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安倍政権の落とし穴
(1)こういう場合の「落とし穴」は、英語では、”pitfall” と言いますが、英語の辞典では、「目に見えない危険や困難点」と定義しています。自信満々の安倍政権には、予期出来ない危険や困難さが待ち構えているように思います。そうした問題点のいくつかを指摘してみます。

(2)新閣僚の人選には、予期以上の困難さがあったせいか、決定までにはかなりの時間がかかりました。したがって、閣僚名簿の発表は年末26日の夜分遅くなってからでした。NHK のラジオとテレビでは、首相と新閣僚の記者会見を数時間にわたって、放送していましたが、私は2時間くらいで視聴を止めてしまいました。どれも首相以外は政策ではなく、意気込みだけみたいなものですから、聞いてもほとんど意味がないと思ったからです。

(3)特に気になったのは、麻生副総理兼財務大臣の不敵な笑顔でした。それは新年になっても続きました。過去にも首相経験があるので、自信満々なのでしょうが、一番危ない気がしました。案の定、社会保障と医療の問題に関連して、「老人は早く死んでもらわないと困る」といった趣旨の発言をして、取り消しや謝罪をするはめになりました(1月21日)。しかも、その謝罪は弁解がましくて、いさぎよさは感じられませんでした。

(4)安倍首相は、東南アジアの国々への訪問を早めに打ち切って、1月18日にはアルジェリアの人質問題に対応するために急いで帰国しました。この「何でも自分が先頭に立って指揮をする」という態度は、本当に首相として望ましい姿なのでしょうか?「部下を信用していない」という印象を与える恐れはないのでしょうか?私はとても疑問に思いました。

(5)東京の官邸と連絡の取りにくい地域にいたのであれば止むを得ませんが、今回は帰国する必要はなかったと私は考えます。訪問した国々は、日本の事情を理解はしてくれたでしょうが、やはり予定はきちんとこなすほうがより良かったと思います。特に対中国を意識しての東南アジア訪問であればなおさらです。私は、前回の安倍首相の軽率さに危険を感じましたが、この性格は治しようがないのだと思わざるを得ません。

(6)安倍首相の「景気対策」についても、様々な見解が出ています。2013年1月21日の朝日新聞では、「安倍内閣の経済の評価は49%」という世論調査の結果を報じていました。安倍首相の自信が示すほど、国民は信頼していないのです。私も経済問題は素人ですが、世界的な不況の時期に、日本だけが景気が良くなるとはとても思えません。デフレ脱却には、インフレという危険が伴うことは、専門家が指摘する通りでしょう。月給や年金は上がらないで、物価だけ上ることもあり得るわけです。日銀を“脅して”の、「物価上昇2%を目指す」というのは、本当に大丈夫でしょうか?

(7)その他では、原発問題ばかりではなく、教育問題も山積しています。大所高所から大局を把握して、しかも細かい配慮が必要な「国のリーダー」としての素質があるようには私には思えないのです。(この回終り)