回はコーチの人事に口出しをしたことで非難されたのです。負けて内輪もめになるのは球団が弱い証拠でしょう。

(6)野球は応援も一番下品です。騒音のような応援ですから、午後10時過ぎには自粛することになっていますが、もっと拍手をするような応援に切り替えたらどうでしょうか。日本人は日常生活でも音について無関心過ぎます。そのくせ音が原因で殺人騒ぎまで起こります。日本人の心のバランスが壊れているのではないかと心配です。(この回終り)

学習意欲の心理学(3)

Author: 土屋澄男

英語基礎レベルの習得に必要な2,400時間のうち、学校の英語授業では900~1,000時間しかカバーできないとすると、残りの1,400~1,500時間をどのようにして埋めたらよいでしょうか。今これを生徒自身の自主学習によって埋めるとしましょう。今年から全国の小学校でも英語が教えられるようになりましたが、それは教科としてではなく、「外国語活動」の中の一つの活動として取り入れられることになっていますので、小学生に英語の自主学習を期待することはできないでしょう。すると、中学・高校の6年間に1,400時間以上の自主学習を期待することになります。6年間の授業時間が900~1,000ならば、生徒はその150%に当たる1,350~1,500時間の自主学習を確保する必要があります。そうすると計算上は授業の不足分をカバーできることになります。つまり、中学生・高校生は、学校で1時間の授業(実質は50分)を受けると、少なくとも90分の自習(予習・復習など)が義務づけられることになります。これは実際に可能でしょうか。

 ここで「義務づけられる」という表現に注意してください。生徒の自主性を尊重して、「学校の1時間の授業につき、かならず90分の予習と復習をしなさい」などとしつこく言う先生は多いのですが、そう言われて忠実に実行する生徒はほとんどいません。いたとしても、多くの生徒は持続しません。先生はそれで指導したつもりでいるのかもしれませんが、それは指導とは言えません。生徒はそれを自分の問題として真剣には受け止めていないからです。筆者の知っている中学校の先生の中に、「学習ノート」を生徒に作らせ、家庭での自主学習を記録することを義務づけている方がいます。こういう先生は他にもたくさんおられると思いますが、中学生にはこれは重要なことです。近年の動機づけ(motivation)の研究は自発的または内発的な動機づけを重視する傾向がありますが、特に英語学習の初期においては、すべてを生徒の自主性に任せるのは無謀です。1時間の授業に対して90分の自主学習をしなさいと言われても、生徒は何をしてよいか分からないのです。さらに、自主学習の意味をよく理解していないので、数回やってあまり効果がないと思うと、そこで止めてしまうわけです。ですからほとんど三日坊主で終わることになります。

 そこで研究者の言う外発的動機づけに注目しなければなりません。それは報酬や罰のような、外からの影響力によって学習に向かわせることです。人は褒められるとやる気を出します。叱られるとやる気をなくします。叱られてかえってやる気を出すこともあります。20世紀前半に優位を占めていた行動主義心理学の学習理論では、そのような賞罰の与え方によって学習のメカニズムを説明しようとしました。そこでは人間よりも動物のほうがデータを取りやすかったので、しきりに動物実験が行なわれました。どのような条件にすれば学習が起こりやすいか、また一度起こった学習が定着しやすいか、などの研究が盛んに行なわれました。そしてその結果を人間にも当てはめることができると考えました。しかし人間は動物とは違って、そのまま当てはまらない場合があります。20世紀半ばから優勢になった認知心理学の理論では、行動主義心理学の反動として外発的動機づけの価値が著しく低下し、自発的・内発的動機づけが重視されるようになりました。しかし真実はそのいずれにもあります。子どもが学習に向かうきっかけは、内発的動機づけだけではなく、外発的動機づけにもあります。褒められたことがきっかけになり、また叱られたことがきっかけになって学習が始まり、それが繰り返されている間に、子どもはその学習内容に興味を感じ、しだいに深く理解するようになり、やがてそれを愛するようになる、というケースが多いのです。英語学習も、特に初期の段階においては、外発的動機づけをもっと尊重しなければならないというのが筆者の考えです。

