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「安倍政権を待ち受けるものは?」
(1)株価は上昇し、日銀との連携はうまくいっているし、社員の給料を上げるという会社も名乗り出ています。得意満面の総理の顔を想像するのも難しくないこの頃です。でも私は、そう簡単にはものごとは進まないと思っています。その理由を考えてみます。

(2)大きな理由の1つは、庶民の道徳心、注意力の低下です。しかも、これは世界的な現象なのです。アメリカ人による銃の乱射事件とか、日本では通り魔的に大勢を殺傷する事件が続発しています。政治家はこういう問題を指摘されると、「モラル・ハザード」といったカタカナ語を使って弁明しようとするでしょうが、「モラル・ハザード(moral hazard)=倫理観の喪失」は「カタカナ語」の場合は拡大解釈をされて使われることが多いようですから、「道徳心の低下」と言うべきだと思います。

(3)「道徳」と聞くと、「昔の“修身”を復活させるのか」といきり立つ“進歩的教育者”がいるものです。しかし、日本の現状を見て、「道徳心が低下している」と感じないとしたら、よほど鈍感な人間だと思います。もちろん大部分の日本人は真面目で、公徳心があるのは確かでしょうが、「悪貨は良貨を駆逐する」と言われるように、公徳心の無い人間は、少数でもその影響力は大きいのです。1軒の“ゴミ屋敷”があるだけで、周囲の何十軒もの人々が迷惑をします。

(4)東京で聞けるラジオ放送では、首都高速道路などの状況を30分に1回くらい知らせていますが、最近特に多いのはトラックの横転事故です。スピードの出し過ぎや運転手の不注意によるものです。その度に何キロもの渋滞が生じています。景気が良くなれば、交通量は益々増えて、事故も増えることでしょう。景気の回復は良いことだけをもたらすと考えてはいけないのです。

(5)前の野田政権は、「社会保障と税の一体改革」にばかり気を取られて、その他のことには八方美人的な対応で失敗しました。今度の安倍政権も似たような点があると私は感じています。「景気さえ良くなれば」という視点だけで、“ネットカフェ難民”のような貧困者には目が届かないでいるからです。テレビでは、“ネットカフェ難民”の中には高校に通えない娘を連れた母親もいることを報じていました。(“ネットカフェ難民”については、用語の問題を含めて、様々な問題がありますから、関心のある方は、インターネットで調べられるとよいでしょう。)

「天気予報」の問題点は?
(1)私は、テレビの天気予報について、「週間予報」などは提示時間が短くて不親切だと批判したことがあります。千葉県に在住の高校時代の教え子が、「天気予報は都会向きで、農村の生活感覚など無視している」との批判を寄せてくれました。彼女は、都内の高校の英語教員でしたが、定年後は、房総半島の先端に近い農村に住んで、田んぼや畑で働いています。

(2)彼女の指摘では、気象予報士は、「お出かけには折りたたみ傘を持っていかれたほうが良いでしょう」、とか「薄い上着を一枚はしょって」などの言い方をしますが、「駅のホームで待っていれば、すぐに電車が来るような都会を想像させる」と言うのです。確かに気象予報士のコメントは大都会向きだと思います。私たちは日常的なことに慣れてしまうと、そうでない場合に気づきにくくなります。私も改めて反省させられました。(この回終り)