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名詞や名詞句のあとに長々と修飾語句がくっつくのが英語の特徴です。この点で日本語とは文の構造が大きく違っています。日本語の場合には、形容詞などの修飾語が原則として修飾される語(被修飾語)の前に置かれるのに対して、英語の場合には、長い修飾語は被修飾語の後ろに置かれます。ですから、いくらでも修飾語を後ろに付け加えていくことができるわけです。このような修飾構造に慣れることは、日本人英語学習者の大きな課題の一つです。

そこで名詞や名詞句のあとに続く形容詞句にはどんなタイプのものがあるかをしらべてみましょう。よく使用される形容詞句のタイプを知っていれば、文を聴いたり読んだりして理解するときにも、また自分で文を発話したり書いたりするときにも、大いに役立つに違いありません。学校の英語の授業では、このような日本語と英語の修飾構造の違いについてあまり聞いたことがないかもしれません。しかし筆者は自分の経験から、この知識を得ることで、英語の理解力と発表力が飛躍的に伸びると考えています。

名詞や名詞句に後置される形容詞的修飾語句の主要なタイプは、次の5つです。(ただしここではフレーズのみを扱いますので、関係代名詞節のようなものを含む修飾語句については、後ほど別の項目(クローズ)で取り上げます。)

<タイプ1>形容詞を中心とした形容詞句:1語の形容詞は、下記の(a) のように、原則として名詞の前に置きます(ただし例外はあります)。これに対して「形容詞+前置詞句」や「形容詞+to不定詞」のような構造をなすフレーズは、(b) のように、名詞の後に置きます。

(a) It’s a useful book.(それは役に立つ本だ。)

(b) It’s a book useful for learning Spanish (= useful to learn Spanish).(それはスペイン語の学習に役立つ本だ。)

<タイプ2>形容詞的前置詞句:「前置詞+名詞(代名詞)」の形をしたフレーズを「前置詞句」と呼びます。それらが名詞や名詞句のあとに続いて形容詞句として用いられることがあります。しかしすべてが形容詞句となるわけではなく、副詞句として使われることもあります。名詞の後にくる前置詞句が形容詞的か副詞句かは、そのコンテクスト(前後関係)によります。次の前置詞句のうち(a)は2つとも形容詞句、(b)は直前の動詞句を修飾する副詞句の例です。

(a) The people in the park are mothers and their children in the neighborhood.(公園にいる人たちは近所の母親とその子どもたちです。)

(b) The children are going to play soccer in the park.(子どもたちは公園でサッカーをしようとしています。)

<タイプ3>-ing形(現在分詞)で始まる形容詞句:名詞や名詞句の後に-ing形が続いたら、多くの場合、それは次の(a)のように形容詞用法の現在分詞である可能性が高いでしょう。しかし(b)のように、その文が「see (hear) +目的語+-ing」の形式になっていたら、その-ing形は直前の名詞句(目的語)を修飾しているというより、補語(述語の一部)として使われていると考えるのがよいでしょう。

(a) The people gathering in the square gave a sudden great cheer.(その広場に集まっている人々はとつぜん大歓声をあげた。)

(b) We saw a lot of people gathering in the square and heard them giving great cheers.(我々はたくさんの人々がその広場に集まっているのを見、彼らが大歓声をあげているのを聞いた。)

<タイプ4>過去分詞で始まる形容詞句:下記の英文(a)のように、名詞や名詞句の後に過去分詞で始まる語群が続いたら、それは直前の名詞(句)を修飾する形容詞用法の過去分詞であると考えてよいでしょう。ただし(b)のような「see (hear)+目的語+過去分詞」の文型では、その過去分詞は直前の名詞句(目的語)を修飾しているというより、文の補語として使われていると考えるべきです。

(a) Here is a letter written in Hebrew.(ここにヘブライ語で書かれた手紙がある。)

(b) Many students saw the boy bullied in the classroom.(多くの生徒はその男の子が教室でいじめられるのを見た。)

<タイプ5>「to不定詞」で始まる形容詞句:名詞の後に「to不定詞」がついて名詞句を作るのはごく普通のことです。この場合のto不定詞は形容詞用法です。2つだけ例を挙げます。

(a) I have a plan to visit Hawaii this summer.(この夏はハワイに行く計画です。)

(b) His decision to retire from politics surprised everybody.(政界から引退するという彼の決意にみんなが驚いた。)

次回は副詞句の話に移ります。