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(1)久しぶりで、ラジオとテレビの番組批評をしようと思ったのですが、各放送局も暗中模索の状態に近くて、批評らしいものを書く自信がありません。感想や印象に過ぎないものになりそうです。しかし、検討だけはしてみたいと思いますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。

(2)現在の番組が捉えにくい理由の1つは、“長寿番組”が姿を消したことにもよると思います。代表的なものは、フジテレビの“タモリの笑っていいとも”と、TBS テレビの“はなまるマーケット”(薬丸・岡江)です。ラジオでもテレビでも、同じ番組を20年以上も続けると、マンネリ化してくるのは避けられないものです。そうかといって、ガラッと入れ替えてしまうと視聴者が逃げてしまう危険性があります。テレビ朝日の“徹子の部屋”(今年で39年目)は、再生場面を適宜挿入するなどして、変化を持たせる工夫をしています。おしゃべりの黒柳徹子も聞き上手に徹しようとしています。時間帯も1時間くり上がって平日の正午からになりました。

(3)10%程度の平均視聴率だった“笑っていいとも”の後番組“バイキング”は、視聴率5%以下のようですし、“はなまるマーケット”の後の“いっぷく”もパッとしません。どちらも、タレントや俳優を大勢集めて、わいわいがやがやと大騒ぎをするだけで、“メリハリ”がない感じがします。どの番組にも見られる場面は、“グルメ探訪”とか称して、食べる場面がやたらと多いことです。これは NHKの旅番組などにも見られます。

(4)昔から人間が普通の生活をするためには、“衣・食・住”が必要だとされてきました。ですから、“食べる場面”がテレビに多くても、やむを得ないのかも知れません。しかし、それも程度問題でしょう。「他人が食べるところを見たい」と思うことはあまりないはずです。自分の好きな俳優やタレントの場合は、「何でも知りたい」という心理が働くのも分からないではありませんが、自分が関心のない人間の食べる場面をいつも見たいなどとは思わないはずです。

(5)テレビ朝日が月曜日の晩に放送する“お試しか!”という番組では、タレントやゲストを加えた10名ほどが、ファミレスやコンビニの売れ筋10位に入る商品を当てるまで、注文を続けます。注文した品は必ず全員で食べなければいけないので、夜中の2時頃には皆満腹になりますが、それでも無理に食べ続けるのです。この放送局は、世界には十分に食べられない子供たちが大勢いることなど考えもしないのでしょう。

(6)TBS ラジオには、“生島(いくしま)ヒロシの一直線”(名称は主題によって変わります)という番組があります(原則として、毎日朝5時から1時間半ほど)。キャスターの生島ヒロシは、若い頃、一念発起して米国で英語修行をして来たのは立派ですが、放送の態度は感心出来ません。コマーシャルもキャスターがしゃべるというのも珍しいですが、早口のニュース項目の取り上げ方に比して、コマーシャルはゆっくりと何度も繰り返します。おまけに、飲み物や食べ物の宣伝の場合は、大きな噛む音や飲む音を立てます。最もやってはいけない“口に食べ物を入れたまま話す”ことを平気でやっています。同じTBS でも、テレビの“ひるおび”では、司会の恵(めぐみ)俊彰や、アナウンサーは、ゲストやコメンテーターが試食する場合でも、食べ物を口にしません。これが当たり前でしょう。

(6)ゲストと言えば、4月の始め頃に、TBSラジオ の“荒川 強啓デイキャッチ”(午後3時半~17時)では、都知事選に出て落選した田母神 俊雄(元航空自衛隊統合幕僚長)が出演していました。私は彼の考え方は選挙公報など知っていましたから、とんでもない人物を出演させるものだとあきれました。落選しても60万票も獲得したのですが、「沖縄の基地問題は完全に解決出来る。自衛隊を増強して日本防衛軍とし、米軍には全て撤退してもらう」という趣旨の発言でした。「20年もあればそれが可能だ」と言うのです。

(7)都知事選の出口調査によれば、彼の獲得した票のかなりの数は20歳代、30歳代の若者の票だったそうです。戦争の悲惨さを知らない世代が、ゲーム感覚で戦争を肯定し、“戦争になっても構わない”と考えているようで、そら恐ろしく思いました。そういう若者たちをけしかける大人たちの存在について、もっと真剣に再考する必要があると思いました。(この回終り)