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“頼む人と頼まれる人”の考え方とは?
(1)“「人」という文字が互いに支え合っているように、「人間はお互いに頼り合って生きるのが人生だ」といった話はよく知られていますが、“それも時と場合によってでしょう”というのが今回の話です。

(2)日本の政界では、組閣が終わると、首相は「適材適所に有能な人材を配した」のようなことをよく口にしたものです。野田首相も例外ではありませんでした。ところが、“最も不適切な人材を選んだ”と言われても仕方がないお粗末さでした。組閣以外でも、鳩山元首相に“最高顧問”を頼むのはやむを得ないとしても、どうして“顧問”がさっさと外国へ出かけて、勝手な発言をするのを止められないのでしょうか。とても不思議です。

(3)どこの国でも、“元首脳”が来れば、“現首脳”並みの扱いをするのが外交的慣例でしょう。したがって、元首脳も発言には慎重でなければならないはずです。国外ばかりではありません。沖縄の問題でも大きな失敗をした鳩山氏が、沖縄県民に謝るためとは言え、今さら出向いて行くのを野田首相はどうして止めなかったのでしょうか。謝るならば、まず野田首相が行くべきでした。行くことは行きましたが、沖縄返還40周年の記念式典にかこつけての訪問でした。その時の記者会見は、どうも言い訳めいたもので、残された課題は山ほどあるのですが、具体的な言及はありませんでした。

(4)2012年5月20日朝の「時事放談」(TBS系、6時~6時45分)では、仙石由人政調会長代行と武村正義氏(だいぶ昔の細川内閣の官房長官)の二人が出演していました。仙石氏は、“陰の実力者”と言われている人物ですが、小沢氏のように暗い感じはなく、「なぜ消費税を上げなければならないか」「税制改革と社会保障をなぜ一体化して実施する必要があるのか」といった問題点の趣旨説明は、野田首相よりもよほど説得力があるものでした。民主党は、経験が浅い人材が多いのは確かですが、人材への“頼み方”が下手なのだと思いました。

(5)中国の盲目の人権活動家である陳光誠氏は、5月19日には無事にアメリカへ渡って、ニューヨーク大で、アメリカへの感謝と不正と闘う決意を表明しました。最初は自分だけ国外へ逃れても家族が人質にされることを恐れていましたが、中国は家族同伴で、アメリカへの“留学”を許可したようです。この問題に関する米・中の駆け引きは、外交交渉の見本として日本は見習う必要があるのではないでしょうか。中国は国内ではこの件を一切報じていないようですが、苦々しい思いで認めざるをえなかったのでしょう。アメリカは以前のような国力がないとされていても、“人権”のためには、頼まれたら嫌だとは言わない“したたかさ”がまだあるのだと思いました。「義を見てせざるは勇無きなり」(論語から)という諺がありますが、残念ながら日本の政界では死語になっているようです。

(6)中国にとって、“苦々しい思い”と言えば、北朝鮮が思うように言うことを聞かないことでしょう。聞かないどころか、中国の漁船と船員30数名も拘束して、拘留中に拷問したとも報じられています。船と船員を解放はしたようですが、日・中・米・韓・の足並みの乱れを一番喜んでいるのは北朝鮮ということになるようです。

(7)野田首相は、原子力発電の再開も、東京電力の約10%もの値上げ申請も認める方針のようですが、頼まれたら何でも引き受ける“イエスマン”では、本当に困るのは国民だということを分かって欲しいものです。(この回終り)