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「公共放送」を考える
(1)「公共放送」と言えば、NHK のことだと普通の日本人は考えるでしょう。しかし、NHK は無料ではなく、受信料を徴収しています。その予算・決算は、議会の承認を得ることになっていて、総額は、数千億円になりますから、ちょっとびっくりです。年度末や年度初めには審議の様子がNHK のラジオで深夜に放送されますが、国会の審議と同じで、議席の多い政党は十分な時間が与えられますから、だらだらとつまらない質問をしたり、嫌がらせみたいなことを言ったりして NHK をいじめています。

(2)以前にも言及しましたが、TBS 系の平日午後10 時からのラジオ番組に“Dig”というのがあります。タイトル通り、特定の話題を“掘り下げる”番組で、結構聞かせますが、この番組の目的を定義しているのは、なぜかネイティブ・スピーカーによる英語です。やはり、英語のほうが“かっこいい”という意識が制作者にあるのでしょう。それはともかく、昨年の暮れでしたか、「公共放送の在り方」をテーマにしていろいろな角度から、リスナーの質問や意見を加えて、“掘り下げて”いました。欧米の状況や、韓国、中国の実体なども紹介していて、とても勉強になりました。

(3)私は一定の条件の下で、公共放送というものはあるべきだと考えています。その理由は、スポンサーや視聴率ばかりを優先させる現在の民放の番組を考えてみたらすぐに分かると思います。この点は、NHK も例外ではない場合がありますが、北朝鮮や中国のように、国家権力が放送内容を左右できる“国有放送”では困ります。NHK がこんなに膨大な予算を持っているなら、民放はとても太刀打ちできません。しかも、NHK には視聴の困難な条件を改善するというような使命がありますから、部分的に税金も投入されているようです。ですから、私たちはその予算の使途にもっと関心を持つべきでしょう。

(4)最近はNHK の会長問題が話題になりましたが、その裏話などは週刊誌に任せたいと思います。私が気になるのは、会長決定の前から、「受信料を 10%下げる」という話があったことです。それが出来るなら有難いことですが、受信料は 100%徴収されているとは思えませんので、それを達成することが先だと私は考えます。それができないのなら、制度の抜本的な改革を考えるべきでしょう。罰則がないからといって、不払い者が得をするのは不公平です。

(5)私が考える“公共放送”は、「全額を税金で賄う方式」です。そうなると、政治権力の介入を招きやすいですから、監督機関は、時の政府と関係のないものにすべきです。ただし、そういう機関を作ることは容易ではないでしょう。今でも、政府や役所関係の委員会や審議会は、何らかのコネのあるメンバーが選ばれて、政府や役所の意向に沿うような結論を出すようになっていることが多いからです。前途多難です。しかし、報道の自由と中立性が守られないと国は滅びると言っても過言ではないと思います。(この回終り)