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「テレビは“あわただしい”」ということ
(1)テレビ番組、特に民放のものの多くは、“あわただしい”感じが強くて、見ていて落ち着きません。そういうものが好きだという人もいるでしょうが、少なくとも年配者向きではありません。そして、テレビ制作に関わっている人たちは、大変に忙しい思いをしていると思います。まだ主要なポストには男性が多いでしょうが、家庭(妻や子ども)を犠牲にしているのではないでしょうか。私の邪推であればよいのですが。

(2)1つには、発言者を集め過ぎるということがあります。時間が限られているので、最後の方は駆け足になりがちです。もう1つは、制作関係者には、常に動く映像を画面に流していないといけない、といった強迫観念のようなものがある気がします。それで、音声のない“動画”を流し、発言者の顔は小さく画面の隅に出すようなことをします。この小さな画面(円や四角形または多角形の窓)を業界用語では、“ワイプ(wipe)”と呼ぶようですが、私は大きさが逆だと思うのです。ある発言を聞くときには、その人の顔を見たいというのは自然な欲求ですから、発言者の顔をはっきり見せるべきです。

(3)そうかと思うと、2月24日の夜には、日本テレビには、「つるべの超ゆるーい会議」という4時間番組がありました。題名はのんびりとしていますが、これもタレントを多数集めたもので、内容は希薄でした。笑福亭鶴瓶の提示する疑問は、「なぜ緑の信号を青信号と言うのか」とか「日本人はなぜ英語ができないのか」といった日本文化や国民性に関係がある興味深い主題なのですから、その回答や解説は、もっとテキパキと示してくれたほうが印象に残りやすかったと思います。

「倫理感の欠けた番組」のこと
(1)とにかくテレビは「面白おかしくしよう」という意図だけが露骨です。タレントの“杉田かおる”などは、もう怖いものがいない年齢なのか、プロデューサーに、“ああ言え、こう言え”と指示されたと平気でしゃべっています。つまり自然に見える発言も、すべて演出されているのです。日本テレビには、長寿番組の1つに“笑点”があります。1966(昭和41)年開始で、人気もあります。しかし、だいぶ昔ですが、回答のリハーサルをしている暴露番組をやっていました。つまりその場で即答しているように見えますが、すべて予行してあるわけです。

(2)テレビ朝日の“お試しかっ!”という番組では、タレントたちに、ある食べ物の人気順位を当てるまでその食品を無理に完食させるのです。アフリカの各地や、まだ地震の災害に苦しむハイチなどでは、食料不足で、大勢の子どもたちが死んでいるという報道の直後にこういう“無駄な大食い”の番組を流すのですから、その無神経さには腹が立ちます。

(3)ただし、日曜日の朝にやっている“がっちりマンデー”は、会社や役所の裏を見せながら、(企業秘密で見せてくれないところもありますが)知らないことを教えてくれ、“月曜から自分に役立てろ”という番組です。司会の加藤浩次は悪声ですが、適度の突っ込みなどは好感を持てます。こういう長所は伸ばしてほしいものです。(この回終り)