 そうだとすれば、英語学習初期の段階(特に中学校)でたまたまそういう指導をする先生に出合った生徒は、学校の授業だけで満足することなく、1回の授業に対して1時間から2時間の自主学習を開始し、その重要性を認識し、学習法を会得し、それを継続することに喜びを感じるようになるでしょう。先生は時々生徒たちの英語ノートを点検してアドバイスを与えてくれます。それが生徒にとって励みになります。そういう雰囲気のクラスでは、生徒どうしも各自のノートを見せ合って励まし合うということが自然に行なわれるでしょう。こうして英語学習の動機づけが、外発的なものから内発的なものへと自然に発展します。そういうクラスで英語を学ぶことのできる生徒は幸いです。しかし、不幸にしてそういうクラスに出合わなかった生徒は——そういうケースが非常に多いように思われます——どうしたらよいでしょうか。そのことを次回に述べます。(To be continued.)

< 原発事故を記憶し、伝える >

福島第一原発の事故から昨日で8ヶ月経ちました。深刻な衝撃を与えた原発事故も、時間が経てば、少しずつ風化していくことは避けられないでしょう。風化を食い止めるためには、今生きている人達が、何が起きたのかをきちんと把握して、なるべく正確に伝えていかなければならないと思います。今わかっていることを私がまとめたものを掲載します。外国人に伝えたい方の参考に、英文の拙訳を付しました。3回続きです。
                              2011−11−12

福島第一原発事故(その①)

1. 東京電力福島第1原子力発電所は、2011年3月11日午後、仙台市沖の太平洋で起きたM-9の巨大地震と、これにともなう大津波に襲われ、4基の原子炉を緊急冷却するための全ての電源を失った。

   On the afternoon of March 11, 2011, the Fukushima No.1 Nuclear Power Plant of Tokyo Electric Company, or TEPCO, lost all its power supplies for emergency cooling of its four reactors in the wake of a massive quake of magnitude 9.0 that took place in the Pacific off Sendai in northern Japan and gigantic tsunami that followed.

2. その翌日、1号機で、3日後に3号機で水素爆発が起き、原子炉建屋の上部を吹き飛ばした。また、2号機と4号機でも爆発が起きて格納容器や建屋を損傷した。5号機、6号機は点検中で、高台にあるため大きな被害はまぬかれた。

Hydrogen explosions occurred at the No.1 Reactor the next day and at the No.3 Reactor three days later, blowing off the upper parts of reactor buildings. Similar explosions took place at the No.2 and No.4 Reactors, damaging part of a reactor building and a containment vessel. The No.5 and 6 Reactors under inspection escaped damage as they stand on a hill.

3. 日本政府は、初の原子力緊急事態宣言を発し、福島原発から2キロ以内の住民に避難を
指示、後これを20キロに拡大した。また、2週間後、20キロから30キロ以内の住民に自主避難を勧告した。11万人以上の人達が故郷を離れざるをえなかった。

The Japanese government proclaimed a state of nuclear emergency for the first time and ordered residents living within a radius of two kilometers of the nuclear plant to evacuate and later enlarged the radius to 20 kilometers. Two weeks later, the government advised residents within a radius of 20 to 30 kilometers to voluntarily evacuate from the area. More than 110,000 people had to leave their home towns and villages.

4.  アメリカ政府は、福島原発から80キロ以内の自国民に退避を勧告し、留学生を含む1万人以上の外国人が国外に逃れた。 32カ国の在日大使館が一時閉鎖された。

The United States government called on American citizens to stay more than 80 kilometers away from the nuclear plant. More than ten thousand foreign nationals living or studying in Japan left overseas. Embassies of 32 countries in Tokyo were temporarily closed.

5. 爆発によって放出された放射性物質、例えば、放射性ヨウ素、セシウム、ストロンチュム、プルトニウムなどが、風に乗って、東北地方の太平洋岸から関東地方北部を中心に広がり、国土を汚染し、国民に深刻な健康被害の懸念を与えた。

Radioactive materials emitted in the explosions, radioactive iodine, cesium, strontium and plutonium for instance, spread on winds mainly from the Pacific coast of the Tohoku District to the northern part of the Kanto Region, contaminating soil, fields, forests and creating grave anxieties about health hazards in the nation.

