Archive for 5月 3rd, 2012

「ラジオで聞く日本語の問題」のこと
(1)先日深夜にラジオを聞いていたら、小沢一郎被告の判決のことを話題にしていました。キャスターが、「判決は無罪ですが、共謀性があったことを必ずしも否定はしていませんね」と言いました。私は「“壊し屋”と言われた男だから、“凶暴性”は当然あるのよね」と思いながらニヤリとしました。文字で書いてしまうと面白くないですが、日本語は同音異議語が多いので、“オト”で聞くと、いろいろに解釈できて冗談話(“オヤジギャグ?)が作れます。

(2)日本語を習う外国人にとって日本語が難しい理由の1つには、微妙な“オト”の違いを聞き分けにくいことがあるようです。日本語が結構うまいアメリカ人が、赤ちゃんを抱いた日本人の母嫌に、「赤ちゃん“カワイイラシイ”ですね」と言ってしまったことがあります。これは、「カワイイ」と「カワイラシイ」を混同してしまった例です。

(3)母語が日本語の日本人には何でもない音の識別が、非母語話者にはとても難しいことが多いのです。日本人が英語を聞く場合も同じような難しさがあることは多くの日本人が経験しているでしょう。読んでおられる方も多いと思いますが、ブログ仲間の土屋澄男さんが、「日本人にとって英語の聞き取りがなぜ難しいか」を論じていますので、参考にしてください。

(4)そういうことで、今回はラジオ放送を取り上げてみたいと思います。私がよく聞く番組に、TBSラジオの「荒川強敬デイキャッチ」というのがあります。月曜から金曜の15時半から、17時50分までの放送ですから、勤めのある人は聞く機会は少ないと思うのですが、電話やファックスの投稿では、結構勤めている人からのものも多いようです。

(4)司会役の荒川強敬氏は、歯切れがよくて、時にものすごく感情を込めたりして聞きやすい話し方ですが、コメンテーターには私のあまり気に食わない人もいます。第1は、金曜のコメンテーターの宮台真司氏(首都大学教授で社会学者)です。どうも言い方が上から目線で、説明につまると難しい英語で逃げようとするところがあります。かなり前ですが、「ファイナンスすることは困難ですからね」と言ったことがあります。英語教師でも finance(財政、金融)などは知っていても、動詞の「融資する」は知らない場合が多いのではないかと思います。

(5)水曜日のコメンテーターは、毎日新聞専門編集委員の近藤勝重氏です。親しみやすい人の良さそうな話し方ですが、「なんと言いますか」が口癖のようになっていて、聞き苦しいことがあります。しかも、途中で別なことを言い出すので、“副詞句”が宙に浮いた表現が多いのが気になります。コメントの内容は納得できるものだけに残念に思います。

(6)TBSの深夜番組“ Dig”では、火曜日の神保哲氏(ビデオジャーナリスト)や藤木TDC(フリーライター)などが、“しゃべり過ぎる”コメンテーターです。ラジオでは表情やジェスチャーなどが見えないのですから、話し方にはいっそう神経を使ってほしいと思います。切れ目なく話されると、聞くほうはとても疲れます。

(6)中年から高齢者に人気があるのは、NHKの「ラジオ深夜便」(通例午後11時20分から午前5時まで)のようです。内容も豊富ですが、英語の歌の題名では、“アンド、イットイズ”式の言い方をするキャスターがいて気になります。題が原語(英語、仏語、スペイン語など)ならば、日本語訳で言ってほしいと思います。それと全国の各局が持ち回りのことがあるのですから、もっと準備に時間をかけて、各地の特色を出しながら連携のある内容にしてもらいたいものです。同じ歌を二晩続けて聞かされることがありました。(この回終り)