Print This Post Print This Post

“クイズ番組”を考察する
(1)高校生にとても人気があるのは、毎年夏休みに行われる「全国高等学校高校生クイズ選手権」(日本テレビ系)のようです。「アメリカへ行きたいか?」という司会のアナウンサーの掛け声に、大勢の高校生が「おー」と大声で応じるのです。今年(2011)の問題の1つは、「金星にある2番目に高い山の名前は?」というものでした。こんな問題に答えられる高校生が何人かいるのですね。私が高校生だったら、「そんなこと覚えて何になるのだ」と抵抗すると思います。

(2)金星について学ぶならば、「なぜ金星は“明けの明星”とか、“宵の明星”と呼ばれるのでしょう」といった問いに答えられるようにしたいと思います。ある若い知人にそう言ったら、「理科的なことはダメで、文学的なことは良いとは言えない」と反論されました。私は、理科か文学か、といった問題ではなくて、日常生活で使われることの多い言葉とか表現を知ることが高校生には大切だと思ったのです。それが“教養”であり、日常のコミュニケーションを円滑にさせる“潤滑油”の役目を果たすからです。

(3)“クイズ番組”は各局にいくつかあります。“Q様”(テレビ朝日系)は問題によっては程度が高過ぎますし(漢字の意味など)、“ペケポン”や“ネプリーグ”(フジテレビ系)は、ゲストによってレベルが大きく変わります。10月の新番組編成で消えましたが、私は「平成教育委員会」(フジテレビ系)をよく見ました。私立中学の入試問題を基準にしていたので、問題の意図やレベルが分かりやすかったからです。中にはおかしな出題もありましたが、日本では、“お受験”なんていう変な言い方があるように、受験制度そのものがおかしいのだと思います。

(4)「教科書にのせたい!」(TBS系)は、クイズ形式ではありませんが、お笑いの“ウッチャンナンチャン”などが、わりと真面目に司会をしている教育番組です。先日のテーマは「比較をすると分かりやすい」ということで、東京の日比谷公園にエジプトのピラミッドがあったらこうなります、ということで、CG 画面を提示して、その高さを東京タワーと比べやすくしていました。これなどは教室でも応用出来る教材になるでしょう。時には極端過ぎる例があるのは他の番組と共通です。

(6)TBS と言えば、“日立”が提供している「世界ふしぎ発見!」がよく知られた長寿番組ですが、1時間の中で3回出題があって、そううちの1回は選択肢問題です。常連の回答者には黒柳徹子や坂東英二などがいます。やらせでなければ、黒柳徹子の正答率は驚異的なものです。記述式の答は私などほとんど答えられません。。

(7)この番組で感心するのは、“ミステリーハンター”と呼ばれるレポーター役の女性のことです。特定の事務所などからの推薦で選ばれるようですが、未開の奥地へ行って、そこの住民に歓迎されると、得体の知れない飲み物や食べ物を口にしなければならないのです。ある時は嫌がりながらも、蛾の幼虫のような青虫をそのまま食べていました。その勇気には脱帽です。

(8)視聴者でも、クイズ番組を4週間くらい続けて見ていれば、同じような問題が繰り返されるので、正答率が高くなります。しかし、その答を覚えてもすぐに忘れてしまうのが普通です。つまり“点的情報”で、“線的情報”ではないからです。クイズの答に限らす、“テレビからの情報は自分で想像力を働かせて積極的に処理しないとい意味がない”ということです。(この回終り)