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「島田紳助引退問題」で学ぶべきこと
(1)テレビ番組のことを論じる以上は、この問題は避けて通れないでしょう。私は、彼の出演する番組を結構見てきましたし、脚本から演出までやり、しかも自ら出演してのパフォーマンスもずいぶん見てきました。前回の「私のテレビ批評」で、テレビ制作関係者は、「平気でうそをつくことが身についてしまうようだ」と私は指摘しました。したがって、島田紳助の引退会見を聞いていても、「うそがあるのではないか」と疑念を持ちました。

(2)1つには、人間は何かやましい気持があると、口数が多くなるのが普通です。紳助もしゃべり過ぎました。枝野官房長官の記者会見にもそういう傾向が見られます。何かもっと知っているのに隠している感じがするのです。菅総理がはっきり言わないので、不満ながら、首相の言うべきことをカバーしているのでしょう。そういえば、民主党の総裁選に立候補した5人は、用意した原稿を読むのではなく、自分の言葉でものを言う感じがしました。「誰が総裁になっても菅よりはまし」という下馬評が妙に納得できました。

(3)島田紳助は、暴力団関係者とは付き合いはない、と強調していましたが、それが“うそ”であることは、警察側からばらされてしまいました。これまでも、芸能人などの麻薬との関係はよく問題にされました。カメラの前や、舞台の上で演技をするというのは相当にストレスになるもので、そういう人たちには喫煙者が多いようです。煙草くらいですめばいいですが、次第にもっと強い誘惑に負けてしまうことがあるのでしょう。

(4)もう1つ視聴者として知っておくべきことは、テレビ出演者のギャラ(出演料)はかなり高額だということです。推測も含みますが、民放の番組には芸能人たちのギャラの額をバラす意図のものがあって、ちょっと売れだすと30万円の家賃を毎月払っている者もいるようです。もちろん、出演者によって大きな差がありますが、前に紹介いした「ゴチになります」という番組では、最下位になると、全員の食事代を20万から30万円くらい自腹で支払う罰をうけます。しかし、出演者によっては、もらうギャラのごく一部でしょう。コマーシャルの出演料などは、1回で数千万円という話もあります。

(5)したがって、島田紳助くらいになると莫大な収入があるはずです。所属している吉本興業は、ケチで有名な事務所ですが、それでも大物には破格の待遇をするでしょう。映画全盛の頃は、俳優たちは世間の人たちから垂涎の的とされるような高収入を得てきました。ハリウッドで有名な俳優たちの豪邸は、日本のテレビでもよく紹介されます。そういう現象が銀幕に限られていた時代はともかく、テレビは庶民に身近なものだけに、今回の“事件”は影響が大きいのだと思います。テレビの視聴者は、与えられた番組を受身的に受け入れるのではなく、日頃から批判的な目で見張っているべきだ、というのが、今回私が学んだ教訓です。
なお前回のトーク番組の話で、お昼の NHK の番組を“お元気ですか日本列島”としましたが、午後1時からの“スタジオパーク”でした。お詫びして訂正いたします。(この項終わり)