6.  原子炉と建屋のプールに保管中の使用済み核燃料を冷却するため、警察、消防、自衛隊 
が、懸命の放水を行なった。そのため、原発敷地内には大量の放射能汚染水が溜まった。

Police, fire brigades and SDF personnel desperately pumped water to cool down nuclear reactors and spent nuclear fuel stored in the reactor buildings. As a result, massive amounts of radiation-contaminated water pooled in the compounds of the nuclear plant.

(M)

英語学習の心理学(2)

Author: 土屋澄男

前回に述べたような、好ましくない現代の学習環境の中で、学習者はどのように自分の学習を進めて行ったらよいのでしょうか。これは非常に難しい問題ですが、結局は学習者が一人ひとり自分のこととして真剣に考えていかなければならない問題です。もちろん、学校の先生方の中には個々の生徒の直面する問題を真面目に考えている人もいます。しかしそういう先生方も、教科の指導だけでなく、父母との対応やいろいろな公務に忙しく(最近の学校における公務と称する雑用はすさまじいもののようです)、しかも40人もの生徒がいるクラスを5つも担当するとなると、すべての生徒に充分な目を注ぐことはほとんど不可能になります。有能な医師が次々に運ばれてくる重症患者を優先し、そうでない患者を後回しにするのに似て、おとなしく授業に出ている普通の生徒はなんとかうまくやっていると思いがちです。しかも、最近は教育をビジネスと同じように効率を優先させる思想が蔓延してくると、学校も教師もプロセスより結果を気にするようになります。そういうわけで、学習者は自らの学習を学校や教師に全面的に頼ることができなくなっています。

 そこで必要になってくるのは自律の精神です。自律とは、以前に述べたことがありますが、簡単にまとめると次のようになります。(1)自分自身の明確な学習目標をもち、その目標を達成するために有効なステップを組み立てることができること、(2)それぞれの学習場面で適切なストラテジーを選択し、それらを有機的に組み合わせて使用することができること、(3)学習のプロセスで、自分が何を理解し何を理解していないか、また、何ができて何ができないかを、正しくモニターできること、(4)自分の学習結果を正しく評価し、それをフィードバックして次の学習に活かすことができること、の4つです。

 以上のことを英語の基礎段階の学習に当てはめて考えてみましょう。まず基礎段階ではどのような目標を立てたらよいでしょうか。カナダ・オンタリオ州のフランス語基礎レベルの到達目標を見てみましょう。これは中等学校修了時までの累積授業時間が1,200時間に達する学習者の到達可能なレベルです。日本の学習指導要領よりも具体的に分かりやすく書かれているので参考になります。

(ァ)フランス語の文法・発音・語彙に関する基本的知識を獲得すること。具体的には、約100個の基本文型と3,000~5,000の語彙が運用できること。(イ)簡単な会話に参加できること。ウ)関心のある分野の標準的な文献が辞書を引きながら読めること。(エ)将来、必要が生ずれば再び学習を開始できること。(オ)フランス語系カナダ人の文化ならびに考え方が基本的に理解できていること。(伊東治己著『カナダのバイリンガル教育』渓水社 p.88)

 これら基礎レベルの目標は、フランス語を英語に置きかえ、文化に関する(オ)の項目を除くと、日本の小学校5年から高校修了時までの8年間の英語学習の目標に置き換えることができます。すなわち、(ァ)英語の文法・発音・語彙に関する基本的知識を獲得し、約100個の基本文型と3,000~5,000の語彙が運用できるようにし、(イ)簡単な会話に参加することができ、(ウ)関心のある分野の標準的な文献が辞書を引きながら読むことができ、(エ)将来、必要が生ずれば再び学習を開始できること、となります。なんと分かりやすい目標でしょうか。ほとんど解説を必要としないほどです。この目標は、そのまま日本の高校修了時までに達成すべき目標と見なすことができます。日本の大学入試センター試験の英語は、ほぼここに述べている基礎レベルの知識と技能を検査しようとしていると言えるでしょう。

