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まず学習計画の自己評価から見てみましょう。学習計画には、長期的な計画から今から取りかかろうとしているタスクの計画に至るまで、さまざまなレベルの計画が考えられます。それらすべてを羅列すると長大なリストになります。そのようなリストは研究者にとっては必要でしょうが、学習者にとっては必ずしも役に立つとは思われません。むしろあまりにも煩雑で、自己評価など自分にはとてもできそうにないと感じることでしょう。学習計画には下記のような長期的、中期的、短期的の3つくらいあることを頭に留めておけば充分でしょう。その中で常に頭に置いておくべきものは短期計画です。

長期計画:自分が将来どんな英語力を身につけたいかという長期的展望に立って英語学習を計画することです。これから英語の学習を始めようとする小学生や中学生では、そこまでは展望できないかもしれません。英語を学び始めてしだいに英語の学習が楽しくなり、将来は英語を本格的に勉強したいとか、英語を身近な言語として使用するような職業につきたいという願望が生じたときに、そのような長期計画を構想する必要が生じるでしょう。就職や進学を控えた高校生や大学生にとっては、これは真剣に検討すべき課題になるはずです。

中期計画:中学生ならば中学卒業までに、高校生ならば高校卒業までに、大学生ならば大学卒業までに、どの程度の英語を身につけるべきかという目標を頭に描き、その目標に達するためにどんな学習をなすべきかを計画するわけです。計画を具体化する場合には、3年または4年分の計画を詳細に作成する必要はなく、各学年の初めに1年分の計画を立てるのがよいでしょう。筆者の経験から、人は自分自身の将来について、1年くらいの計画ならば無理なく具体的にイメージできるように思います。年間計画を頭に描くことができたら、次にそれを学期またはシーズンごと、月ごとの計画へと分割し、いつも目に見えるところに書いて貼っておくとよいでしょう。

短期計画:これは現在取りかかっている学習課題(タスク)をいかにして遂行するかの計画です。タスクにはいろいろなものが考えられるので、一概にこのような計画がよいと一般化することは難しい。中学生や高校生の場合には、学校で使っている教科書の1レッスンまたは1単元をどのように学習するかについての準備と計画づくりということになります。あるいは、進学塾や英会話スクールでの授業も含めて、今週1週間の英語学習計画というのでもよいでしょう。現在多くの中学生や高校生が学校での授業以外に進学塾や英会話スクールなどで英語を学んでいますが、それらの授業を自分自身の心の中で統合しようとする意識がないと、インプットされた知識が互いに無関係にばらばらに脳の中に点在することになり、いざ使う時に有効に利用されない危険があるます。どこで学ぼうと、英語の知識と技能は1つのものとして統合されることが重要であり、そうするには学習者の意識が大きく関係します。そういう意味で、週ごとに学んだものを思い返して意識的に整理をしておくことが大切です。

 さて、これから取り組もうとしている学習課題について計画を立てるには、自分の現在の英語力を適切に評価しておく必要があります。英語学習を始めて間もない中学生ではその必要はないでしょうが、高校生、大学生、また学校をすでに卒業している再学習者の場合には、これは非常に重要なことです。では、どのようにして自分の英語力を評価したらよいでしょうか。まず自分の全体的英語力がどのあたりの位置にあるかを知るために、学校の成績や、英検などの外部テストの結果を参考にします。それらを総合的に見て、高校修了時までに期待されている英語力(つまり「基礎レベル」の英語力)に自分が到達しているかどうかを判断するわけです。

 たまたま先週末(1月14日、15日)に大学入試センター試験が全国一斉に行なわれました。この中の一つの試験科目である英語を、高校までの基礎的英語力を判定するのに利用するというのはどうでしょうか。この試験には国立大学だけでなく私立大学の大部分も参加しており、英語の受験者数は50万人を超えています。これだけの規模で行なわれる一斉試験は日本では他にありません。この試験を利用すれば、受験生だけでなく一般の学習者も、自分の英語力がおよそどの辺にあるかを知ることができます。ここで出題される問題は高校卒業までに学習すべき事柄に限定されていますので、高校までの教科内容を充分に学習した人は満点に近い点が取れるようになっています。過去の試験結果については平均点や標準偏差が公表されていますので、それによって自分の相対的位置を知ることもできます。ただし、このテストはリスニングとリーディングが主体で、スピーキングとライティングは含まれていませんので、これによって判定できるのは高校卒業時に期待されている英語力のすべてではないことに注意する必要があります。(To be continued.)