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“演出とはなんだ?”という話
(1)“演出”の意味は国語辞典の言い方を借りれば、「脚本に基づく芝居やテレビの場面をいっそう効果的にするための工夫(俳優のしぐさ、照明、音楽など)」と私は理解しています。しかし、私はNHK の朝のテレビ小説「梅ちゃん先生」の演出には大きな疑問を感じるのです。その前の「カーネーション」でも、「ヒロインの糸子にナレーションをさせるのはおかしい」と批判したことがあります。

(2)私は最初「梅ちゃん先生」というタイトルを見た時は、小学校の先生の話かと思いました。実際は、第2次大戦戦直後に医者になることを目指している若いヒロインの話です。しかし、医者になるということは予告で分かっているのです。直情径行なこのヒロインは、医専を受験しても合格発表では自分の受験番号を見落としたり、入学してからは再試験の途中で試験場を飛び出したりといった行動をします。視聴者をハラハラさせるつもりでしょうが、結論がわかっていますからどうもピンときません。

(3)つまり、このドラマの演出は、ミステリー小説の種明かしを最初に書いてあるようなもので、興味が半減するのです。極めて有名な偉人、例えば野口英世のような場合は別です。彼が幼児の時にいろりに落ちて大やけどをしたり、遠く海外で勉強しながら、故郷の母を思ったりする姿などは、その後のことが分かっていても、視聴者に感動を与えます。そういう場合と、作り話(創作)の場合を混同しているように感じます。

(4)民放のテレビ画面でも、コメンテーターの話を聞く場面で、いつも背景に同じ動画を繰り返します。いかにデジタル化で編集がしやすいからといって、発言者の顔を小さくして、邪魔になる動画面を何回も背後で繰り返す“演出”は、私には理解できません。テレビ関係者には“演出”の意味が全く分かっていないと思わざるを得ないのです。しかも、司会者となると、みの・もんた、さんま、ビートたけしなど4,5名のたらい回しです。

(5)ところで、日本では入学、卒業などの演出には、“桜の花”がついて廻ります。しかも、その歴史も短くありませんから、九月の新年度開始には、学校関係者ばかりでなく、企業の関係者にも賛否両論があるようです。現在のところは反対論が強いように私は感じています。そこで、かなり視点を変えて、この問題は考えてみる必要があると思うのです。

(6)現在は、10月から、企業の求人が正式に始まりますから、卒業を半年後に控えている学生、生徒は就職活動に専念します。不景気の時には就職はとても難しく、何回も受験しなければなりません。つまり、卒業までの半年間はほとんど勉強などしないし、出来ないのです。それでも、4月新年度開始にこだわっていてよいのでしょうか。しかも、ある報道によると、せっかく就職した新人たちも半年以内に辞めてしまう率が高いとのことです。

(7)それならば、3月での卒業を一応認めておいて、あとの半年は社会人としての仕事の実習を義務づけて、いろいろな商売を経験してから正式に受験する機会を与えるということを考えてはどうでしょうか。とにかく若者世代の行動や考え方の変動が激しい時代ですから、文化とか伝統とかばかり考えるのではなく、柔軟性のある対応を実践する以外にないであろうと私は思います。(この回終り)