 問題は、基礎レベルを達成するのに必要な授業時間と学習時間の確保です。このレベルの習得にはどれくらいの時間が必要でしょうか。オンタリオ州のフランス語基礎レベルは、初等学校4年生から中等学校修了時までの10年間に累積1,200時間の授業が組まれています。日本の小学校5年生から高校修了時までの標準的な英語授業数およそ900~1000時間ですから、カナダのフランス語基礎レベルの時間数には達していません。しかも前回述べたように、カナダ人の英語母語話者のフランス語学習と、日本語を母語とする日本人の英語学習はとでは、その困難度が大きく異なります。英語を母語とするカナダの子どもたちがフランス語の基礎学習に1200時間の授業を必要とするのならば、英語を学ぶ日本人の子どもたちは少なくともその2倍の授業時間、すなわち2400時間を確保する必要があります。現在の学校では、英語の基礎を固めるのに必要な授業時間数の半分にも達していないことになります。この授業の不足分を、学習者はどのようにして補うことができるでしょうか。(To be continued.)

「気になる“パフォーマンス”」のこと
(1)ここで使う“パフォーマンス”は“演技”などではなく、“ちょっと目立つ“言動”くらいの意味です。人気のある「笑っていいとも」(フジテレビ系)も、新しさを出そうとあれこれ工夫はしていますが、「苦戦中」とみなしてよいでしょう。水曜日のレギュラー爆笑問題の“太田光”は出しゃばり過ぎです。タレントは誰でも自己顕示欲が強いものですが、太田光には、かつて日本テレビ系で政治家を相手に論戦をしていた頃の知性のかけらも感じられません。大声でちゃちゃを入れるだけで、まったく無用です。

(2)子役タレントの使い過ぎも目にあまります。芦田真菜ちゃんなどは、出なくてもいい大人のバラエティにまで引っ張り出されて、「かわいい!」という周囲の歓声に笑顔を見せています。その陰で儲けをたくらんでいる大人たちがうごめいているのが見える気がします。「可愛い」と言えば、特にフジテレビに多いのですが、小さな動物が出てくると、歩くたびに“ピコピコ”といった音を加えるのです。1回くらいならともかく、何回も繰り返すのは反対です。

(3)地震速報もテレビ画面ではわずらわしい感じがすることががあります。ドラマなどの良い場面が壊れてしまうのです。テレビでは文字表記ができますから、ラジオのように番組を中断しなくてすみますが、震度1や2の地域名まで報じる必要があるのかなと疑問に思います。テレビの種類によっては、またはケータイでも、特定な地域の情報を呼び出せるわけですから、そういうメディアの普及をもっと図るようにすべきでしょう。

(4)地震予知の速報はほとんど見なくなりましたが、9月頃に、まだ若いNHK の女子アナが放送中に、緊急予知放送が出てしまいました。彼女がかん高い声で、「地震が来ます。あわてずに身の安全を確保してください」と繰り返しても、落ち着くのが無理な気がしました。また、終わった地震を報じるのに、画面が揺れている映像をニュースなどで何回も繰り返すのは必要ないでしょう。被害の出た地域を映す場合は別として、冷静に報道すべきだと思います。

(5)裁判の中継もおかしいことがあります。小沢一郎元民主党代表が強制起訴された最初の裁判では、フジテレビでは、女子アナが息を切らせてマイクの処へ来て話し始めますから、日本語もでたらめでした。「被告は裁判官の方へ見ながら、黙って聞いていました(←裁判官の方へ目を向けて…)」といった調子です。NHK はそういう中継をせずに、刻々入る情報を整理しながら、スタジオから静かに報道していました。私としては、こちらに軍配を上げたくなります。とにかく、デジタル編集が出来るのをいいことに、視聴者のことを考えない画面の提示は猛省してもらいたいものです。(この回終り)