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(1)例年の通り、視聴率では31日のNHK の「紅白歌合戦」が強かったようですが、最近は視聴者の好みも変化していて、「歌番組を4時間近くも視聴する人が減少傾向にある」とのコメントも耳にしました。NHKは今後はそうした傾向に対応する番組を考える必要があるでしょう。それにしても、NHK に対抗すべき民放の番組は、勝れたものが少な過ぎると思います。

(2)私は、元英語教師の習性で、若い人たちの歌う、ほとんど無意味な英語の挿入された歌詞には強い違和感を覚えました。語法として部分的に正しい英語でも、日本語に無い“r”と“l”や、“th”の発音まで正確に出来るできる日本人歌手は、ほとんど居ないように思えました。私は、5日の早朝に、江利チエミ、雪村いづみ等の歌を聞きました(NHKラジオ深夜便)が、彼女たちは、英語の発音もかなり正確に歌っているように思えました。

(3)日頃のコマーシャルの中には、「ただ聞き流していれば、英語を話せるようになります」と宣伝しているものがありますが、多くの日本人にとって、それは不可能なように感じます。では日本の中学や高校で、「日本語に無い英語の音を正確に教えて、効果を上げているのか?」と問われれば、私も躊躇せざるを得ません。英語の音に“聞き慣れる”ことは大切です。それと、“正しく発音出来る”ことは別物と考えるべきだと思います。

(4)英語教育の目標を「英語を話せるようになることだけではなく、広い意味の“教養”も含む」とする立場からは、文科省が示してしている“5つの提言”(インターネットで読むことが出来ます)には、賛成出来ないのです。英語を“国際共通語”と位置付けて、「今度の東京五輪・パラリンピックのために話せる英語力をつけるべきだ」といった趣旨の提言だからです。

(5)英語教育の効果は、”英語を話せる”ことだけで判断すべきではないとすれば、(英語)教員養成大学や学部における指導内容や指導教員を総入れ替えしなければならないでしょう。ずいぶんと時間を要する大問題です。“話せる英語教育”を優先的に特別扱いにしている地域もあるようですが、本当に効果が上がっていることを実証出来るのか、甚だ疑問に思います。その生徒たちの追跡調査を長年にわたってする必要があるからです。

(6)“話す英語”に関しては、私は昨年末にノーベル平和賞を受賞したパキスタンの“マララさん”(長い名前なので略称です)の英語に感心しました。易しい単語で、しかも説得力のある英語だと感じたからです。やたらと単語の棒暗記を強いる日本の受験指導では、“易しい英語で長く話す力”はとてもつかないでしょう。

(7)そこで思い出したのですが、私は昭和27年にある県立高校の英語教師になり、英語指導は1年生の担当でした。ある日、3年生の男子生徒がやって来て、「英語のスピーチ・コンテストに参加したい」と私に言ったのです。担当の先生には、「君には無理だ」と言われたとのこと。先輩の先生方を差し置いて、新米教員の私が指導することには、ためらいを感じましたが、その生徒の熱意に負けて、原稿を読ませてもらいました。

(7)今では、その原稿も手元にはありませんが、記憶に残っている最初の部分は次のようになっていました。タイトルは「健康は富に勝る」というものでした。
“Most of us know that health is more important than anything else. However, very few of us know how to keep us healthy. We often eat too much. We often sleep too long, especially on Sundays.
We must realize that it is very important for us to eat regularly, to get up regularly, to take exercise regularly. These are not easy for many of us, and yet, they are worthwhile. 以下略)
この生徒は入賞はしませんでしたが、「主張したいことは良く分かる。あとは聴衆に話しかける時のジェスチャーをもう少し勉強しなさい」といった趣旨のコメントを貰ったとのことでした。易しい英語で、言いたいことを話したり書いたりする訓練は可能だと思いました。

(8)訂正とお詫び;前回のこのブログで、私は2つの間違いをしていました。ブログ仲間の松山 薫さんから指摘されたことですが、(1)「安倍内閣が閣議決定をした数百兆円の補正予算」と書きましたが、この金額は計算ミスでした。(2)「閣議決定をした」も間違いで、“予算”については、国会の審議を経る必要があります。「安倍内閣は重要なことでも、閣議決定で決めてしまう」という私の先入観が邪魔して、間違った書き方をしてしまいました。“予算”である以上、国会の審議を経るべきものでした。
 読者の皆様にお詫びして、以上の点を訂正させて頂きます。(この回終り)