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(183) <人権大国への道>

Author: 松山 薫

(183)< 人権大国への道 >

 所与の条件 ③ 国土と隣国 

1.国土の特徴

 日本の国土の特徴を挙げれば次のようになるだろう。

ⅰ. ユーラシア大陸の東の端にある

 * 大英帝国は、この地域を the Far  East ( はるかな東・極東)と呼んだ。
 * ユーラシア大陸を載せるユーラシアプレートの東端にあり、太平洋プレート、北米プレート、フィリピン海プレートとの4つのプレート(岩板)の接合部分にある。
 * 北極を中心に流れる偏西風の通り道にあり、エルニーニョ現象の影響を受ける。

ⅱ.南北に伸びる弓状の島国である

 * 北海道の宗谷岬から沖縄の波照間島まで、直線距離で約2900キロ。
 * 長大な海岸線を持つ。約3万キロで、世界第6位。(1位カナダ、2位ノルウェイ、
  3位インドネシア)
 * 島の数は大小6852あるとされており、そのうち無人島が6415。
 * 列島を縁取るように暖流の黒潮と寒流の親潮が流れている。
 * 亜寒帯から亜熱帯にいたる多様な気候におおわれる。
 * 季節による寒暖の差が著しい。雨季(梅雨)がある。
 * 南西太平洋で発生する台風の影響を受ける。

ⅲ.国土面積は 38.7万平方キロで、世界で62番目と狭隘である。ロシア(1位)の45分の1、アメリカの(3位)と中国(4位)の25分の1

ⅳ.山が多く、平地が少ない。河川は急流となる

 *  国土の73%が山地。
 * 耕作可能地は約600万ヘクタール。               
 日本を訪れた外国人は川を見て”滝”だと言う。

ⅴ. 最も近い隣国は、韓国、北朝鮮、中国、台湾、ロシア(極東)である。

これらの事実からどんなことが生ずるのか。

ⅰ.* 外国の侵略を免れ、独自の文化を育むことができた。
* プレート境界型地震と呼ばれる大地震に襲われる。
  
  * 偏西風の蛇行やエルニィーニョにより、異常気象に見舞われる。
  * 中国の大気汚染の影響を受けやすい.(嘗てはソビエトや中国の核実験による放射能雨が降った)。
ⅱ.* 宗谷岬から波照間島まで自転車で走ると走行距離は4000キロをこえる。
* 長大な海岸線を持つので、安全保障上、上陸作戦に対する防御地点を定めにくい。
* 国際海洋法条約で認められた日本の排他的経済水域(EEZ)は国土面積の12倍にあたる405平方キロと、世界で6~7番目の広さがある。その海底には、化石燃料のメタンハイドレ‐ド、石油、天然ガスの他、マンガン、ニッケル、コバルト、レアアースなどの希少金属、それに海底熱水鉱床があるといわれる。
 * 多様な動植物が生息する。沿岸、近 海は世界有数の好漁場。
  * 海流の流れの変化により、沿岸・近海漁業に大きな影響が出る。
  * イネの生育に適している。
  
ⅲ.* 土地の価格が異常に高い。
   * 安全保障上必要な「縦深」がない。 列島を貫く山地が急峻で、大量の兵力を迅速に異動させることが困難である。
ⅳ.* 活火山が富士山を初め108あり、噴火の被害が予想される。
  *洪水が多発し、甚大な被害が出る。
  * 耕地面積は宅地転用などで、約460万ヘクタールに減っている。その内約40ヘクタール近くが耕作放棄地。
* 耕地が細分化される。(一戸当たりの耕作面積は1.8ヘクタールでアメリカの100分の1、オーストラリアの1860分の1)
ⅴ.* 古くから、人的、文化的な交流があった。戦争や植民地化の歴史もある。

 日本人はこのような国土の上で生き、このような隣国に囲まれて生きていくことを宿命づけられているのであり、このような自然の条件に適合し、これらの隣国と良好な関係を築くことが、持続可能な社会を構築していくために必要であると私は思う。(M)