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英語文法の学習(7)

Author: 土屋澄男

今回は副詞句・副詞節を取り上げます。形容詞が名詞を修飾するのに対して、「副詞は動詞・形容詞・他の副詞を修飾する」と記憶している人は多いでしょう。それ以外に、「副詞は文または節全体を修飾することがある」ということも覚えているかもしれません。そういう議論はいかにも文法くさくていやだ、とおっしゃる方もあるかもしれません。たしかに、こういう知識は文法好きな人の言うことで、一般の人々が言葉を使う時にそんなことを意識しているわけではないし、そんなことを気にしていたら言葉は使えないよ、と言いたくなる方もおられるでしょう。そこで、ここではそういう議論はさておいて、副詞句や副詞節というのはどういう場合に必要になるか、ということから始めたいと思います。これならば、文法アレルギーの方も参加していただけるのではないかと思うからです。

 私たちは、「何かが起こった」とか「誰かが何かをした」という情報を聞き出すとき、その情報をめぐって、いつ?どこで?どんなふうに?なぜ?なんのために?など、いろいろなことを知りたくなるものです。英語ではwhen? where? how? why? for what? などの問いになります。そしてこれらの問いに短く答えようとすると、回答の多くに副詞句または副詞節を使うことになります。いくつか例を見てみましょう。少し難しい語彙が含まれていますが、筆者の手許にある雑誌TIME の特集号(May 20) “THE END OF BIN LADEN” から情報を借用することにします。

(1) When was Osama bin Laden born? —–In 1957. (2) Where was he born? —–In the city of Riyadh, Saudi Arabia. (3) Where is Riyadh in Saudi Arabia? ——In the eastern central part about 235 miles from the Persian Gulf. (4) Where did he study when he was young? —–At King Abdel Aziz University in Jidda, a port city on the Red Sea. (5) How did he become a terrorist? —–It is said that when at the university he was very much influenced by a fiery Islamic-studies lecturer, Abdullah Azzam. (6) How was he linked to the hijacked airplanes crash into the World Trade Center towers of New York on September 11, 2001? —– It’s not certain, but bin Laden released a videotape in 2004 in which he acknowledged al-Qaeda’s involvement in the 9/11 attacks. (7) Why did he do such horrible things? —– Many Americans believe that one of the reasons was because he wanted the U.S. to withdraw its forces from the Middle East. (8) When and where was he killed? —–In Abbottabad, Pakistan on May 1.

上の例で見るように、一般にwhen? やwhere? の問いに対する答えは比較的に簡単です。時や場所を表す副詞句や前置詞句、または副詞節で答えることができます。これに対して、how? やwhy? の問いに対する答えは複雑です。これは日本語での問答でもそうでしょう。上記のビン・ラディンについての問答でも、相当に考えなければ答えは出てきません。彼がなぜあのような恐ろしいテロをする人間になったのか、彼にどれだけの実行責任があったのかは、彼が殺されてしまった今となってはよく分かりません。アメリカ政府は、むしろ、その真実を明らかにする手間と煩わしさを省くために殺してしまったのではないかとも思われます。

 そういうわけで、副詞句や副詞節は文の中の機能としては修飾語句ですが、内容的には決してお飾りなどではなく、非常に大きな情報を担っていることが多いのです。誰かと内容的に深いレベルの話し合いをしようとすれば、how? やwhy? の問いに真剣に立ち向かう必要があります。ここでそのような例として、聖書(旧約)の最初のセンテンスを取り上げましょう。これは皆さんご存じの有名な言葉で、本当は原典のヘブライ語で書きたいのですが、このワープロにはヘブライ語がインストールされていませんので英語にします。

In the beginning God created the heavens and the earth. (Revised Standard Version)

この一文が世界史に与えた影響は計り知れないものがあります。近代科学の発展は、この一文に込められたナゾ——宇宙は誰によって、いつ、どのように、どのような目的で創られたのか——を解くために人知を集めてきたと言えるのではないでしょうか。そのナゾは、一時はブラックホール理論によって解けそうに思えたこともありましたが、最近になってさらにナゾが増えたために、解決の見通しはまったく立っていないようです。(To be continued.)