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“どれが本番だ?”という問題
(1)TBS のラジオで平日の朝6時半からキャスターもしている元 NHK の森本毅郎氏が、正月明けの第1声で、「年末年始のテレビはつまらないね」と言ったので、わが意を得た感じになりました。森本氏は、“言葉の使い方が薄っぺらだ”と言うのです。“何でも「絆」と言えばそれで終わりだ。言葉というものはそんなものではないだろう”とも述べていました。私は全く同感です。なお森本キャスターは、テレビでは TBS の“噂の東京マガジン”で、種々の社会問題に冷静な判断をすると定評があります。

(2)年が明けてからの番組も、例によって小出しにしながら、視聴者の興味を引っ張って(と制作者が勝手に思うだけでしょうが)、“本番は、今週木曜日の夜9時から”などとなるのです。そうでなくても、“結果”を長く引っ張る番組が多いのです。典型的な悪い例は、日本テレビの“芸能界特技王決定戦”でした。1月7日(土)の夜9時から3時間かけての放送でしたが、その種目は、“ピアノ演奏・剣道・アームレスリング・けん玉”といった妙な組み合わせでした。

(3)お笑いの芸能人が、漫才やコントばかりではなく、単なる趣味を越えた“特技”を持っていて、その技を競うというのなら、それなりの意義があることだと思います。しかし、こんなに種類の違う競技を、ちょっと見せてはコマーシャルを挟み、試合結果を引き延ばしながら、他の対戦を加えてだらだらと続ける“演出”にはうんざりしました。民放ではコマーシャルが入るのは止むを得ませんが、視聴者をいらいらさせるような方法でコマーシャルを挟むのは、出来るだけ避けて欲しいものです。コマーシャルそのものも嫌われるでしょう。

(4)“演出”と言えば、NHK の“朝のテレビ小説”は、暗い戦時中の場面が終わって戦後の復興期になりました。いよいよ主人公糸子が本領を発揮する場面ですが、私が気になるのは、“ナレーション”を主人公の糸子にやらせていることです。主演の俳優は、書かれた脚本の内容をいかに演技で見物人に分からせるかが問われているのです。それなのに、この“テレビ小説”の場合は、主演の女優が自分の気持ちをしゃべってしまうのですから、なんともしっくりしません。

(5)話題は変わりますが、吉本興業が「そろそろ島田紳助を復帰させたい」と言っているとの報道が流れました。私は反対です。あれほど堂々とテレビ画面に向かってウソをつき、正式な謝罪もしないタレントを復帰させようとは、虫が良すぎると思います。視聴率の稼げるタレントだけを使い回して、必要な人材を育てようとしない姿勢は決して褒められたものではありません。プロ野球で、他球団から金に飽かして選手を集める某球団のやり方と似ています。結果はファンからも見放されてしまうことになります。(この回終り)