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前回の名詞節に続いて、接続詞のthatや関係代名詞のwhat以外に、名詞節がどんな標識によって導かれるかを見ていきましょう。

(3)ifwhether に導かれる名詞節:ifとwhetherは「~かどうか」という意味を表わす接続詞で名詞節を導くことがあります(注1)。ただし、これらの接続詞が常に名詞節を導くわけではないことに注意が必要です。次の(a)ではどちらも名詞節を導きますが、(b)では副詞節を導きます(文例はOALDによる)。

(a) Do you know if he’s married?(彼が結婚しているかどうか知っていますか。)/ I’ll see whether she’s at home.(彼女が家にいるかどうか見てみよう。)

(b) If you see him, give him this note.(彼に会ったら、このメモをわたしてください。)/ I’m going whether you like it or not.(君がどう思おうと僕は行く。)

if, whetherに導かれる名詞節の例:I wonder if I should wear a coat or not. [OALD](コートを着るべきかしら、どうかしら。)/ He couldn’t tell if she was laughing or crying. [同上](彼女が笑っているのか泣いているのか彼には分からなかった。)/ I asked him whether he had done it all himself. [同上](私は彼にそれを全部ひとりでやったのかとたずねた。)/ Could you ask her if she’ll be coming to the meeting? [LDCE](会議に出るかどうか彼女に訊いてくださいますか。)/ It was uncertain whether she should recover. (It = whether she should recover)(彼女が治るかどうかは不確かだった。)[同上] / I wonder whether or not we should tell her. (= I wonder whether we should tell her or not.) [同上](私たちは彼女に言ったほうがいいのかな。)

(4)疑問詞に導かれる名詞節:what, when, where, howなどの疑問詞で始まる疑問文が、センテンスの一部となって名詞節を導くことがあります。たとえば疑問文When did he come home last night? が、次のようにセンテンスの一部になることがあります(名詞節の中の語順が疑問文と違うことに注意)。

(a) Nobody knows when John came home last night.(ジョンが夕べいつ帰宅したのかを誰も知らない。)

(b) It’s a mystery when John came home last night. [It=when John came home last night ](ジョンが夕べいつ帰宅したのかは謎だ。)

疑問詞に導かれる名詞節の例:She asked where I lived. [OALD](彼女は私がどこに住んでいるのかとたずねた。)/ I wonder where they will take us to. [同上](彼らは私たちをどこに連れて行くのかしら。)/ He did not know how he ought to behave. [同上](彼はどのように振舞うべきか分からなかった。)/ They asked him why he did it. [LDCE](彼らは、なぜ彼がそれをしたのかとたずねた。)/ Might I ask what you are doing in my bedroom? [同上](うかがいますが、私の寝室で何をなさっていらっしゃるのですか。)

(5)関係副詞に導かれる名詞節:関係副詞when, where, why, howは形容詞節を導いて先行詞の名詞句に結びつける働きをしますが、それらの先行詞はしばしば省略されます。するとその関係副詞に導かれるクローズは、形式的には名詞節になります。

◆関係副詞に導かれる名詞節の例:This is where I live. [OALD](ここは私が住んでいるところです。)/ That’s where you’re wrong. (where=the point in the argument at which) [同上](それが君の間違っているところだ。)/ Tell me (the reason) why you did it. [同上](それをしたわけを言いなさい。)(注2)/ Do you remember how she used to smoke fifty cigarettes a day? [LDCE](彼女がいぜん一日50本のたばこを吸っていたのを覚えていますか。)

(6)先行する名詞句と同格のthat:たとえば「昨日の交通事故でふたりの人が亡くなったというニュース」を英語で表現すると、‘the news that two people were killed in the accident yesterday’ になるでしょう。この場合のthatに導かれるクローズ(that節)は、その直前のthe newsという名詞句と同格の名詞節です。このような表現法は非常によく目にしますし、耳にもします。

名詞句に続く同格のthat節の例:I could no longer ignore the fact that he was deeply unhappy. [OALD](彼がたいそう不幸だという事実を私はもはや無視できなくなった。)/ I’ve an idea that she likes him better than anyone else. [LDCE](彼女は他の誰よりも彼を好いていると僕は思うよ。)/ She came to the conclusion that he had forgotten. [同上](彼女は、彼が忘れてしまったのだという結論に達した。)She will join us on one condition: that we divide all the profits equally. [同上](彼女が参加するであろう条件はただ一つ、われわれがすべての利益を等分するということだ。)

(注1)「~かどうか」という意味の名詞節を導く接続詞にはifとwhetherがあります。しかしどちらがよいかは一概には言えません。一般にifのほうが口語的と言われていますが、それは裏を返せば、書き言葉ではwhetherのほうが好まれるということです。事実、discuss, consider, decideなどの動詞ではwhetherのほうが好まれるとOALDに書かれています。また文頭では必ずWhether~です(文頭のIfはたいてい「もし~ならば」の意味)。Whether or not~が文頭にくるときもIf は使えません。ほかにもwhetherをifに置き換えられない場合がいくつかあり、論文やエッセイなどのフォーマルな英語の文章を書くときには、なるべくwhetherを使うようお勧めします。

(注2)Tell me why you did it. のwhyが疑問詞か関係副詞かを区別するのは主としてコンテクスト(前後関係)によります。これを発音する場合には区別することが可能です。すなわち疑問詞ではそれに第1強勢を置き、関係副詞では疑問詞よりも弱い第2強勢(または第3強勢)を置きます。しかし書かれたものではその区別はできませんので、コンテクストから判断します。このことはwhyだけでなく、what, who, when, whereなど、他の関係代名詞・関係副詞についても同様です。