Print This Post Print This Post

この悪い時代の中で、自分に与えられた時間を賢く用いながら英語の学びを続けるにはどうしたらよいでしょうか。それが今回のテーマです。その答えを一言で言うならば、それは「学びを楽しむ」ということです。

現在の学校で英語を学ぶ中学生や高校生たちの多くは、学校の期末テストや高校・大学の入試テストにパスすること、それに加えて英検・TOEFL・TOEIC などの名の通った外部テストを受けて、できるだけ高い点を取ることに必死になっています。それを奨励する学校もあります。大学生も就活を有利にするため、そういう種類のテストの勉強を必死にやっています。もちろんテストが全部悪いわけではありません。入試のテスト問題のように無視できないものもあるでしょう。また自分の学習達成度の資料を得るため、外部テストを利用することは悪いことではありません。しかし学習のすべてがテストのための勉強にならないように注意すべきです。そうしないと、テストの結果ばかりが気になって(これは一種の中毒症状です)、自分の本来の学びを見失う危険があります。つまり心の余裕を失うのです。これは警戒すべきです。

テストに熱中することが危険なわけには、もう一つあります。すべてのテストは、いかに巧妙に工夫されても、個人の持っている英語力のほんの一部を表わすにすぎません。時にはほんとうの英語力とは全く無関係な数値を示すことさえあります(発音のペーパーテストなど)。テストのほとんどは不完全なものです。現実に生きている個人は複雑怪奇な存在であり、テストで表わされる数値をはるかに超えています。英語学習者はまずこのことを認識してください。テストの結果は、必ずしもあなたの英語力を正しく反映してはいないのです。

さて「学びを楽しむ」ためにはどうしたらよいでしょうか。よく言われることですが、それにはまず自分の取り組んでいる「学びが好きになる」ことです。好きなことをするときには脳が気持ちよく働きます。そうでないときには脳の活動は停滞します。そのことは自分でも分かります。たいてい体の異変となって現れるからです。好きなことをするときには集中できて疲れを感じませんが、嫌いなことをするときには集中できず、すぐに疲れます。それを無理に続けようとすると、頭が重くなったり体がだるくなったりします。英語の学習は長期にわたる忍耐強い努力を必要とします。その学習が嫌いであったり苦痛であったりしては、長続きするはずがありません。

物事が好きになるには、じっと机に座ってどうしようかと悩んでいても事態は好転しません。行動を起こすことが必要です。英語の学びが好きになるには何かをしなければなりません。これは英語に限ったことではありませんが、物事はすべて「できるようになる」と好きになります。英語の学習では何ができるようになることが重要でしょうか。皆さんは次のことがうまくできるでしょうか。こんな初歩的なことなどと言わずに、まあやってみてください。

(1)自分の思い通りに英語の音を出すことができる。これがうまくできるようにならないと英語は好きになりません。ただモデルの音を聞いて真似ができるというのではだめです。自分の意志で、意図した音が出せることが重要です。なぜなら、発音の習得は自分の発声器官を自分の意志によって鍛えることだからです。学校を卒業して英語の発音に自信がないと言う日本人が多いようですが、その人たちはきっと学校の英語の授業が楽しくなかったことでしょう。

(2)英語の語句や文章をすらすら書くことができる。英語をいくら学んでも、英語の語句や文章をすらすら書けない人は、英語が好きになれるはずがありません。まず書写や暗写(暗記した文章をそらで書くこと)ができるようになる必要があります。日本人はお経や名文を書き写すことが好きな人が多く、最近は「天声人語書き写しノート」などというのも出ているようです。この作業をバカにしてはいけません。文字をきちんと書くことができる—これは大切な技能です。あなたはアラビア語の文字が書けますか?英語のテキストに気に入った文章を見つけたら、専用ノートに書き写しておくとよいでしょう。あとで繰り返して見ることができるので、それはあなたの貴重なノートになります。

(3)辞書を使って言葉のいろいろな情報を引き出すことができる。知らない単語や語句を辞書(紙または電子の辞書)で引いて必要な情報を探し出すことができることは、英語学習の基本中の基本です。今の中学校ではあまり辞書の使用を奨励しない傾向がありますが、それは間違っていると筆者は考えています。英語に少し慣れてきたら積極的に辞書を活用すべきです。英語は私たちにとって外国語なのですから、学校の授業では必要なくても、独りで学習するときには辞書なしでは学ぶことができないからです。(To be continued.)