Archive for 2月 22nd, 2012

前回に述べたように、英語の文法構造は「語」、「句」、「文」、「談話」の4つのレベルから成っています。以下これらについて順に取り上げます。

 最初の「語」(ワード)については、語彙の説明のところですでに概略述べました。ここではその文法特性について簡単に整理しておきます。すべての語はそれぞれにいくつかの文法特性をもっています。次はその主な項目です。括弧内はhandという語を例にとった場合の記述または例示です。

・品詞(名詞または動詞として用いる)

・語形変化(名詞の複数形hands、動詞の過去形および過去分詞形handed、現在分詞形handing)

・語法(動詞は他動詞なので目的語を必要とする)

・派生語 / 複合語(handful, handy, handiness, etc. / handbag, handball, handbill, handbrake, handgrip, handgun, handicraft, handkerchief, handmade, handout, handsaw, handshake, handwork, handwriting, etc.)

自分の知っているいろいろな語について、それぞれの語の文法特性を整理しておくと役に立ちます。

 次は「句」(フレーズ)です。フレーズは語が集まって、一つの文法的な単位を形成するものです。文の中で担うそれぞれの文法的な役割によって、名詞句、動詞句、形容詞句、副詞句などに分類することができます。次の文(聖書の引用)はいくつのフレーズに分けられるでしょうか。また、それぞれはどんな文法的単位を形成しているでしょうか。

In the days of Herod, King of Judea, there was a priest named Zachariah, of the division of Abijah. (Luke 1:5 Revised Standard Version)

たとえば次のようなフレーズに分けられます。もっと細かく分けることも可能ですが、この文を理解するためにはこれで充分でしょう。

In the days of Herod, / King of Judea, / there was / a priest named Zachariah, / of the division of Abijah.

それぞれのフレーズの文中における機能は次のようです。

・  In the days of Herod 副詞句(時を表す)

・  King of Judea 名詞句(直前の名詞と同格)

・  there was 動詞句(wasはこの文の述語動詞)

・  a priest named Zachariah 名詞句、または名詞句+形容詞句(priestがこの文の主語)

・  of the division of Abijah 形容詞句(直前の名詞句を修飾)

ここで大切なことは、フレーズが語と同じように名詞、動詞、形容詞、副詞の働きをすることです。こうして語が句に組み立てられ、句が文に組み立てられていくわけです。

 次は「文」(センテンス)ですが、その前に「節」(クローズ)という単位を理解する必要があります。クローズはその中に述語動詞を含み、「主語−述語」の構造をもつものです。単一のクローズから成る文を「単文」といいます。andやorやbutなどの接続詞によって2つ以上のクローズが並列的に繋がる文を「重文」、従節(名詞節、形容詞節、副詞節)を中に含む文を「複文」と呼びます。次に少し複雑な文を挙げますので、意味を理解した上で、どんな構造になっているか考えてください。

Now while he was serving as priest before God when his division was on duty, according to the custom of the priesthood, it fell to him by lot to enter the temple of the Lord and burn incense. (Luke 1:8-9 RSV )

 このような文を読んですっと理解することができる人は、英文法の基礎はほぼ出来上がっていると言えます。文中に頻度の低い語incense(香)というのがありますが、他は比較的に頻度の高い語です。たといincenseを知らなくても、文全体の意味理解に決定的な影響はないでしょう。意味が理解できるということは、この文の文法構造を知っているということです。そうでなければ、単語をすべて知っていても意味は取れないでしょう。文法構造を知っているということは、必ずしも文法用語を使って説明できるということではありません。意味のまとまりであるフレーズやクローズを識別することができ、それぞれの文法的な役割(名詞句、動詞句、形容詞句、副詞句 / 名詞節、形容詞節、副詞節)を認識できるということです。そこまで達すれば、自分で自分の文法力を評価することが可能になります。次は「談話」(ディスコース)のレベルに入ります。(To be continued.)