Archive for 3月 28th, 2014

(1)「“2020年の東京五輪”は返上しましょう」などと言うと、第2次大戦中のように、“非国民!”と言われそうですが、まずは私の言い分を読んでください。私は昨年(2013) の10月のブログでも、「東京オリンピックを迎えるもの」という題で、山積する問題点を指摘しました。今回は、もっと積極的に“返上しよう”という提案です。

(2)まず指摘したいのは、直接にオリンピック開催に関係する政治家たちの言動です。使途も返却期限も明確でない五千万円もの借金をして、都知事を辞めることになった猪瀬知事もその一人です。2014年3月には、選挙違反の罪名で略式起訴されました。罰金で済むだろうと言われていますが、五輪担当知事としては不適当な人物だったことは確かです。上には上がいるもので、みんなの党の渡辺代表は使途不明の8億円の借金をしていることが判明して大騒ぎになっています。

(3)都知事選で当選した舛添知事は如才なく振る舞っていますが、かつて自民党を飛び出した経緯もあって、政府与党の支持も万全とは言えないようです。そこへきて、組織委員会委員長になったのが失言で有名な森 元首相とくれば、「この人で大丈夫か」と心配した国民は少なくなかったと思います。案の定、“浅田真央選手は大事なところで転ぶのだよ”などと余計なことを言いました。浅田選手はソチ五輪ではメタルを取れませんでしたが、3月26日から日本で開催の世界選手権では、ショートプログラムで1位となり、3日後のフリーの成績が期待されています。彼女は、“今頃後悔しているのは森 元首相のほうではないでしょうか”とやんわり反論していました。

(4)招致運動としては、多少の誇張は許されるでしょうが、“ウソ”は言うべきではありません。日本文化では「ウソも方便」などと言いますが、日本諺学会会長(日英言語文化学会会長も兼任)である奥津 文夫氏は近著『折々の随想集—日英のことばと文化』の中で、「『嘘つき』は英語では liar と言うが、You are a liar. というのは、かなり強い非難や軽蔑の意を含み、相手の人格の根本にも触れる表現ともなるので、禁句だと心得たほうが良いようである」と述べています。

(5)招致運動の時、安倍首相は、「福島原発の放射能はコントロールされている」という趣旨の“ウソ”の発言をしました。放射能問題はそれから半年後の現在でも解決していません。現場の作業員は、それこそ命がけで働いていることは認めますが、政治家たちの発言は東京電力の幹部たちの発表を受け売りしているだけですから信用出来ないのです。

(6)招致理由の1つには、「東京は世界で最も安全な都市の1つだ」というのがありました。私は、「世界で最も危険な都市の1つだ」と言いたいのです。寒い時期には火災があると必ず死傷者が出ます。電車への飛び込み自殺も多くて、毎日のようにどこかの線で2時間3時間と電車が止まります。自殺者は全体的には減少傾向にあるようですが、東日本大震災の被害者の自殺は増えていると報じられています。被災地の復興も問題山積なのです。

(7)7月のオリンピック期間中に自殺が皆無になるとは思えませんし、台風の襲来は予期せざるを得ないでしょう。首都圏や南海地方の大型地震も話題になっていて、各地域で災害マップが作られ、それに基づいた避難訓練も実施されています。さらに、通り魔的な殺人事件も各地で起こっています。銃ではなくても、刃物で無防備な通行人を襲えば数十人の死傷者が出るのです。

(8)暗い裏道にも街灯や防犯カメラを設置するとかして日本の各都市をもっと安全にすることが急務です。そして、少子高齢化の地域の防災を強化するとともに、各地の行政が、“心のケア”ができるような予算と人材を配置することのほうが、“東京五輪を開催すること”よりよほど大事なことだと私は考えます。(この回終り)