Print This Post Print This Post

動詞には自動詞と他動詞の区別があります。多くの辞書は見出しの後にv.i. (=intransitive verb自動詞)、v.t. (=transitive verb他動詞) などの記号でその区別を表示しています。その区別は原理的には簡単です。目的語をとるものが他動詞で、目的語をとらないものが自動詞です。そんな区別は中学生時代に習ったからだいじょうぶ、と自信のある方も多いかと思います。しかし油断大敵、いろいろな動詞について学んでいくうちに、この区別はそれほど簡単ではないことが分かってきます。たくさんの動詞に出合って、それぞれの語の多様な使い方を経験しながら、時間をかけて学んでいくものなのです。幼児の言語習得でも、動詞は名詞よりも習得がずっと遅れることが分かっています。

まず、主として自動詞に使われる動詞の例を見てみましょう。その代表的な動詞としてcome, go, run, walkを取り上げます(*印はOALDから)。

John came to us yesterday. / Here comes the train!(列車が来た!)/ “Dinner is ready.” “I’m coming.”(「夕食の用意ができました。」「すぐ行きます。」)/ *I think you should go to the doctor’s.(医者に行ったほうがいいと思う。)/ *Go (and) ask your mom!(ママにきいてごらんよ。)/ We ran to the station to catch the train. / *Buses to Oxford run every half-hour.(オックスフォード行きのバスは30分ごとに出ます。)/ * “How did you get here?” “I walked.”

では、come, go, run, walkなどの自動詞が他動詞として使われることが絶対ないかというと、そんなことはありません。たしかにcomeやgoではそういう例はあまり見当たりませんが、runやwalkは時おり目的語をとることがあります。次の例を見てください(例文はOALDによる)。

Who was the first person to run a mile in under four minutes?(1マイルを4分以内で走った最初の人は誰か。)/ I can’t afford to run a car on my salary.(私の給料では車の余裕はないね。)/ They run extra trains during the rush hour.(ラッシュアウアには臨時列車が出ます。)/ The college runs summer courses for foreign students.(大学は外国人学生のための夏期講座を行う。)/ She ran her fingers nervously through her hair.(彼女は神経質そうに髪に指を走らせた。)/ Children here walk several miles to school. / They walk their dogs every day.(彼らは犬を毎日散歩させる。)

次に主として他動詞に使われる動詞ですが、そういう動詞は多数あり、枚挙にいとまがありません。基本動詞のget, give, have, make, takeなどはほとんど他動詞として使います。しかしそれらの動詞も絶対に自動詞として使わないかというと、そんなことはありません。haveが自動詞になることはないと思いますが、他の動詞については自動詞として使う例がいくらもあります。ただし動詞の後に副詞や前置詞を伴う動詞句を含めます(例文はOALDによる)。

getの例>We didn’t get to bed until 3 a.m. / The class got up when the teacher came in. / They got married last year. / How are they getting along?

giveの例>After a month their food supplies gave out.(一か月後に彼らの食糧供給は底をついた。)/ I give up; tell me the answer.(降参、答えを教えて。)

makeの例>How did he make out when his wife was away?(奥さんのいない間、彼はどうしていたのかね。)/ Why don’t you two kiss and make up?(きみたち二人キスして仲直りしたらどうだい。)

takeの例>The plane took off an hour late. / The rebels took to the hills.(反乱軍は丘までたどり着いた。)

最後に、自動詞にも他動詞にも同じような頻度で使う動詞をいくつか挙げてみましょう。たとえばeat, drink, grow, moveなどは自動詞にも他動詞にも使います。日本語でも「食べる」と「飲む」は自動詞にも他動詞にも使います。「育つ」と「育てる」、「動く」と「動かす」は目的語の有無で区別します。次もOALDの例文です。目的語のあるものが他動詞、目的語のないものが自動詞です。

eat, drinkの例>Where shall we eat tonight? / Would you like something to eat? / I don’t eat meat. / Don’t drink and drive.(飲んだら乗るな。)/ In hot weather, you should drink plenty of water.

growの例>You’ve grown since the last time I saw you. (この前会ったときから大きくなったね。)/ The region is too dry for plants to grow.(その地域は乾燥していて植物が育たない。)/ I’ve decided to grow my hair.

moveの例>Don’t move; stay perfectly still.(動かないで、じっとしていなさい。)The company is moving to Scotland. / Let’s move the meeting to Wednesday.(会議を水曜日に移そう。)