Archive for 8月 28th, 2012

“甲子園の砂はどこへ行く?”で考えたこと
(1)夏の高校甲子園大会では、奇しくも春の選抜大会と同じ学校の決勝戦となりました。私はどちらかというと、春に決勝戦で負けた青森の光星学院に勝って欲しいと思いましたが、自慢の打撃が振るわず負けてしまいました。負けたチームが必ずやるように、彼等は涙を流しながらベンチ前の砂を集めて持参した袋に詰めていました。私はこの光景を見るたびに、「持ち帰ってどうするのだろう」と疑問に思うのです。砂を入れる袋を用意しているということは、負けることを覚悟しているようで、縁起も悪いでしょう。

(2)タレントの中には、「知り合いの選手から甲子園の砂を分けて貰ったよ」と自慢する者もいるようですが、そんなに値打ちのあるものとは思えません。選手が負けた試合を思い出して、「次回こそは」と復讐を誓うのは結構ですが、それならば、スポーツ新聞や週刊誌のスクラップなどのほうがコメントも書いてあるし、反省材料に適しているのではないでしょうか。私には「甲子園の砂」の意味がよく分かりません。

(3)早くに敗退して姿を消しましたが、宮城県代表の仙台育英高校は以前訪れたことがある学校なので、応援していました。私が訪問した時には、学校長など関係者から、学園の歴史や建学の精神などを話してもらいました。モットーは、至誠・質実剛健・自治進取とのことでした。私の世代では、「質実剛健」などは、戦時中によく言われたのを覚えていますが、「自治進取」が付加されていることに新鮮味を感じました。

(4)以前は、勝ったチームの校歌しか聞けませんでしたが、今は試合の前の学校紹介で両校の校歌が歌われます。これは改善だと思います。ところで、今年は例年にない猛暑の中で熱戦が続けられましたが、選手には熱中症で倒れるということがないのも日頃の鍛錬のお陰なのでしょう。チーム全員が共通の目的に向かって鍛えた技を競うというのは見事なことだと感心します。でもスポーツに勝敗はつきものです。負けた悔しさを次の活躍のための力として欲しいものです。

“オバマ大統領の演説”で感じたこと
(1)アメリカの大統領選挙が事実上始まりました。共和党の候補者は比較的穏健なロムニー氏になりそうです。オバマ氏については、期待が大きかっただけに失望から来る反対も多いようです。しかし、彼は演説が上手ですね。支持者を前にして、”I believe in you. You believe in me.” (私はあなた達を信頼します。あなた達は私を信頼してください)と訴えていました。もちろん原稿など見ません。

(2)たまたま前夜は、野田首相が領土問題で臨時記者会見をして、所信表明をしました。しかし、首相は用意した原稿を読むだけで、声の抑揚にも乏しく、全く迫力がありませんでした。「不退転の決意で」といった抽象的な言葉では、日本国民にも訴える力がありません。記者団からの質問にも、「“近いうちに民意を問う”と言われたが、選挙はいつになるのか」といった見当違いのものがありました。国会は本会議などを1日開くと1兆円近くかかると言われているのに、与野党ともに、何を考えているのでしょうか。

(3)政治家の中には、「自衛隊を常駐させて国土を守れ」と主張する人がいますが、自衛隊の船が中国の軍艦に沈められたら、どうするのでしょうか。「戦争になっても構わない」というつもりでしょうか。国連に訴えても、中国やロシアが拒否権を使えば、国連は全く機能しないことはシリアの例でも明らかです。石原都知事や橋下大阪市長などは、そこまで考えているのでしょうか。

(4)外交というのは、お互いに国益を主張する駆け引きです。冷静に、しかも時間をかけて説得力のある説明をしなければなりません。したがって、首相や外務大臣がしょっちゅう交代するようではとても不利なのです。足元を見透かされた外交交渉がうまくいくはずはありません。このままでは、日本の外交はお先真っ暗です。(この回終り)