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「日曜日の番組」のこと
(1)日曜日の番組については、以前にも対象にしたものがありますから、今回はそれ以外の番組を考えてみます。まず朝早くから始まるのは、フジテレビの「はやく起きた朝は…」です。出演者は、松居直美・森尾由美・磯野貴理の3名です。この番組は放送時間帯が変わることが多く、「おそく起きた朝は…」というタイトルの時もありました。それでも人気があるのは、3人が、かなり率直に本音を語るからでしょう。

(2)もっとも、磯野貴理は、作り話がうまく、別の番組で島田伸介には「貴理の話は“うそ”だ」とばらされたことがあります。タレントとしては、自己顕示欲が強く、実害のない“うそ”をついてでも、目立とうとするくらいでないと生き残れないのかも知れません。『佐賀のがばいばあちゃん』で2度目のブームを巻き起こした島田洋七などもその一人です。「面白おかしければいい」というテレビはそういうタレントに飛びつくわけです。

(3)しかし、映画にもなった「がばいばあちゃん」の話は、きらりと光る人生の教えがちりばめてあって、多くの人の共感を呼んでいます。家の都合で祖母に預けられた洋七が、貧乏生活の中で、年寄りの知恵に守られながら成長した経緯がわかります。「ばあちゃん、お腹すいたよー」と言う洋七に、「今食べてもお腹はまたすくよ」と言う祖母の言葉には、貧乏の苦労と愛情が感じられます。

(4)「はやくおきた朝は…」に戻りますが、森尾由美は夫が滞米中なので、カリフォルニアと日本を行き来していますから、アメリカの学校に通う子どもたちから教えられる日米の習慣の違いなどの話は新鮮味があります。松居直美は、離婚して以来育ててきた中学3年生になる男の子に苦労しているようですが、時にほのぼのとするような経験談も披露して、彼女が“歌まねの女王”であるばかりではなく、人生勉強もかなりしていることがわかります。苦境にあっても明るく生きられる力というものは、どこから生じるものなのでしょうか。自殺者が三万人を越えて、社会問題化している今、真剣に考えるべき問題だと思います。

(5)3月6日の夜は、NHKは「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」という番組の第4回目(最終回)を放送していました。そのタイトルは「開戦・リーダーたちの迷走」です。軍部のかなりの人たちは、米国と戦争することは無謀だと知っていたようですが、当時の近衛首相の優柔不断な態度が、指導者たちの混迷を招き、遂には開戦に突入してしまったわけです。今日の政局とよく似ている場面だと私は思いました。「犠牲者を出してしまうと後に引けなくなる」という指摘も大事です。開戦前は「ここで米国に譲歩して中国から撤退したら、命を捧げた兵士たちに申し訳ない」という軍部の気持ちが開戦に向かわせたというわけです。今のアメリカもそういう状況でしょう。

(6)前回のブログで、私は「倫理感」という表現をしましたので、これは、「倫理観」ではないかとのご指摘を受けました。その通りですが、私は、意図的に「感」を使いました。例えば、「道徳観」というのは、「道徳についての系統だった考え方」を表しますが、「道徳感」は「こうしてはいけないと感じる力」くらいの意味に使った“私的な造語”です。番組関係者には、その程度の認識はあるであろうという思いで使いましたが、あまりするべきことではありません。(この回終り)