Archive for 12月 31st, 2011

< 今年の10大ニュース >

< 今年の10大ニュース >

 年の瀬になると、今年の10大ニュースが話題になる。私も現役の頃は部内で意見を戦わせたものだった。ニュースバリューの判断には、価値観がからむから、なかなか意見が一致しないことが多い。昔はAP通信と新華社通信の10大ニュースは1から10まで異なっていた。
 
 今月17日に発表されたAP通信社の“2011 News The Top 10 “ の①位は「オサマ・ビン・ラディンの死」②位は「日本の3重災害」であった。以下③「アラブの春」④「EUの金融危機」「アメリカ経済」と来て、7位「カダフィ政権の転覆」8位 「米議会の財政をめぐる対決」 10位「ウォール街を占拠せよ」と続いている。アメリカ以外のニュースが4つも入っているのは珍しい。2011年がそれだけ世界にとって多事多端な年であったことを物語る。 (*AP10大ニュースは金正日総書記死去の前に発表された ) 
 
 中国、インド、ブラジル、ロシアなど新興国の18社のメディアが合同で選んだ10大国際ニュースでは、「東日本大震災と福島第一原発事故」が第1位で、2位が「中東の政変」以下 ③「オサマ・ビン・ラディン殺害」「ウオール街を占拠せよの反格差デモ」「欧米の債務危機」「スティーブ・ジョブズ氏の死去」「世界人口70億人突破」などが並んでいる。昔と違ってAPの10大ニュースとあまり違わなくなった。それだけ、globalizationが進み、価値観が近づいたことをしめすものだろう。(* この10大ニュースも金総書記死去の前に発表 )

 共同通信社加盟の新聞・民放各社の論説委員等(つまりニュースのプロ)が選んだ国際10大ニュースは次の通りである。
① 北朝鮮の金正日総書記急死 ② 欧州財政危機 ③ 中東民主化 ④ ビン・ラディン殺害 ⑤ タイの大洪水と日本企業の操業停止 ⑥ 福島第一原発事故 ⑦ 米で反格差デモ、世界へ拡大 ⑧ NZで大地震日本人28人死亡 ⑨スティーブ・ジョブス氏死去 ⑩ 中国高速鉄道事故

 一方、読売新聞の「読者が選ぶ10大ニュースの国際編」では、①タイの洪水 ②ビン・ラディン殺害 ③アラブの春 ④NZ地震 ⑤ユーロ危機 ⑥中国高速鉄道事故 ⑦ジョブス氏死去 ⑧世界人口70億人突破 ⑨中国世界第二の経済大国 ⑩ウィリアム王子結婚 番外 金正日総書記死去 となっている。

 ニュースバリューの判断基準は、「利害関係と興味」の原則つまりどれだけ多くに人に、どれだけ大きな影響をあたえるか、どれだけ多くに人が興味を感ずるか、それにニュースとしての新しさ、などである。NHKに入って3年目の記者研修で、編集部のデスクから、「くだらないニュースをやるより、天気予報を繰り返せ」と言われた。天気予報のバリューは、前記の基準にあてはめると、なまなかなニュースより重いのである。

 ではどうしてニュースの選択や扱いにばらつきが生ずるのか。それは選ぶ人の価値観が入るからである。先日の「原発とメディア」という朝日新聞の記事に「1975年京都で開かれた初の『反原発全国集会』の扱いは、朝日が3段見出し写真付き60行、読売はベタ(1段)10行だったと書いてあった。

 最後に、底流(つまり将来どれだけ多くの人にどれだけ大きな影響を与える可能性があるか)を重視する私の考えに基づいて選んだ今年の10大ニュースは次の通りです。

①  福島原発の事故とエネルギーシフトの動
    き             
②  ネットで結集した民衆の力が、中東の独裁政権を相次いで
    打倒
③  欧、米、日の財政危機と格差反対デモの拡がり
④  COP17 と WTO交渉 行き詰まる
⑤  アメリカ、世界戦略の軸足をヨーロッパからアジア・太平洋
    へ
⑥ 中南米にアメリカ抜き、キューバを加えた共同体誕生
⑦ 中国国家統計局発表の昨年度GDP日本を抜いて世界第2
    位
⑧ 世界人口70億人を突破
⑨ 中国高速鉄道事故などで一党独裁体制に揺らぎ
⑩ 北朝鮮指導部のnepotism 3代目に

 では、皆さんよいお年をお迎えください。(M)