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「スポーツ番組」
(1)スポーツは人によって好き嫌いがはっきりしていますから、一般論を述べることは難しいことを承知の上で試みてみます。昨年まで、テレビのスポーツニュースでは、よく「楽天」の野村監督の“ぼやき”を放送していました。スポーツ嫌いの人でも見たことがあるのではないでしょうか。テレビの取り上げ方は断片的で、繰り返しが多いですから、あの監督は文句ばかり言っていると思う人が多かったようです。

(2)野村克也氏は、『あぁ、監督』(副題省略)(角川書店)という本を昨年2月に出版しましたが、なかなか立派な内容です。重要なポイントの一部は、毎日新聞(10月23日)の「余禄」に紹介されていました。野村監督が選手を動かす手法を6通り示していて、それは、① 恐怖で動かす ② 強制して動かす ③ 理解して動かす ④ 情感で動かす ⑤ 報酬で動かす ⑥ 自主的に動かす となっています。

(3)教員が「生徒を動かす」という点にも共通点があると思います。「恐怖で動かす」というのは、「単位をやらんぞ」とか「いい大学に入れないぞ」と言うのに、「報酬で動かす」は「生徒を褒めること」に当たるでしょう。「理解して動かす」とか「自主的に動かす」が一番望ましいと思いますが、実践は易しくはありません。

(4)スポーツと言えば、「フェアプレイ精神の象徴」のように昔から言われたものです。英語で “to play cricket” (クリケットをする)は、「公明正大にふるまう」という意味があることはよく知られています。ところが、大相撲の野球賭博のような事件があると、その信頼感が消えてしまいます。プロ野球選手は相撲賭博をやっているのではないかと勘繰りたくなります。

(5)そういう大きな事件でなくても、シンクロナイズド・スイミングとか、フィギュアスケートのような、審査員が主観で判断するような競技では、その採点方法が問題になることがあります。しかし、考えてみれば、スポーツにおける審判の判断は、どんな競技でも微妙な問題がついて廻ります。女子プロレスが普通のテレビ中継から姿を消したのも、余りにも不公平なレフェリーの存在にファンが反感を持ったためだと私は考えています。ファンの気持ちを軽視するような演出は自らの身を滅ぼすわけです。

(6)10年ほど前までは、小中学生の男子は、野球選手やサッカー選手になることを夢とする傾向が強かったのですが、最近は、ある調査によると「食べ物屋さんになりたい」というのが、男女とも上位にあるとのことです。これは「グルメ番組」の横行の影響と私は判断しています。次回は、この「見えざるテレビの影響力」について考えたいと思います。(この回終り)